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政府の匙加減

本日の日経紙金融人には「コメ先物テコに大阪復活」と題して大阪堂島商品取引所理事長のコメントが載っていた。コメ先物といえば関係者はご存知の通り昨年8月に農水省が試験上場の2年間延長を決めている。というワケで試験期間はあと1年半だが、春には更なる振興策を打ち出すなどして本上場を目指すという。

政府は5年後の減反廃止を決め輸出拡大を目指すが、この減反廃止で価格形成を需給に任せれば農家が変動リスクを回避する場としての先物市場が必要になってくる旨を同紙の商品欄で兼松の執行役員もコメントしている。日本の農家には先物を投機とみなす風潮があるとも述べていたが、JA会長はマネーゲームとまで言っており立場違えば見解相違という典型だろう。

ここではジャスダックに上場している木徳神糧の取締役もコメントを出していたが、市場に関してはやはりJA等の不参加がネックになっており前出の兼松執行役員も指標としては規模が小さく需給を反映した価格形成になっているとは言い難いとしている。最終的な取引所構想含めて総括的に考えるならばこの辺へ政府がどれだけアクションをおこすかが試金石になろうか。


言うは易し行うは難し

本日の日経紙社説では「電力先物が機能する環境を」と題して、電力の地域独占問題や担い手としての取引所の経営問題等にも言及していた。以前にも当欄で触れたように政府は特異な形態の商品に対する価格指標を設ける事を狙い、価格変動リスクヘッジの必要性からこの電力や世界初というLNGの先物市場創設を計画している。

世界初という鳴り物入りの商品はこれまでに試みたことがあったが、現況ではこれらは一つ残らず上場廃止(休止)の憂き目に遭っている。この手の世界初という商品でなくとも他に取引実績のあるモノでも取引が軌道に乗らずヒッソリと姿を消してゆくものもあり、商慣習云々のひと括りではないような根本的な問題も根底にある。

この社説の最後には「国内外から幅広い参加者を集めるためには東商取が経営を立て直し、企業や投資家の信頼を回復することが求められる。」と記してあるが言うは易し行うは難し、板ばさみの構造的問題もありまだまだ紆余曲折か。


1/27付でAndroid版スマホアプリ提供開始

ドットコモディティは、2014年1月27日(月)より、コモディティ取引専用ソフト、「Formula」スマートフォン版のAndroid対応アプリの提供開始。

▼3カ国語対応、コモディティ取引専用のAndroidアプリを提供開始


ドットコモディティでは、スマートフォンの急速な普及にともない、昨年6月よりコモディティ取引専用iPhone/iPadアプリの提供を3カ国語(日本語・英語・中国語)で開始いたしました。そして、このたび、お客様のご要望にお応えして、世界シェアを圧倒しているAndroidベースのモバイル端末対応アプリを提供開始することで、お客様の利便性の向上を図ります。これにより、ドットコモディティの提供する「Formula」では、PCのみならずインターネットに接続したモバイル端末があれば、どこでも自由にお取引いただける環境が完備いたします。「Formula」スマートフォン版(Android/iOS共通)の主な特長は以下のとおりです。

一度ログインするだけで、 国内商品と海外商品の約50銘柄を同時にお取引いただけます。
板画面から板情報のセルをタップするだけで注文入力が完了し、即時発注が可能です。
ログイン画面のID・パスワードは保存が可能です。
スマートフォンの取引画面から出金依頼、サービス間の資金振替依頼がご利用いただけます。
テクニカル分析ができるリアルタイム更新のチャート機能を多数ご利用いただけます。

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納税利回り?

