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復活組

本日付けでアマゾンジャパンは配送手数料の引き上げを発表していたが、この所謂FAANGの一角アマゾンといえばトランプ大統領の同社に対する規制強化を望む等の執拗な口撃に事の発端である先月末からその時価総額が600億ドル(約6兆3,500億円)以上吹き飛んでいる旨がこのところ報じられている。

しかし97年に上場してからというもの約20年で分割なども考慮したその株価は実に約500倍と大化けし其れなりに株価の振れで変動する時価総額も可也の物になっているが、日本の時価総額首位のトヨタ自動車とてココの数分の一であるから桁違いである。ところで先月末の日経紙で時価総額増減ランキングが出ていたが果たしてというか任天堂が増加トップになっていた。

2位には安定のキーエンス、3位には上記のトヨタ自動車、そしてその次にはソニーが入って来ていたが、こちらは構造改革効果が実を結んだ結果でまさに任天堂と共に復活組の双璧である。対して減少組はJTやKDDIなど競合台頭の影響が懸念された企業であったが、毎度この手の増減では下剋上が鮮明で今後も全体構図の変遷に注目である。


薄れる相関

本日の日経紙・一目均衡には「マネー呼ぶ原油の曲線」と題して、ヘッジファンドなどによる米原油先物の買い越し残高が2月に74万枚近くまで増え過去最高を記録した旨が載っていた。OPECやロシアが協調減産の追加策を決め、世界経済が回復基調を強めて原油国際需給が均衡するシナリオが見えてきたという。

そんな状況から米株式とほぼ連動していた原油は、2月以降主要国の株価が急落する場面でもあまり下落せず3月下旬からはその上げを鮮明にしてきている。こうした米株との相関が薄れたケースとしては、この原油のみならず教科書的に逆相関の関係にあるはずの金価格もまたこれが崩れている。

トランプ大統領の新政権下で株式市場が堅調に推移するなか、政治や通商リスク含め数値化出来ないリスクに備えてという根強い投資家心理が働き昨年はほぼ同じように金価格が上昇傾向を示してきた。冒頭の通り原油のロングが74万枚近くまで増える一方で、ショートは3年半ぶり低水準となっている内部要因とも併せ近年の数値化出来ないリスクの顕在化には注意が必要だろうか。


国際再編の壁

一昨日の日経紙夕刊では米ウォール・ストリート・ジャーナルがICE(米インターコンチネンタル取引所)傘下のNYSE(ニューヨーク証券取引所)がシカゴ証券取引所の買収交渉に入っていると報じていた。シカゴ証取といえば2年前に中国の投資会社に身売りする話が出ていたがSECの干渉で破談となった経緯があった。

この辺の経緯については昨年の8月に当欄でも触れていたが、取引所といえば日本取引所グループがかつて東証が取得した発行済みの4.95%を保有するSGX(シンガポール取引所)株の全てを売却すると先月末に発表している。コーポレートガバナンス・コードを踏まえ保有継続の合理的理由が無いとの判断によるものという。

このケースは国境を越えた取引所の合従連衡を狙ったものだったが、商品相互上場等の事業協力関係構築が不調で法制度や規制が異なる障害が多かった背景もあった。斯様に規制当局の壁など国を超えた合併など一筋縄ではゆかぬケースなど依然多いのが現状だが、アジア経済の成長が続く中で各々取引所間の競争が激化している現状下他取引所との関係構築の必要性は高まるばかりでこの辺の課題をどうこなすかがキーとなって来ようか。


池坊2018

さて、今週は本日まで開催されていた「池坊展」を今年もお誘いがあったので観て来た。ここ数年春の展は三越が多かったのだが今年は久し振りの会場復帰で、うえの桜まつりもあり花見客で賑わう雑踏を抜けちょうどブリューゲル展も開催されている東京都美術館へ。

今年も華督の方々の若松に枝垂桃、オクラレルカなどこの季節が旬な素材を駆使したオーソドックスな立花正風体が安定の素晴らしさで、また立花新風体の方も竹筒を刳り貫いた様々な素晴らしい花器にカンガルーポウや変わり種のオーキッド等珍しい素材を縦横無尽に駆使した意欲的な作品が多く見られた。

