可能性の芽

さてパリオリンピック開幕目前だが、この期に及んで日本女子体操代表の主将でもあった宮田笙子選手が喫煙と飲酒行為により代表を辞退したというショッキングなニュースが先週に報じられた。自身の経験からこと体操競技に関しては思い入れが強く、この件に関してもいまだ賛否両論喧しいがこれにより1964年の東京五輪以来、60年ぶりのメダル獲得が期待された団体総合も異例の4人体制で戦いに臨むこととなる。

選手の登録は現段階で既に締め切られており、今回の件が交代要件にもそぐわないためにリザーブの杉原愛子選手の繰り上げ起用は適わないという。これまで2度のオリンピック出場をはたしキャリアもその衰えない演技からも繰り上げには申し分のない逸材だと思ったが、先のNHK杯で僅かなポイント差から代表入りが叶わずに涙をのんだ彼女の姿が思い出されるだけになんともやるせない想いが沸く。

そういえば今から6年前には自身を指導するコーチの暴力指導による無期限登録抹消処分の不当性を訴え、同時に協会関係者のパワハラを告発して以降すっかり表舞台から姿を消したリオ五輪代表の宮川紗江選手も先週に現役引退を発表している。宮川選手も当時女子では彼女しか出来ない大技を持っていたものだが、可能性のある才能が怪我以外のもので潰れていってしまうのは日本の体操界にとって多大なる損失となるのは間違いなく残念で仕方がない。


丑の日2024

本日は存じ「丑の日」。この猛暑のなか、うな重でスタミナでもつけようかと舌鼓をうった向きも多かったのではないか?さて鰻といえば今年も東アジア全域で稚魚が大不漁ということもあり養殖量も世界的に低迷、東京都中央卸売市場ではウナギ1キロの平均価格がこの20年で約3.3倍にもなっている。街の鰻屋も最近では価格破壊を売りにした新興勢も出ているものの、老舗どころの多くは値上げを余儀なくされ庶民にはますます気軽な食べ物から遠い存在になりつつある。

そんななか朗報とされているのが、水産庁がシラスウナギの卵を人工的に孵化させ人工シラスウナギから成魚まで育てる完全養殖を実用化させようとしている件か。とはいえこの完全養殖の人口シラスウナギにかかるコストは、現在のところ一般養殖で天然シラスウナギにかかるコストの約3倍かかるという。朗報とは言うもののこれは一般に流通するまでの期間含め実用化のためには解消すべき課題は多い。

そこまで待ってはいられないということで民間でもウナギをターゲットにした開発が日進月歩だ。昨年は丑の日を前に植物性原料による「謎ウナギ」なるモノを発売した日清食品は今年も見た目や味を改良した新製品を発表、昨年は1分間で限定の1000セットが完売したというが、今年はその5倍の5000セットが1分未満で完売したという。

プラントベースフードの類はコストに見合っているのか否か疑問符の残るモノも多数あるものの、代持続可能な世界に貢献するというコンセプトがSDGsに敏感な一部消費者の共感を呼び易い昨今の流れも後押ししていることも確かで、そういった意味ではこの市場もまだ伸びしろがありそうだ。


宴席の賑わい今は昔

本日の日経紙投資情報面の一目均衡には「白酒バブル崩壊と中国経済」と題し中国を代表する高級白酒である茅台酒の流通価格が暴落している旨が出ていた。このブランドを擁する貴州茅台酒は昨年の今頃は日本で時価総額トップのトヨタ自動車をも凌ぐ時価総額を誇っていたものだが、今やその時価総額も認証不正問題の余波で高値から20%ほど下落の憂き目に遭ったそのトヨタ自動車よりも下に位置する。

先に発表された4-6月期GDP成長率は予想を大幅に下回っていたが、同社に限らず中国人の旅行需要失速が響いたマカオでカジノを運営する金沙中国や、宝飾大手の周大福珠宝集団もまた時価総額を減少させている。また欧州ラグジュアリーブランドの類を見ても、例えば最近アウトレットからの撤退が目立つグッチなど最大市場の中国で低迷したことが響き4半期連続で減収の憂き目に遭っており、高級ブランドコングロマリットの中でも低迷が目立つケリングの明日の決算発表が注目される。

