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令和の小売り

さて、元号が令和に変って初めての初売りが先週から各所で始まっているが、消費税率が10%に引き上げられた増税後の反動や暖冬による季節商品の不振で売り上げが伸び悩んでいたのを他所に初の正月商戦は比較的堅調な滑り出しになった模様だ。

正月商戦といえば福袋だが平成最後の昨年はバブル世代や流行のコト消費を意識したモノが多く見受けられたが、今年も各所で工夫を凝らしたモノが見受けられアパレル系等の人気復活で激戦区銀座では松屋の福袋等は用意した70袋が30秒で完売した旨が先週の日経紙で報じられていた。

ところで小売りといえば働き方改革の波もあってパルコや初めての元日休業を決めたイトーヨーカ堂から、コンビニではセブンイレブンやローソンなど都内の一部店舗で休業実験を実施するなどの取り組みが広がっている。物流や商圏への影響のほか従業員の離職率改善の効果等あるや否か今後も注目というところか。


子は繁盛

皆様、新年おめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

昨年の「亥年」は、過去5回の騰落率4勝1敗で勝率は80%、干支別では申・酉に次ぐ勝率となっており昨年の戌年より期待が持てるデータとなっていたが、世界的な金融緩和で市場に楽観ムードが戻り、米中貿易摩擦も一時より薄らいだ事などを背景に果たして年間では18%上昇し年末終値では29年ぶりの高さとなるなどやはりアノマリー通りの展開になった。

というワケで今年は「子」、昨年の大発会は3年ぶりの下げ幅となる全面安スタートとなり今年も大幅に3日続落スタートとなったが、過去5回の騰落率は3勝2敗、十干で庚にあたりその勝率は2勝4敗と昨年の己と比較するにやや分が悪そうなものの十二支と十干を合せた庚子に当たった1960年のTOPIXの上昇率は36%上昇とこの辺をどう見るか。

昨年は米大統領選の前年の米株は強いというアノマリー通り3指数が揃って史上最高値を更新する動きとなったが、大統領選の年も過去20回で14勝6敗とこの米大統領選前年に次ぐ勝率を誇っている。FRBの政策や米中貿易協議も第2段階以降も引き続き要注目となり、国内も消費増税の影響や東京五輪後の景気動向等を確認しつつ過去のアノマリーが活きるのか否か注目の年になりそうだ。


ONE TEAM 2019

さて今年もはやホリデーシーズンだが、今週も米株式は連日の史上最高値更新を演じている。またダウ平均の年間上昇率も昨年末比で約22%高とこれまで最大であった17年を上回り過去最大となったが、アノマリーではダウ平均が20%上昇した翌年は7割以上の確率で上昇しその平均上昇率は9%という。

こうした事も背景となって日経平均も先週に年初来高値を更新、内需株群は10〜30年ぶりに高値を更新する銘柄が続出したが、今年流行った言葉とGDP成長率の関係を点数化して検証すると昨年から悪化し来年以降の景気減速を示しているという旨の記事を過日の日経紙で見掛けた。ちなみに今年のユーキャン新語・流行語大賞はONE TEAMであったが、はてそんなに流行ったかな?とあまりピンと来ないのが正直な印象。

これを含めたトップテンの中には令和も選出されていたが、今年で25回目となるその年の世相を漢字一文字で表す師走恒例の今年の漢字はこの「令」が選ばれている。ちなみに昨年は「災」であったが災い転じて福と成す年になったのかどうか?其々を振り返り東京オリンピック開催による各所への影響等々来年へ思いを募らせつつ今年はこれで筆をおきたい。

本年もご愛読ありがとうございました。
どなた様もよいお年をお迎えください。


2019年度「商品先物ネット取引データ調査・分析結果」を公開

10月末時点で商品先物ネット取引サービスを提供する12社に対し、11月28日〜12月11日の期間で実施した「商品先物ネット取引データアンケート」を集計・分析した結果を本日12月26日に公開しました。総口座数・実働口座数・預り証拠金・月間売買高など各項目別に結果を公開しランキング表示を行っております。

▼商品先物ネット取引各社データ集計結果(2019年10月度)



【調査結果サマリー】
★預り規模はホールセール込で推計約388億円と業界全体の約31%
★総口座数は推計22305口座、実働は推計5138口座と稼働率23%
★ネット売買高はホールセール込で72万枚、一般対象で44万枚

【調査分析結果全体数値】([]内は公開企業数値)
 1. 総口座数         22305口座
 2. 実働口座数A        5138口座
 3. 実働口座数B        4861口座
 4. 預り証拠金A(個人)    297億円
 5. 預り証拠金B(ホール込)  388億円
 5. 月間売買高A(個人)    45万枚
 5. 月間売買高B(ホール込)  72万枚
 6. 口座稼働率        23.0%
 7. 1口座あたり預り証拠金[A] 133.5万円
 8. 1口座あたり月間売買高[A] 87.4枚
 9.1担当者あたり預り[A]    3億6317万円

【掲載項目】
[総合]
2019年10月度ネット取引各社取引データ一覧、関連データ業界全体比較
[各種ランク]
総口座数、実働口座数、預り高、売買高、注文件数、口座増加数、口座稼働率、枚数/オーダー、1口座あたり預り・売買高、1担当者あたり預り・売買高


アンケートにご返答頂いた企業・担当者の皆様、お忙しい中ご対応頂き誠に有難う御座いました!