池坊展といえば昨年は映画「花戦さ」の公開があり、その公開記念という事で織田信長の所望で岐阜城大座敷に活けられた見事な昇竜松を主体にした雄大な大砂物など実際に撮影で使われたものが展示されていた圧巻な展で、その残像比で今年はこじんまりとした感も無いわけではなかったがそれでもやはりこの期に相応しい素晴らしい展であった。


地合いの好機

さて、昨日まで続伸で200日移動平均線まで戻した日経平均だが、本日は3月期末の配当落ち分の影響もあり急反落、昨日はこの配当権利付き最終売買日で配当関連の需要も多く買わなければならなかった上昇だったが其の需要が剥げたここからが正念場か。

ところでこの配当と共に企業が稼いだ利益を株主に還元する手段として自社株買いがあるが、先月に始まった世界的株価下落で買いの好機と見た企業が自社株買いの枠を設定する動きが顕著化し、日本は2017年度に2年ぶりの高水準となり米国も減税策を背景に18年の実施額が前年比2割増程度になる見通しと先週末の日経紙に出ていた。

今月上旬にはコーポレートガバナンス・コードを促す政府の思惑とも一致し海外からのアクティビストが一層関心を向ける事が予測される旨を書いたが、狙われやすい低ROEの企業など自社株買いや増配などで不要資本を如何に減らすかが課題となっており地合いも臨機応変に利用する好機と捉える傾向になって来たか。


運用と世論

本日の日経紙投資情報面には「マネーの力は社会変えるか」と題し、米フロリダ州の銃乱射事件を切っ掛けに市民団体などが銃の製造・販売企業への投資を止めるよう働きかけている事に対し世界の資産運用会社が自社のレピュテーションリスク等を考慮し悩んでいる旨が載っていた。

確かこの手の件に前回触れたのは確か昨年の米ラスベガスで起きた銃乱射事件の時だったと思うが、この時も防衛心理や規制懸念の駆け込み需要期待から過去最高値を更新したオーリン始め他の銃器メーカーが軒並み高となり、SRI投資の真逆をゆくVICEFUNDの上昇が米株全体を上回った旨を書いていた。

しかし史上最悪といわれたこのラスベガス銃乱射事件から半年もしないうちに起きたこの高校での銃乱射事件勃発で、さすがに運用会社も日経紙にあったように無為無策は許されないとの雰囲気が出てきたという感じか。近年は収益追求だけでなく社会を良い方向に変える事を求めSRI投資など出てきたが、簡単に変れない銃社会を尻目に運用の世界では一足早く収益追求を超えた行動成果を意識するようになってきたか。


中東産原油先物上場

さて、本日より中国で人民元建ての原油先物取引がスタートとなった。既に米国を上回り世界最大の原油輸入国となった中国は、米国や欧州での取引が指標となっている現状に不満を強めてきており、原油市場での影響力拡大を追い風に中国の需要を国際価格に反映させ国債指標に育てたい考えという。

上記の米国や欧州での取引とは言わずもがな米WTIに欧州の北海ブレントだが、この商品を上場する上海国際エネルギー取引所は対象商品として中東産原油を採用し欧米との違いを打ち出している。またここ近年で中国は株式や債券などの規制緩和を断続的に進めてきたが、商品先物市場として初めて外国人の取引参加も認めた。

ところで同じ上海では鉄筋先物が昨年4年ぶり高値を更新し、一昨年には大連の鉄鉱石先物も投機に沸いて乱高下に大商いを演じた経緯もある。斯様に中国の商品先物市場といえば売買の多く個人投機家が占め、その投機的売買で実需を反映しない値動きをする事が珍しくなく当局の規制に実需家が振り回される懸念も残る。

今回の上場では原油取引のドル支配にも一石を投じ人民元の国際化と地位向上につなげる狙いもあるというが、利下げや規制緩和は時として投機を発生させ易い土壌を創造する。鉄筋先物や鉄鉱石先物の乱高下を鑑み過度なバブルに影響されにくいインフラの構築が図れるか否かが国際化への試金石となろうか。


4/2よりPCアプリ版取引ツールの注文状況一覧画面での「注文変更・取消」機能追加

北辰物産は、2018年4月2日よりアプリケーション版トレードツール「Presto」に於いて、注文状況一覧画面での「注文変更・取消」機能を追加。

▼北辰物産、Presto新機能追加のお知らせ



これまで注文変更及び取消の操作は、「注文変更・取消」画面からのみだったところ、今回の機能追加により「注文状況一覧」画面からも注文変更や取消の操作が可能に。また、これまでのマウス操作の他に、エクセルのようにマウス操作と「Shiftキー」、「Ctrlキー」等キーボード操作を組み合わせて利用することも可能に。