本日の日経紙エコノフォーカスには「ふるさと納税 特産品目当て?」として、生まれ故郷や応援したい地方自治体に寄付することで寄付した自治体からお礼に特産品がもらえ、住民税と所得税も応分差し引かれる「ふるさと納税」が人気になっている旨が載っていた。

この「ふるさと納税」、スタートしてから5年以上が経過するが本来の目的は都市に集まる税収の地方再配分。ところがあの東日本大震災の時に義捐金扱いの寄付が殺到、大口寄付者が在住する自治体の一部では多額の還付金が持ち出しが話題になったという想定外の事例もあった。

しかし昨今は殆どが題字の通り特産品目当てなのは明らかだろう。なにせ50%を越える利回り?がゴロゴロしているワケだからこれに群がらない理由がない。同紙には受け取る金額が多い5県が出ていたが、1位の鳥取県などその下の特産品例に出ていた干物詰め合わせ以外にも松葉ガニ等の高級品までラインナップし多数の集客?を誇っている。

こんな特産品のハードルが緩いことによる小口の多さから果たしてというか税収格差効果はいまひとつというが、企業で株主優待と併せ魅力的な利回りで台頭するものの中には一方で財務に疑問符が付き値下がりリスクと常に隣り合わせなのが普通なのに対し、こちらはリスクの観点でも比べ物にならないくらいなだけにまだまだ「ふるさと熱」は続きそうな気配である。


今年も熱いIPO

昨日の日経紙マーケット面には、「新興株、個人の売買活況」として日経ジャスダック平均が連日で昨年来高値をつけ、東証マザーズ指数も高値圏で推移している旨が載っていたが、これを裏付けるかのように昨日の全市場値上がり率ランキングベストテンには軽そうなモノがズラリと並び、この10傑のうちジャスダックが5銘柄、マザーズが3銘柄の計8銘柄を果たしてというか新興市場が占めていた。

中には売買代金でも時価総額が数十倍以上の物と遜色無い金額を弾き出しているモノもあるから嫌でも目立つが、決算本格化を控えて主力へは模様眺め気分が強くなるなか比較的小額資金で動くこの手の新興市場にホットマネーが流入している構図か。

この手の小型は回転も早いが循環も早いのでやはり個人には非常に魅力的である。これらのなかには直近IPOモノも多く含まれるが、IPOといえば昨年は好地合いにも恵まれ54社が新規上場、一昨年末から続く「初値形成の負けなし記録」も実に55社目で途絶えるまで連勝が続きこれが更に現況のマネー流入を加速させたといっても過言ではない。

これらの資金調達額も4,000億円近くにもなるなど7年ぶりの高水準となったが、今年のIPOは昨年より更に増えるとの試算も出ている。既に話題となっているものにはリクルートやジャパンディスプレイ、そしてあのLINEなどあるが縦横無尽のホットマネーと共に今年のIPOも熱い相場展開になるのは想像に難くない。


新甫前倒し

さて南アフリカ全国金属労組の交渉関係の報がこのところ飛び交っているが、こんな影響もあってTOCOMではプラチナが約8ヶ月ぶりの高値を付けてきている。国際相場も昨日の日経紙商品面に「金よりプラチナ 鮮明」として、金とプラチナの価格差が欧州債務危機が深刻化し金がプラチナを上回った2011年8月以降で最大となった旨も載っていた。

背景にはプラチナがこんな材料も支援して上げが加速しているのに対し、一方で金は米量的金融緩和縮小が意識され加えて新興国需要の不透明感もあって上昇ピッチが鈍っているという事がある。この金とプラチナの価格差に関してはちょうど一週間前の当欄で取り上げたばかりであったが、山高ければ谷深しその逆もまた然りといったところか。

ところでこれら商品といえばまた同紙の同じ面には、東京商品取引所が新甫の売買開始時間を半日前倒し夜間取引の開始時間に合わせ前日の17時に変更する旨も載っていた。今回の新甫前倒しは夜間取引が昨年は全体の39%を占めるなど活況になっているという理由というが、こちらも夜間の台頭著しいといったところか。


