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現物デリバリー27年ぶり高水準

さて、昨日の日経紙商品面には「安値プラチナに底入れ感」と題して、ディーゼル車向けなどの需要減を背景にここ5年で国際相場が5割もの下落を演じたプラチナ相場に連動するETF残高が今年に入ってから増加に転じていることで長期的な相場底入れの兆しが出てきている旨の記事があった。

同紙によればここ数年減少が続いていた世界のETFが価値の裏付けとして保有する現物残高の合計が、今年に入ってから増加に転じ今月上旬時点で70トン程度と年初比1割多いという。一方、当欄では先月にPGM系金属について触れその時は純パラジウムETFが年初来高値を更新した旨を書いたが、こちらの残高はプラチナと対照的に1年で4割減少している。

現物の話といえばもう一つ、東京商品取引所での直近の納会(2月物)で受け渡されたプラチナの地金は3,086枚、数量にして1,543キログラムと実に27年ぶりの高水準に達している。この低迷期でもバイプロ目当てで減産機運は乏しいなどファンダメンタルズの劇的な改善があったワケではないが、上記のような現物手当はボディーブローのように効いてくるだけに低迷期から脱却する切っ掛けになるのか否か今後注目しておきたい。


チョコは甘いか苦いか

本日の日経紙・真相深層では「オリオン薄氷の買収劇」と題して、外資ファンド入りして現在TOBの真っ最中の地方企業を巡る苦悩が載っていたが、M&Aといえば同じく同紙金融経済面のM&Aプロファイルにもゴディバの日本事業を巡るファンド勢の買収劇が載っていた。

ゴディバといえば昨年のバレンタインデーに義理チョコはもうやめようとの意見広告を出していたのが記憶に新しいが、今年は「ホワイトデーは、ありがとうを贈る日。」と題した全面広告がちょうどこの日の日経紙には載っていたが、それは兎も角も身売りの背景にはトルコリラの急落による債務圧縮などいろいろ事情がありそうだ。

ココに1,000億円以上を投じ買収したのがMBKパートナーズだが、かつてのアコーディア・ゴルフの買収が記憶に新しい。高級チョコマーケットは飽和感から成長余地は乏しいといわれているものの、かつてのコメダ投資の経験を生かしブランドのカフェ業態の出店拡大を狙うという。冒頭のオリオンにしろこのゴディバにしてもいずれも目標とするのはIPOということになるが、両者今後のお手並み拝見というところか。


ブランド化と保護

さて、先週は「返り咲いたコシヒカリ」と題し発熱しているブランド米の構図を取り上げたが、昨年末に米国を除く11カ国からなるTPP11(環太平洋経済連携協定)が発効されこれまで以上に安価な輸入牛肉が流入する事への警戒感を背景に牛肉の世界も一部上場大手や全農等を中心にしてブランド化の動きが相次いでいる。

実際のところ先月末に財務省が発表した貿易統計では品目別で牛肉輸入量は前年同月の1.5倍となり生産者のブランディングも益々課題になってくるだろうが、最近では並行して和牛の遺伝資源が所定の輸出検査をしないで海外に流出しそこでの生産に繋がっているケースが発覚し問題になっている。

この肉に限らず、例えば平昌五輪で活躍したカーリング女子のもぐもぐタイムで物議を醸し出した「流出苺」やら他にシャインマスカットなども問題になった事があるが、フルーツ等含めた農業の分野は知的財産が多く大切に創造した日本ブランドの海外流出は日本の輸出機会の脅威になり得る事でその対策も今後の課題だろうか。


本来の姿へ回帰?

さて、先週末の日経紙総合面では360億円という見出しと共に、大阪府の泉佐野市のふるさと納税の寄付受け入れ額が2018年度に360億円となる見込みだと先月末に発表された旨の記事が載っていたが、果たして前年度の実に2.7倍となるなど一人気を吐く構図が鮮明になった格好だ。

同自治体に関しては先月も何所ぞのスマホ決済キャンペーンで見掛けた大盤振る舞いの100億円還元キャンペーンに便乗?したような裏ふるさと納税を先月取り上げたばかりだが、それにしても捨て身の行動による費用対効果は其れなりに数字に跳ね返り応分の結果を出したといったところだろうか。

今後の6月の通知法律化を経てどういった処遇になるのか注目されるところだが、ここ数年含めた斯様なバブル期を経て今後どう変遷してゆくのか。最近では地域が抱える課題を明確に出しそれに共感する人が金を出すクラウドファンディング型が俄かに流行ってきた感もあるが、本来の姿への転換点になるのかどうか今後も注目である。