高級食材事情

さて、おせち商戦も終盤となったが先の日経紙総合面には「冬の食材 今年は高め」と題し、このおせち等に使う野菜や水産物の高値が目立つ旨が出ていた。今年は台風や長雨による出荷減などが背景にあったが、昨日の同紙商品面でも温暖化の影響等でコンブの生産量も過去最低となる事がほぼ確定したとの記事あり、本日のTBS系ではイクラが高騰している報道ありで確かに主力のおちせ食材は軒並み高騰している。

昨年のちょうど今頃も当欄では水産物から和牛、果ては里芋まで材料が高騰している旨を書いていたが、前年比で辛うじて値下がりしたものも数年前比較では依然高止まりと庶民の懐に厳しい状況が続いており、カニなどは本当に普通の食材から高級モノへと片足を入れているような状況になってきている。

ところで料亭からホテルなどが出すおせちの定番高級食材にキャビアがあるが、これまで主流だったロシアなどからこのところ国産モノが続々と登場している模様。輸送問題が無いぶん塩分が控えめとなり魚卵本来の旨味が楽しめるが特徴というが、先に近大水産研究所など人工ふ化のチョウザメを全てメスにする画期的な実験に成功、将来的にはコスト低下に繋がる道筋が出来るなど食材総高騰の裏でこうした分野の日進月歩にも大いに期待したいところ。


解消加速の波

本日の日経紙一面には「親子上場解消が加速」と題し、親会社が上場する上場企業が先週段階で288社となり1年で15社減少と過去3年平均の6社減からその解消ペースが加速している旨が出ていた。事業の取捨選択のなかで資本関係を見直す例が増加、株主の目も厳しくなっている事もその背景にあるという。

親子上場に関しては当欄でも度々触れてきたが、今年記憶に残るのはやはりヤフーとアスクルの社長人事を巡るゴタゴタ劇だっただろうか。この辺に絡んで親子上場の弊害が看過出来なくなってきたと否定的報道が増えたが、確かに少数株主の利益が親会社の様々な意向一つで脅かされる構図は物議を醸すのには十分だろう。

そんな気運から社外取締役の比率を高めるなどの動きも盛り上がって来たものの未だそれが3分の1にも満たない企業があるなど課題は残るが、ガラパゴス化した斯様な商慣習も同記事の末尾にあったトヨタ自動車に見られるように上手く回して来た例も一方では存在するなどこの辺が一括りに出来ぬ難しいところでもあるか。


JPX・TOCOM経営統合での対応掲載、エネルギー市場は取扱い終了へ

2020年7月27日(予定)を目途に東京商品取引所(以下、TOCOM)に上場する一部商品を日本取引所グループの子会社である大阪取引所(以下、OSE)に移管することが決定しています。

楽天証券ではこれを受けて、 2020年7月27日(月)以降は、先物・オプション取引口座で提供している株価指数先物・オプション取引銘柄(日経225先物など)に加え、TOCOMから商品移管される金(GOLD)をはじめとした貴金属やゴム、 農産物などのコモディティ銘柄までを「マーケットスピード2」、スマホアプリ「iSPEED先物OP」によりワンストップでサービス提供できるよう準備を進めていくとのこと。

▼日本取引所グループと東京商品取引所の経営統合にかかる当社対応について



●2020年7月27日(月)から先物・オプション取引口座で商品先物も取引できるようになり、商品先物取引口座でのサービスは2020年10月(予定)に終了いたしまします。

●商品先物取引口座で建玉をお持ちのお客様はご申請により先物・オプション取引口座へ建玉移管が可能です。(申請方法は2020年2月以降、別途ご案内いたします。)

●建玉を移管ご希望のお客様は、総合口座と先物・オプション口座が必要です。口座をお持ちでないお客様はお早めに開設手続きをお願いします。

●エネルギー市場(原油・ガソリン・灯油)は大阪取引所へ移管されないため、2020年7月15日(水)(予定)に取扱いを終了いたします。

●充用有価証券(倉荷証券を含む)による証拠金充当は一時停止いたします。

▼商品先物取引口座と先物・オプション取引口座のサービス統合について


クラウドファンディング彼是

さて、先週の日経紙には「事業資金 クラウド調達」と題し、インターネットを通じて小口の資金を集めるCF(クラウドファンディング)が、個人やベンチャーだけでなく市場での調達が難しい上場企業も事業資金をこのCFで集めるなど急拡大している旨の記事があった。

この辺を裏付けるかのように11日に上場したクラウドファンディング事業のマクアケは公開価格を実に74.8%上回るロケットスタートとなった後も先週はストップ高を交えながら急伸し上場来高値を更新、本日も急騰しストップ高のまま引けていたが、当欄でも今年の春先に一度触れたようにふるさと納税でもガバメントクラウドファンディングが急増している。