ETF急浮上

本日の日経平均は4営業日ぶりに反発となったが、個別はこれまでの続落時とは物色ポストのスイッチが見られた。そんな中でも依然としてETF系は活況、NEXT FUNDS系などは数百億円の売買代金を弾き出していたが、ちょうど先週末の日経紙にも「ETF売買代金最高」として、ETFの売買が急増している旨が載っていた。

世界取引所連盟のデータによれば、日本取引所グループの2013年のETFの売買代金は約24兆6,000億円と12念の4.3倍に膨らんで過去最高となり、世界の順位は12年の11位から4位に大きく浮上したという。当初ETFはそのコストの観点から、業界があまり乗り気でないことによる低迷が懸念されたものだったが杞憂だった感も。

ただこれも中身は海外勢による牽引が大きく寄与しているのは想像に難くなく、この効果によるところが大きいだろうか。いずれにしてもこれで上記のハイレバ系の活況がこれまでリクイディティの薄かった物へ波及し、板の膨らみが出てくるなどすればまた選択肢が広がる事にもなり相乗効果は高いといえよう。


夜間市場創設機運

先週に続き取引所関係だが、週末の産経紙では日本取引所グループのCEOが傘下の東京証券取引所が導入を検討している夜間取引について「前向き」との意欲を示している旨が載っていた。この創設検討に先駆けて既に昨年末にはネット証券大手3社が2万人以上の個人投資家にアンケートを実施しており、その結果8割前後が「利用したい」と答えていたことが判明している。

反面、大手証券等は欧米では私設による夜間取引は普及しているものの取引所自体が夜間取引を運営する例が無い事を挙げネット系とは逆に慎重姿勢になっているというが、取引所側は日本が極東に位置する等独特の問題を考慮、これ以外からも要望書が提出されていた経緯などを踏まえ創設検討に着手したと思われる。

その時間帯は現況では19時から23時半までが有力とされているが、当初よりマル信導入などあるかどうか。既にPTSではネット証券会社がアンケートのお願いとする項目の中で信用取引があったら便利に思うか等の質問が並ぶなどマル信検討をほのめかす項目を見掛けた事があったが、これらとの差を持たせるかどうか?機会拡大、売買の厚み等目指す方向性は同じだけに双方共に今後の展開が注目される。


刻み値変更第一弾

いつものように日経平均への寄与度の高い値嵩銘柄など見るに一寸ザラバの板が何時もと違う光景を目にするようになったが、周知の通り今週は連休明けから「TOPIX100」採用銘柄のうち株価が3,000円超の銘柄を対象に刻み値が従前よりも引き下げられている。

この辺は昨年の春先に当欄でも一度取り上げた通り、かねてより海外投資家等から日本市場は米英などに比べて刻みが大きいとの指摘があったものに対応した形でこれが具現化した第一弾となる。しかし当たり前と思っていた歩みも考えてみれば、近年では各所共に段階的に細かくなってきたものだ。

前にも書いたがFX系中心の投資家は株の刻みなんぞ見るに随分なスプレッド?だなと感じるのは想像に難く無いが、オプションなども当初はアウトもののプレミアムでも5円刻みで無価値へ向かうのは5円の売り気配が最終であったものだが、今では5円の幅でセルボラでも利益獲得の機会がある。

アルゴ系にとってどうかとか個人にはどうかとかこの後になってみなとわからないが、PTSなどは既にこの辺に関しては先行しておりこれが時代の趨勢なのはいうまでもない。


アノマリーの変化

本日の日経紙マネー&インベストメントでは「景気から金・白金価格占う」として、先物や現物を売買出来る代表的な投資商品の貴金属でも金と白金はまったく異なる顔を持ち、夫々が世界景気の行方を占う指標にもなる旨の解説が載っていた。

冒頭には「金が上回る珍現象」として2011年以降、これまでにない長期にわたって本来であれば金より高いはずの白金が金を下回る価格の逆転現象という珍事?が続いていた事が書いてあったが、リーマンショック時の憶えで初期の段階からストラドルなどエントリーした向きは鞘滑りでオプションのタイムディケィの如く思惑外れになった向きも多かったのではないか。