構想また一歩前進

さて、今週気になった記事といえば昨日の日経紙金融経済面の「貴金属や農産品 大阪に取引移管」と題し、日本取引所グループと東京商品取引所との間で東商取が扱う金などの貴金属や農産物を日本取引所傘下の大阪取引所に移す事で大筋合意したとの件か。

構想自体はあったものの単独路線への拘りもあり遅々として進まなかったものが約3年前に大阪取引所の売買システムの共同利用へと動きが出始め、改めて両者が総合取引所の創設に向け統合協議に入る旨の話が報じられたのが当欄でも取り上げた昨年の秋口頃であったがこれでまた一歩前進といったところか。

今後先ずは夏頃をメドとして予定されている日本取引所グループによる東京商品取引所へのTOBによる100%子会社化がスムーズに運ぶかどうかだが、いずれにせよ当初の内閣府の作業部会から12年が経過、競争力で見劣りする現況から国際標準入りし海外取引所とも互角に渡り合うという悲願を賭け縦割り行政や現行規制にメスが入るのかどうか今後も注目が怠れない。


返り咲いたコシヒカリ

さて、本日は去年生産されたコメの味わいランキングが発表されたが、特Aには過去最多となる55銘柄が選ばれることになり、28連覇を誇った新潟県の魚沼コシヒカリがまさかの最上位から転落する事態となった去年の雪辱を果たすべく同銘柄が再度最上位に輝くこととなった。

特A米は平成元年に13銘柄だったものが、この30年で42銘柄増えて55銘柄になっている。9銘柄が今年新たに特Aとなり3銘柄は初出品での特Aとなり協会側は各地域の努力を謳っているが、そんな背景には消費減から販売競争が激化しパイの奪い合いからブランド化の必要性が重要となってきた経緯がある。

今後もこうした傾向に拍車がかかってくるかどうかというところだが、新潟コシヒカリといえば先物市場の方も主力の新潟コシヒカリ先物残高が2月下旬時点で2018年末比の4倍となるなど投資資金が流入し始めた旨が先週末の日経紙に載っていた。異例の試験上場延長申請にシステム問題等で何かとザワついた経緯があったが、派生商品の登場などもあり残高増が継続するかどうかこちらも関心が向くところ。


社外取締役の効力

本日の日経紙には「上場子会社に独立取締役」と題し、政府が新たな指針を作成し子会社の取締役会で独立した社外取締役の比率を高めるよう求める一方で、親会社には親子上場を維持する合理的な理由を開示させるなど親子上場している企業グループの利益相反を抑える仕組みを作る旨が出ていた。

親子上場といえば直近でやはり記憶に新しいのは、上場後もなおソフトバンクグループが6割強の株式を保有して筆頭株主に君臨するという構図が変らないという昨年末に上場したソフトバンクということになるが、企業誘致問題とも併せてJPXもそれ相応のジレンマがあったのは想像に難くない。

ところで社外取締役といえば他に運用会社も投資先企業に対し独立した社外取締役を増やすことを求める動きも出てきているが、長年の日本の特異な慣行が燻るなかでも斯様にガバナンス・コード改定等を背景に海外投資家などに忖度した動きが粛々と進行しつつある機運にもなってきたか。


PGM明暗

本日の日経平均は先週末の米中通商協議の進展期待を背景に再度反発となった米株式を受け反発となったが、売買代金の方はいま一つ盛り上がりに欠けるなか新興市場のバイオ関連が物色された。とはいえオプションマーケット3月限で、建玉別価格帯が最多となっているコールの権利行使価格21,500円を抜けて来た事で明日以降も注目される。

ところで上記のバイオ関連に隠れて地味?に上昇しているのが貴金属系のETFか。本日もETFSの金上場投信などが値上がりランキングに顔を出しているが、三菱UFJ信託の純パラジウム上場投信も本日は前場に4,200円高と急騰して50,000円の大台に乗せ年初来高値を更新してきている。

このパラジウム、昨年秋から国際価格は史上最高値を塗り替え今年に入ってからは16年ぶりに金を上回り話題になったものだが、排ガス規制強化による触媒需要増を背景に直近でも先週も1トロイオンス1,400ドルを超え新たに史上最高値を更新しており、欧州を軸とする脱ディーゼルを背景に恒常的安値から抜け出せないプラチナとは対照的。

もう一つ、上記のETFも旺盛な需要の受け皿が売却によって為され供給不足が和らいだ計算となっているが、ここから更に在庫をETF並みに取り崩せるところが他に潤沢にある訳でもなく今後在庫払拭思惑が台頭し其々の格差に更なる変化が出て来るかどうか注目されるところ。


