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不可能が可能へ

クリスマスムードたけなわということでホリデーギフト含めさまざまな案内が喧しいが、過日には世界三大珍味の一つであるトリュフのお取り寄せの案内が来ていた。さて、このトリュフといえば今月アタマの日経紙・地方経済面では「黒トリュフ人工栽培成功」と題し、茨城の森林総合研究所と岐阜県森林研究所がトリュフの人工栽培に国内で初めて成功した旨の記事があった。

白トリュフの旬が過ぎて今は黒トリュフが旬だが、この白トリュフの方は既に森林総合研究所が人工栽培に成功しているという。かつて人工栽培が不可能なキノコとされた舞茸も雪国まいたけの技術でこれが可能になった旨を書いた今から7年前の当欄では、このトリュフについては「松茸と共に人工栽培はほぼ不可能とされる。」と書いていた。

ところがこの松茸に関しては現在では東証プライム市場に上場する肥料メーカーの多木化学が既に松茸によく似た近縁種で香りや味が松茸以上ともいわれるバカマツタケの人工栽培に世界で初めて成功、当時はこの発表翌日からわずか3営業日で3日連続ストップ高をまじえてその株価が約70%も急騰したのが記憶に新しい。

このバカマツタケ相場からはや5年が経過しその後の様子が気になるところだが、今年9月の同社のニュースリリースでは市場の需要や生産効率を詳細に評価し、商品化については計画的に検討してゆくとのことであった。わずか数年前には不可能といわれた事案も日進月歩の技術で次々に夢物語ではなくなってゆくが、そう遠くない時期にはこのトリュフもホリデーギフトに人口栽培モノが登場する事になるのだろうか。


トップの品格

さて、東証プライム市場に上場するENEOSホールディングスの社長が今日付けで解任されたと報じられている。情けないのはその理由で、酒の席での女性に対する不適切行為だという。この処分と共にこの酒の席に参加していた副社長や常務など幹部も処分されたようだが、副社長のほうはコンプライアンス部門のトップだったというから酷い話だ。

しかしこのENEOSホールディングスといえば確か昨年の夏に当時の会長も女性へのセクハラ行為で辞任に追い込まれたのを思い出す。この時の記者会見で今回解任された社長が神妙な顔で「信頼を取り戻すべく社長として全身全霊で取り組む」と決意を語っていたのを思い出すが、同じ理由でプライム企業のトップが2年連続で解任となるともはや呆れるが可哀想なのは社員である。

そういえばこのENEOS会長セクハラ辞任の少し前には同じくプライム市場に上場している横浜ゴムの社長も20代の大学院生と所謂“パパ活”に精を出していたのも報じられ、パパ活といえばこの後にはこれまたプライム市場に上場するシステナの会長もパパ活を行っていたと相次いで報じられていたなと。

一昔前とは違って近年は、SNSの発達に恐怖の“文春砲”などもありプライベートの問題に対しても社会からの批判が強まる傾向にあるのは否めないところ。コンプライアンスやコーポレートガバナンスが声高に叫ばれる現代においては、トップの行動で企業のレピュテーションが大きく毀損するリスクも孕んでいるだけに経営陣の品格が問われるところか。


ハト派転換へ

今年最後となる日銀の金融政策決定会合が始まった。金融政策といえば世界でも先週は主要な中央銀行が金融政策を発表しているが、はたしてECBは10月に続き2会合連続で利上げを見送る決定をし、イングランド銀行もまた3会合連続で政策金利を据え置きすることを決定、そしてFRBは事実上の利上げ終了宣言となった。

まだ景気もそこまで悪化していないなかで金利が今後下がる期待感でマーケットはこれを好感、ダウ工業株平均は約1年11か月ぶりに史上最高値を更新している。FOMCでは中央値で来年3回の利下げを見込むという事が示されたが、一方でドル円相場もこれらを受け1日で4円以上も円高が進み約4か月半ぶりの水準を示現することとなった。

斯様に世界では利上げ局面が終了に向かう重要な節目を迎えているが、正常化が進まず周回遅れともいうべき日本はマイナス金利の早期解除への期待感が高まっている。とはいえ足元では実質賃金が19か月連続のマイナスと物価上昇に賃金の伸びが追い付いていない状態が恒常化。個人消費や設備投資等々の勢いを考慮すれば地ならし段階のいまマイナス金利解除に動くのかどうか微妙なところだが、いずれにせよ今週最大の焦点だけに明日の結果公表が注目される。


価格転嫁継続

大手百貨店ではクリスマスケーキの申し込みが今週あたりで締め切りになると思うが、本日の日経紙商品面には「甘くない原材料高」として、飼料高で値上げに動いた生乳の影響を受けた生クリームや物流事情の影響を受けた砂糖、猛暑の影響を受けたフルーツなどクリスマスケーキの原材料価格が軒並み値上がりし不二家では1割ほど値上げした旨が出ていた。

当欄で「甘くない今年のケーキ」と題してクリスマスケーキの値上げに触れたのが一昨年だったが、この時はコロナの影響でケーキと共にクリスマスには欠かせないチキンなども輸入モノは絶望的な状況であった旨を書いていた。この年は価格転嫁が間に合わず何処も泣く泣く耐えたが、これが適った去年は大手百貨店で約半数が5~10%の程度の値上げ、コンビニ大手3社では10%程度の値上げとなっていた。

今年は冒頭の通り不二家が定番商品を値上げしているほか、ザッと見たところ昨年比では5~10%の値上げが多いという感じだ。調べていた中には昨年買おうと思ったものの別の商品に目移りし結局買わなかったケーキが今年は一気に価格を5割も値上げしていて驚いたものもある。いずれにせよほろ苦い値上げを天秤にかける難しい舵取りが今後も暫くは求められるか。


繰り返されるブーム 

昨日の日経紙夕刊のルーツ調査隊の記事ではカプセル自動販売機、所謂ガチャガチャが取り上げられていたがこれもここ数年で空きスペースなどで急激に増殖した感がある。それもそのはずで昨年の市場規模は610億円とここ数十年で約3倍にも膨らんでいるというが、もともとの出始めの頃はキャラクター消しゴム等から始まりバブル期には大人向けの商品展開が盛んになってきたのが記憶に新しい。

そういえば10年くらい前には「コップのフチ子」なるキャラもヒットしこの時の累計出荷は2500万個にものぼったとかの報も思い出すが、こういったキャラモノから近年ではエモいモノがトレンドで学校の廊下にあった水道周りや、かき氷機に個人商店の店先にあった赤電話まで昭和レトロ風のモノがウケている模様。

また最近見たのだが食品系も再現度が高い。ファミレスのメニュー等から銀座コージーコーナーにしっかりレモンスライスが再現されているサクレアイスまであるが、テレビ業界では定番の喜山飯店の中華弁当や金兵衛の西京漬け弁当、サイドのポテトまで忠実に再現されたオーベルジーヌのカレーなどその再現度合いはもはやマニアックな域である。

また最近ではインバウンド客を巻き込んだ第4次ブームが到来ともいわれており、お寺でもお賽銭を入れるとガチャガチャが回せるところまで出てきた。というワケで既に昨年の市場規模は610億円とここ数十年で約3倍にも膨らんでいるというが、魅力的な商品を入れれば人気を呼び売り上げに繋がってゆく点では同じく再ブームのクレーンゲームも同じか。タピオカもそうだったがこの手はある一定のサイクルでブームが繰り返されるポテンシャルを持っている。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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