しかし冒頭の貴州茅台酒もROE約30%を誇り海外の機関投資家にも注目され底堅い需要とブランド力で業界最大手として不変の地位を保ち、一時期は擁する商品の持つ希少性と換金性から金と同じ価値を持つとさえ一部でいわれていたものだがすっかりその輝きも色褪せている。斯様に不動産不況をきっかけに一気に逆回転が起きているが、はたして再度ブルーチップに返り咲く日は来るのか否か今後も注意深く見ておきたい。


ブルースクリーン

周知のように先週末に世界を襲ったのは米MSのOS「ウィンドウズ」を巡る大規模なシステム障害であった。成田や羽田では欠航や航空券の予約・購入が利用出来ない障害が報じられていたが、ドイツ、オランダ、スペインやインドなど海外の空港でも運行に多大な影響が出ていた。他にもロンドン証取運営の英LSEGでは企業開示情報等の配信が停止、オーストラリアでは一部銀行で送金が出来なくなどその影響は世界中で広範囲に及んだ。

今回の障害は大手向けセキュリティーサービスを提供する米クラウドストライクのソフトの不具合が原因だったようだが、システムを守るセキュリティーソフトそのものが障害を引き起こすという何とも皮肉な事態になった。これまで効率化を求め挙って大手への集中化も加速してきたワケだがこれらの裏側に潜むリスクが改めて顕在化、現代のIT基盤の脆弱性が露呈した格好になったか。

ところでシステム障害といえばローカルな話になるが、システム障害による冷蔵品の出荷停止を巡り春から全国規模で出荷停止の憂き目に遭っていた江崎グリコのプッチンプリンが来月から出荷が順次再開される模様だ。ただ、他製品含め全面再開の時期については依然見通しは立っていないというが、今後AI等含めた最新技術への切り替えも予測されるなかグリコのような上場企業は兎も角、体力の無い中小企業などコスト面含めデジタル化の波に乗れない向きにとってまたこの辺は頭の痛い問題になるのは想像に難くないか。


真贋如何に

さて、今週は国内の美術館で所蔵されている絵画が贋作の疑いがあるということが相次いで判明したニュースに興味をそそられた。徳島県立近代美術館が所蔵するフランスのキュビズム画家ジャン・メッツァンジェの「自転車乗り」と、高知県立美術館が所蔵するドイツの画家ハインリヒ・カンペンドンクの「少女と白鳥」がそれで、月末より開催予定であった所蔵作品展等が急遽取りやめになっている。

これで久し振りに思い出したのが3年前だったか世間を騒がせた日本画の巨匠、東山魁夷や平山郁夫らの絵画を基にした版画の贋作事件だろうか。大阪府の画商の依頼で関西の工房経営者が作成しその流通量は800枚にものぼるともされ、オークションなどで売買されたほか一部大手百貨店が販売してしまった版画の買い戻しを進めるなど大問題になった経緯がある。

それはさておき冒頭の両作品共に、ドイツの天才贋作師といわれるヴォルフガング・ベルトラッキ氏の作品と疑われている。巧妙なのは実物が存在する作品を偽造せず、ターゲットになるのは大戦中に消息不明となったタイトルのみ判明しているような作品の類といい、模倣した贋作を消息不明の絵画を発見したと自作自演で発信する手口と、その絵のみならず詐欺の技術においてもまた卓越した才能を持っている。

その腕は著名画家50人分の画風を完璧にマスターしているといい、斯様な手法でこれまで300点を超える贋作を描き約80億円以上を手に入れたと言われている。しかしこれだけの腕を持ち切れる頭脳を持っているなら真っ当な道を歩んでも必ずや成功したと思われるが、凄腕の地面師よろしくかくも緻密に舞台が造られると対応もまだ限界があるか。放射性炭素年代測定など科学的解析も日進月歩だが、両者の鼬ごっこはまだまだ続きそうな感がある。