直近では火災に遭った首里城再建の為ここ約2ヵ月弱で集まった寄付金は約17億円、そのうち実に約7億円はガバメントクラウドファンディングのふるさと納税だった。斯様にそのプロジェクト数は数年前から倍々ゲームとなっており、2015年の28から2016年は66、2017年は111、2018年は226で今年は240に達する見込みで寄付金総額も120億円を突破している。

この手は目標金額の倍を集めるモノあれば未達モノもあるが、国の予算とは違って早くて1ヵ月で寄付金が自治体に入るスピード感が魅力で、寄付募集期間の終了を待つことなく更に目標金額に達しなくても寄附金を受け取れるというところがポイントであり、今後の枝葉にまた注目しておきたい。


国税庁包囲網

さて先週末の日経紙社会面には「海外口座情報189万件入手」と題し、富裕層や企業による国際的な税逃れの監視に力を入れる国税庁が、海外の税務当局と金融口座情報を交換するCRS(共通報告基準)により2019年分として日本の個人や法人が85ヵ国・地域に保有する口座情報約189万件を入手したと先週に発表した旨が出ていた。

先に国税庁は昨年6月までの1年間に実施した所得税の調査結果を発表しているが、株や不動産などの大口所有者である富裕層に対する調査では85%にあたる4517件で申告漏れ等があり、その申告漏れ所得総額は763億円、追徴税額は203億円と前年度から15%増加している旨が発表されている。

脱税といえばチュートリアルの片割れ芸人も設立した会社が東京国税局から2018年まで約1億2000万円を所得隠しと申告漏れを指摘されまたも吉本がザワつく事態となったが、冒頭の件に絡んでは政府・与党が富裕層の海外に持つ資産について税逃れ対策を強化、今月纏めた税制改正大綱に盛り込み2020年度税制改正に反映する模様。

いずれにしろ昨年に当欄でこのCRSに触れた時点での口座情報が約55万件だったことを考えれば格段に情報増加が著しく、タワマンから高級外車をフィルターとしたモノからインサイダーや仮想通貨の金融モノまで容易に暴かれる時代になってきており当人が思っている以上に富裕層包囲網の世界は日進月歩となっているようだ。


IPOも暖冬

本日も日中はコート要らずの暖かさであったが、予てより暖冬といわれているだけに師走とは思えない暖かい日が多い。この辺に絡んでは本日の日経紙市場点描でも「暖冬予報 お寒い冬関連株」と題し、日経平均に対して冬消費関連株群は軒並みアンダーパフォームとなっている旨が書いてあった。

そんなワケで個人のホットマネーは自ずとIPOなどに向うこととなるが、昨日公開の株主管理プラットフォーム事業のウイルズは初日が買い気配のまま値付かず、上場2日目の本日に公開価格960に対し実に5倍近い4535円で初値を付けている。また同じ日に上場した中小企業向けクラウド会計ソフトのフリーも赤字新興企業ながら公開価格を25%上回る初値を付けるなどそれらを裏付けている。

生き馬の目を抜くソフトバンクが煮え湯を飲まされた米ウィーカンパニーの例もあって赤字新興企業への評価の厳しさは増す一方だが、カネ余りの環境もあってユニコーンも玉石混交の様相となっている。上記のフリーもその規模は今年のIPO市場で2番目の規模となるが、旺盛だった海外投資家需要が今後奏功するのか否かいろいろな側面で試金石となろうか。


商品先物ネット取引取扱い12社最新ランキングを更新

11月28日(木)から12月11日(水)の期間で実施した「商品先物ネット取引データ&サービス内容アンケート調査」の結果を元に、各社のネット取引最新サービス内容を更新、ポイント評価基準に従い全12社のレーティング&ランキングを更新しました。

▼商品先物ネット取引総合レーティング・ランキング(12/17現在)



尚、これまで通り各社のサービス内容・レーティングについては随時更新を行い、同時にランキングにも反映していきます。

ぜひ各社の最新サービス内容をチェックしてみてください。


逆行と大義名分

昨日取り上げた通りニューフレアテクノロジー社を巡ってHOYAと争奪戦を繰り広げているのが同社親会社の東芝だが、この東芝といえば2020年の2月から東証が2部から1部への移行基準を緩和するのを背景に、現在の2部ポストから東証1部への復帰に向けた社内組織を立ち上げ準備を進める模様だ。

世には今なお数十年前の法が旧態依然のまま罷り通っているモノは何も株式に限ったことでは無く数多あるが、この2部市場も1部移行に必要な監査法人の適正意見が付いた有報が5年分と50年前から変っておらず現行の新興市場の2年分と比較し乖離しているところが大義名分としてその背景にある模様だ。

当の東芝にとってはこの基準緩和の機にまさに渡りに船の構図だが、もともと諸々の不祥事が次々と露呈されたにもかかわらず日興コーディアルやオリンパス同様に上場廃止を免れた事も西武やカネボウのそれとは何が違ったのか?とかつて物議を醸し出したものだが、今回の件も大義名分があるものの其れなりの物議を醸し出しそうだ。