第4回TOCOMリアルトレードコンテストを4月から開催

最低参加資金50万円、参加申し込みは3月1日より受付開始

東京商品取引所(東京都中央区・代表執行役社長 濱田隆道)は、第4回TOCOMリアルトレードコンテストを4月1日から9月30日までの6か月間開催することを発表。



本コンテストは、第1回(2017年6月〜8月実施)、第2回(2018年1月〜3月)、第3回(2018年7月〜12月)と回を重ねるごとにより多くの注目を集め、参加者数は当初の2倍である約500名に増加。第3回コンテスト優勝者の利益率は317.33%、利益額は137,371,180円にのぼり「億り人」が誕生。

第4回大会の開催期間は、ファンダメンタル等をベースに中長期的にポジションを保持する投資家に対応して6か月間とし、最低資金額は、FX投資家等による新規参入を促すため50万円に。評価方法は利益率と利益額の二つとし、それぞれにおいて成績優秀者上位10名を表彰します。

▼第4回TOCOMリアルトレードコンテストの詳細はこちら


資本回収

さて、昨日の日経紙マーケット面には「自社株買いで縮む市場」と題し、19年に自社株買いを発表した後の企業の株価は東証株価指数を5〜6%上回り、18年の約2倍となっているという旨のシティグループ証券の調査が出ていたが、18年度の自社株取得額はピークの15年度を凌いで最高になるのがほぼ確実との旨が載っていた。

自社株買いといえばここ最近では昨年夏の東芝が実施した実に7000億円にのぼる自社株買いが記憶に新しいところだが、ココやほぼ同額実施のトヨタや日本郵政などの例は極端だとしても数年前のダブルコードの適用も背景にROEが意識され上記の通り何所も自社株買いの動きがより活発化してきている。

とはいえROEばかりが意識されるあまりに、企業利益が設備投資やら研究・開発まで十分回らないままこれらに振り向けられているパターンも依然として目に付くところ。この頁にも記してあった通り気になるのはその後の成長で、生産性が低下し低成長の原因になっているのは本末転倒というところだろう。


緩さの匙加減

本日の日経紙金融取材メモでは「SGX、緩いルールで衰退」と題して、SGX(シンガポール取引所)の新興企業向け市場「カタリスト」の上場ルールが緩い為に本市場で上場維持が危ぶまれる企業の受け皿になっている旨のシンガポール国立大学准教授と学生に因る連名リポートが話題になっている旨が書かれていた。

こうした問題が出てくると思い出すのが、数年前に本邦の新興市場でヤリ玉に挙げられたエナリスや京王ズなどの問題発覚企業群などから「上場ゴール」なる言葉が流行り出した件か。これを機に審査厳格化や業者兎の多彩化等で襟を正す機運になりこんな造語も影を潜めているが、これに対しSGXの役員は同市場の制度見直しに消極的姿勢を崩していない。

そんな背景には同じアジア圏でライバルの香港取引所等へのIPO企業流出懸念がある。世界の取引所ブランド価値でも躍進した香港は普通株と議決権が異なる種類株を発行する企業や、バイオベンチャー上場を積極的に認める柔軟な姿勢から昨年1〜9月のIPOに伴う調達額は前年同期の2.7倍にあたる3.4兆円と世界1位になっている経緯がある。

世界的なカネ余りから敢えて上場の選択をしなくとも資金調達が容易に可能となってきている昨今、企業の立場が優位になって来たという環境の変化もよりこうした誘致合戦の素地を形成しているが、骨抜き誘致とならぬよう適切に企業価値を評価出る審査体制や投資家保護などやはり課題だろうか。


イメージ調査

本日の日経紙広告特集欄では「第31回日系企業イメージ調査」が出ていたが、認知度や技術的イメージ等以外にも昨今の持続可能な開発目標を実現する企業の取り組み度によって評価する投資家の増加を背景に、一昔前には無かったSDGs的イメージランキングも最後の方に載っていた。

こうしたSDGsに配慮した事業活動の盛り上がりに伴い近年はESG投資も活発化してきているが、昨日取り上げた日銀と並んでクジラといわれるGPIFなどもこれらの企業は長期で株価上昇や安定した配当が期待出来るとの思惑もあって、一昨年あたりからこうしたセクターに絞った物色も始めている。

一方で欧米勢のように投資対象から環境配慮や順法意識が低い企業を外す減点法的チェックとネガティブスクリーニング主流の認識の違いなどで、加点法主流の本邦勢の懸念も一部で指摘されているが、いずれにせよ昨年も多発した不祥事を鑑み今年もガバナンスが一層クローズアップされ株主優待からふるさと納税までこうした波は一層顕著になってくるか。