構成銘柄半減

さて、TOPIX(東証株価指数)が史上最高値を記録したのは先週11日のことだったが、この日の日経紙社説には「新TOPIXで企業改革の後押しを」と題しJPX(日本取引所グループ)がこのTOPIXの絞込みを含めた見直しを進めている旨が出ていた。既に段階的なコンサルテーションが為され、一昨年春に流動性に着目した見直しで市場区分との紐づけを廃止、その後は段階的ウェートの低減で100億円未満の銘柄削除を実施という運びになる。

つまりこの見直しではスタンダードやグロース市場でも基準を満たせばTOPIX銘柄として認めてもらえるという事になるワケだ。また直近ではちょうど先週にもアシックスが自社が保有する総額100億円超にもなる政策保有株の全てを今年中に売却する旨が報じられているが、この改革では既に一昨年に市場区分との紐づけ廃止と共に政策保有株を浮動株から除外ということになっており、明確な目的の無い持ち合い株の意義がここでも問われる。

市場区分見直し後も予想外?に東証の市場改革が粛々と具現化しているが、いずれにせ数年後には現行のTOPIX銘柄数は2100程度からほぼ半分程度に絞り込まれる予定となる。競争原理も自ずと働くであろうし上位ポストで胡坐をかいていたような企業も順次マーケットやアクティビストらの圧力を受ける可能性が格段に高くなるだけに、この改革においても市場の活性化に対する期待は大きくなる。


アクティビスト隆盛

ちょうど1週間前の当欄では複数のアクティビストが大株主となっていたダイドーリミテッドが従来の約20倍にもなる大幅増配を発表した旨を書いたが、その大幅増配発表でストップ高と急騰したところで大株主であったアクティビスト2社が揃って全保有株を売り抜けていたことがその後の大量保有報告書で判明している。これに歩調を合せ?先週にはアクティビスト側から選任された一部取締役も辞任ということでヤレヤ感は否めない。

それはさておき、物言う株主といえば先週の日経紙グローバル市場面には「物言う株主提案最多」と題し、アクティビストが世界で1~6月に企業に対して提案した提案・要求した件数が計147件と同期間で過去最多となった旨の記事があった。上記のダイドーリミテッドのような大幅増配の類というより、世界では不採算事業売却や経営陣刷新など経営に踏み込んだ提案が世界で増えているという。

この頁では米エリオット・マネジメントによるサウスウエスト航空やテキサス・インスツルメンツに対する経営陣刷新や事業戦略見直し提案が挙げられていたが、米では実際にアクティビストが取締役として舵を取る例を目にする。例えば日本でもオリンパスやセブンアンドアイHDに投資実績のあるバリューアクト・キャピタルは2014年から2017年までCIOを取締役として送り込みその在任中の株価が2倍以上に上昇、また他にも一昨年からセールスフォースに投資を始め同CIOはここでも取締役として送り込まれている。

日本最大のコンサルティング会社であるアイ・アールジャパンによれば、日本市場に参入したアクティビストは5月時点で72ファンドと5年前に比べて倍増しているという。そういった事を背景に先の株主総会で株主提案を受けた企業も3年連続で過去最多を記録しているが、日本でも上記のような積極関与が今後増加してくるのかどうかこの辺も注目しておきたい。


新紙幣と経済効果

今週いつものクリニックに行った際の会計で早くも新紙幣が交ざっていたが、周知のように今月から20年ぶりとなる新紙幣の流通が始まった。流通初日の全国の新紙幣対応の割合はATMなど金融系機器で9割以上、鉄道・バスの券売機で8~9割、一方で食券の自動販売機は5割、飲料自販機は2~3割程度での対応であったが、いずれにせよ新紙幣発行によるATMや自販機の入れ替え等でその経済効果は約1兆6千億円と試算されている。

