“お薬”受診
NEW
過日久し振りに整形外科で湿布薬の類を処方してもらったのだが、この手の市販薬と効果が似る所謂「OTC類似薬」に関して政府は保険適用の見直しを進める旨の記事が先週末の日経紙経済・政策面に載っていた。現行の自己負担額の1~3割を10割にすることで、医療費を数千億円削減出来るということから現役世代の負担を軽減する狙いという。
例えば上記の湿布薬でいえば市販薬では数枚入って2000円前後だが、OTC類似薬では診料や処方箋料に調剤技術料こそかかるものの40~50円程度の負担で済んでしまうし、インフルエンサーが美容効果を謳った事で美容クリームの代替需要が殺到するなどいろいろと問題になった保湿剤のヒルドイドは市販薬であれば1本1500円前後だが、OTC類似薬では1本当り負担が100円未満といずれも市販薬の数十分の一で済んでしまう。
病院ではしばしば待合室が例えば高齢者が他の高齢者と日々の交流の場と化している光景も目にするが、一部医療ジャーナリストによれば後期高齢者が医療機関にかかる回数は30回以上と諸外国の5~6回と比較して日本は突出しているという。こうした背景にはそもそもが日本の医療の特長として安価でかつ手厚い医療が自由に受けられるというのがある。
なるほどそういった事から政府の見直し論も出て然るべしとも思う一方で、これが適用になったら一部受診控えなど出て来ないだろうか?医師の診断で判明するケースが素人判断で見つかるものが見落とされるリスクも孕む。なんとも難しいところだが、いずれにせよ団塊の世代がこれから後期高齢者になり医療費も今後更に膨らむ事を考えるに保険範囲を再考すべき分岐点にあるか。