そういえばこの時は投資に限らずこれまでになくあまりに逆鞘現象が長期にわたった為に、宝飾品では金嗜好が強くなり果てはクレジットカードまで本来であればゴールドよりもクラスが上であるプラチナの影が薄いなどの冗談も所々で言われていたなと思い出す。

いずれにせよQE3スタートがこれを解き米はいよいよ出口戦略に着手、近年一段と金融商品色が濃くなってきた貴金属の世界経済の潮流変化を感じ取る鞘は今後どのような動きをしてくるのかETF等とも併せ見てゆきたい。


取捨選択

連休明け本日の日経紙特集「米国を読む2014」では、昨年の米シカゴの先物市場で日経平均先物が活況となり、売買高が過去最高を記憶した旨が載っていた。CMEグループによれば日経平均先物の13年の1日当たり平均売買高は前年の約2倍となり04年の上場以来の過去最高を記録した模様で、これを成長機会とみたCMEは4月に日経平均先物を対象とするオプションを上場させることも決めている。

ところで日経平均先物・オプションといえば本家大証、本日も日経平均急落でオプションと共に大活況であったが、一方で外国為替証拠金取引市場の「大証FX」は今秋にも休止の方針と報じられている。当初より店頭に対する優位性を欠き、また「くりっく365」との競争も激しく大証にとって成長分野ではないとの判断という。

この先物関係ではまた経済総合面に、政府が数ヶ月〜数年先の電力を売買できる先物市場を2016年度にも創設する方針とも書かれていた。電力先物といえばTOCOMでは度々触れたLNG先物と共に上場要請があった旨も書いたことがあるが、商品先物取引法の改正案を今月招集予定の通常国会に提出し成立をめざすという。斯様に各所で取捨選択が加速の気配でありこの辺もいろいろと今後は話題を振りまいてくれそうだ。


今年のよそう(うそよ)

本日の日経紙まちかどには「今年のびっくり予想は?」と題し米ストラテジスト、バイロン・ウィーン氏による年初恒例のびっくり10大予想が出ていたが、予想といえば週明けも書いたように年明けの日経紙「経営者が占う」では昨年とは一転して各項目の予想に強気な見方が並ぶこととなった。

ところで昨年同時期のこの欄を見返してみると、一昨年の株式は大納会を年初来高値で終えたことで、揃って判で押したような年末高という大半の予想が当たってしまった珍事?となったという旨などが書いてある。

これに続き、昨年の大納会も2009年7月以来の9日続伸から年初来高値更新で終えたことで年末高を予想した約半分の経営者はこのシナリオが当たったということになる。とはいえ12月高値を予想した向きでもその時の日経平均を11,000円から12,000円の範囲で挙げており、魑魅魍魎のアナリスト同様その乖離が5,000円前後にもなるからこの辺は全く予想不能だったといったところだろうか。

まあこの辺は例えば経済成長率や円相場も同様で、メガバンクの経営者でさえ対ドル円相場の安値を81円から86円の範囲で挙げていたワケで事程左様にアベノミクス第一幕の効果は凄かったという事だ。これら鑑み今年の予想は、日経平均では下は13,000円から上は20,000円の大台まで並び証券会社トップも定番である1月安値12月高値が復活した。メガバンクトップの対ドル円相場予想は上が102円から下は106円まで並んでいる。

これらとは対照的に冒頭のバイロン・ウィーン氏は「対ドル円相場は120円まで円安進行、日経平均は早い時期に18,000円まで上昇するが年後半は20%ほど急落する」と、まさに「午尻下がり」のような予想を出している。他にも同様な予想を出しているアナリストも居るがアベノミクスの真価が問われる第二幕、これら予想と共に興味深く見てゆこう。