初日から各金融機関には列を作っている人々がTV等で報じられ、中にはレアモノの記番号狙いで高額両替する向きも居たようだがこれらがそう簡単に一般の手にホイホイ渡るとも思えない。それでも流通初日からヤフオクでは出品禁止のハズのプレミアでも何でもない新紙幣がズラリと並んでいたからなんとも商魂たくましい向きが多いものとつくづく。

其れは兎も角も、ネットワーク社会でキャッシュレスの動きが加速する条件が整った中での新札発行というのはおそらく今までで初めての事か。飲食店等にあってはこれを機に券売機を新しく買い替えるのであればもうキャッシュレスの導入にした方がよいかという動きも広がっており、意外にキャッシュレス化の比率が上がって来るというのが経済効果で見えるのではとの指摘も一部にある。

経産省によれば、日本のキャッシュレス化は2023年度で普及率が39.3%、アジア圏では近隣の韓国が93.6%、中国も83.0%というなかにあって政府の目標である80%の目標には遠く及んでいないのが現状。これらの国に限らずインバウンド客はキャッシュレスに圧倒的に馴染みがあり、キャッシュレス決済は人手不足緩和など含め現場の生産性も上がるなどメリットも大きいだけに今後どの程度構図が変わって来るのかこの辺に注目しておきたい。


異例の都知事選

さて、周知のように東京都知事選では現職の小池百合子氏が都政の刷新を訴えた新人候補を振り切って3選を決める事となった。当初は参議院議員を辞して立憲民主党から出馬した蓮舫氏との一騎打ちになるとされていたが、蓋を開けてみれば小池氏の圧勝に続いたのは若年層中心に支持政党を持たない無党派層の受け皿となった石丸氏が浮上していた。

また同じ日に行われた東京都議会議員の補欠選挙では自民党候補が相次いで敗れたが、政治とカネ問題への不信感が如実に表れたかたちで自民への逆風はますます強まってきている証左か。ところで今回の都議選は史上最多の56人の候補者乱立という異例のものになったが、法の網を潜り抜け大量に候補者を擁立して掲示板が売買されたりモラルを欠く選挙公報や政見放送などの弊害も齎された。

SNSがバズった事などもあり曲がりなりにも投票率は上がったが、こうした結果子どもの通学路に品を欠くポスターが堂々と掲げられこれを媒体として収益を稼ごうとする魂胆がミエミエなモノも出現するなど公選法が想定していなかった事態も物議を醸し出している。供託金含め公職選挙法を見直す意見も当然出始めたが、これがはたして健全で成熟したデモクラシーの姿なのかどうか再考の余地は大きい。

いずれにせよ今回の都知事選では刷新より継続が選ばれることとなったワケだが、東京都知事の重要課題の一つに以前にも書いた東京の国際金融都市構想がある。ちなみに最新の国際金融センターランキングでは日本は19位とアジア圏でも下位に甘んじており、地位向上に向け各所の育成など成長戦略のブラッシュアップが必要になるだけにどういった舵取りをしてゆくのかこの辺り含め今後も注目してゆきたい。


年金の定期健診

先週は老後の生活資金となる「公的年金」の長期的な見通しを5年に1度資産する「財政検証」の結果が公表されている。法律では所得代替率が50%を下回らないようにすることが約束されているが、過去30年と同程度の経済状況が続いた場合で現役世代の平均収入の50%以上は維持出来るとしているものの、その給付は現在よい2割近く目減りする。

そういった事も視野に年金改革案では基礎年金の拠出機関の現行の40年から45年へと5年延長案もあったものの、ただでさえ若年層中心に将来の年金への不振が強いなかこれらの負担増への反発も強く現状では広く国民の理解を得られないと判断し厚労省は見送りを決定している。

そんななか直近ではGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の2023年度の運用実績で収益率が22.67%プラスの45兆4153億円の黒字となり、過去最高を更新した旨が報じられている。本日もTOPIXはザラバで史上最高値を更新しているが、これらに連動するインデックス運用ではこうした株価上昇は追い風で将来の年金支払いをより確実なものにする安心感も生まれるか。

とはいえ公的年金の給付水準は徐々に下がってゆくのが予想されることで老後の備えを少しでも増やす工夫も各々では必要になってくると思われるが、新NISAと並び自分で掛け金を出すiDeCo・イデコなど税制優遇を受けられるものも啓蒙効果で今では認知度も高まり、政府側もこれら利用促進のため更なる優遇措置を考えておりこれら活用を駆使するのも一考か。


約20倍増配の怪?

本日の日経平均はザラバで終値ベースの史上最高値を更新する場面があったものの短期的な過熱感を警戒した売り物に押され続落となったが、そんな中でも先週末のストップ高に続き大幅続伸で目を惹いていたのが東証スタンダードのダイドーリミテッド株か。これは周知の通りで、先週に2025年3月期の年間配当を1株あたり100円に積み増すと発表したのを背景としている。

先月末に株主総会2024として当欄でもその行方が注目されると書いていたダイドーリミテッドだが、総じて会社側が提案した議案は可決され株主の提案は相次ぎ否決というパターンが多かった総会のなかでも同社株は大株主のストラテジックキャピタルが提案した取締役選任案の一部が可決されていた。そこから1週間ほどでこれまでの従来予想の20倍近くにもなる大幅増配を突如として打ち出してきたのはサプライズであった。

しかし目下のところ主力のアパレル事業は11期連続の営業赤字を記録し、希望退職を募りながら虎の子?の不動産を順次切り売りしているような不振が続いているような状況下にあってこの度の大幅増配はヤケクソ感さえ漂う。しかも25年3月期だけでなく27年3月期までの3年間は年100円の配当を基本方針とするというからそれらをマトモに好感し年初来高値を買い上がる光景は逆に不気味に映るというものだ。

ただ取締役選任議案を出したストラテジックキャピタル側はこの度の公表に関し提案したものでも事前に同意したものでもないとのコメントを出しており、同日には旧村上ファンド系の南青山不動産が共同保有者と合せて同社株を大量保有している事も報じられている。近年のアクティビスト提案は企業変革を促す原動力ともなるガバナンスや企業改革に踏み込んだものが賛成票を一定数集めてきただけに、総会直後の今回の発表は一寸これらとは異質に映る感は否めないか。


飽くなき欲望

今週は何年かぶりで以前行った事のある眼科へ行ったのだが、かつて眼科一辺倒であったそのクリニックはボトックスやらレーザー等の美容医療部門が新設され建物も瀟洒なものに変貌していた。ところで美容医療といえば先週末の日経紙社会面では「美容医療トラブル急増」と題し、脱毛や整形といった美容医療を巡るトラブル健康被害の相談が急増している旨の記事があった。

前々からこの手のトラブルはあったが、国民生活センターによると2023年度の美容医療に関する消費者の相談件数は前年度比で1.6倍の6255件と、比較可能な09年以降で最多となり5年前の3倍にも上っているという。美容施術の後の所謂ダウンタイムにコロナ下の外出自粛期間が“渡りに船” ということもあったのかどうかコロナ禍からの増加が顕著になっている。

美容医療の旨味はなんといっても自由診療にある。患者=客?の単価が圧倒的に高額で、ほぼ保険同様の処置でもクリニック側の設定でガッツリと取れるだけに旨味も大きく、この辺が玉石混交を生み出す背景にもなっている。また医師がインフルエンサー化しているケースもあるなどマーケティング手法も自由度が高く、SNS時代の今は特にこうした美容医療のハードルが以前よりぐんと下がってきている。

そういった事で最近では小・中学生でも脱毛するケースが増加しており、某脱毛クリニックではここ5年で脱毛を希望する中学生が8.3倍に増加しているという。さらには3歳から脱毛出来る子ども向け脱毛サロンもあるというから驚きだ。ルッキズムの捉え方は人それぞれ自由だと思うものの、未成年の若年層までこれを助長させるかのような商業目的のマーケティングを見るにつけこの辺の在り方には釈然としないものを感じるものだ。