商品先物ネット取引徹底比較からランキングまで


第2回リアルトレードコンテスト終盤ランキング情報

東京商品取引所が主催となり取引所が開催する日本初のリアルトレードコンテスト「TOCOMリアルトレードコンテスト」。

2018年1月〜3月を評価期間とする「第2回TOCOMリアルトレードコンテスト」もあと半月になりました。3月末の最終ランキング確定前となる3/15時点のランキングが発表されましたので、こちらでもご紹介します。
▼TOCOMリアルトレードコンテスト公式サイト
▼第2回TOCOMリアルトレードコンテスト



残す所あとわずか。第2回リアルトレードコンテストの栄冠に輝くのは誰でしょうか。


株主提案急増

さて、昨日の日経紙投資情報面には「3月総会、増える対決型」と題し、12月期企業の株主総会が本格化するのを前にスチュワードシップ・コード改定を背景に株主提案が前年の2社・4件から18件・5社に増え、議案数は3月総会で過去最高になりそうとなるなど株主と経営陣が対立する事例が相次いでいる旨が書かれてあった。

同紙には片倉やGMOインターなどへ提案するオアシスや、帝国繊維へ提案するスパークス等が挙げられていたが、他にもAVIによるTBSHDへの持ち合い株解消提案や、村上ファンド系による最近TOB価格引き上げを引き出した東栄リーファライン、昨年一転して会社側の反対を抑えファンドが推す社外取締役の提案の承認にこぎ着けた黒田電気など実績も伴ってきている。

この黒田電気の株主提案など8年ぶりに叶ったワケだが、背景には過去の破天荒な提案から他株主にも整合性を持たせた合理的提案で賛成を引き出す格好に変ってきた事もある。本日の株式市場では積極的な自社株買いの発表を出した企業が比例配分でストップ高となっていたが、以前にも書いたように今後は海外からアクティビストが流入してくる事が想定され対象にされそうな企業は一段と緊張感が高まることになるか。


取引所ジレンマ

本日の日経紙一面には「株式公開 緩むルール」と題して、昨今は企業が自身に有利な条件をのむ市場を選別し上場の条件交渉で主導権を握るようになり、また取引所も企業誘致のためルール緩和に突き進むなど世界で企業の新規株式公開のルールが骨抜きになるリスクが強まっている旨が載っていた。

序盤ではソフトバンクグループの東証とロンドンに子会社上場を目指す思惑に絡んでの東証のジレンマに触れていたが、株式持ち合いやこの手の親子上場は長年日本の特異な慣行で、上場を果たしても筆頭株主が親会社のままだけに他の株主の意見が経営に反映されにくい構造という事で近年は欧米に合せ減少傾向という流れになっていた。

一方で上記のロンドン証取など史上最大といわれるサウジアラムコのIPOを誘致する為に特別上場区分を設ける動きに出ているが、このサウジアラムコといえば東証も政府のバックアップを背景に上場誘致に躍起になっている様が報じられたのが昨年の始めで、勿論他の取引所もこの超大型IPOを黙って見ている訳でもない。

本件の成り行きも注目されるが、斯様に企業が国境を越えて市場を選ぶ時代に市場の規律を保ちつつ企業と投資家の利害バランスを取引所はどう取ってゆくのか。世界的なカネ余りが企業の立場を優位にしつつあるなか大義名分と営利追究の板挟みで取引所のジレンマは始まったばかりか。


ホワイトデー2018

今週は所用で近所の三越に立ち寄ったのだが、バレンタインほどの派手さはさすがに無いものの昨日のホワイトデーを当て込んだ特設ブースなど設けられ想像以上の商戦が繰り広げられていた。この辺はお隣のマンダリンオリエンタルホテルも然りでホワイトデー限定品等が多数用意されていた。

バレンタインに比べなかなか意識調査の類も見掛けないものだが、今週の日経MJに出ていたロッテが行った調査結果ではバレンタインのお返しをもらいたいとの女性陣の回答は82.8%、対して男性陣は全員にお返しをすると答えたのは80.1%。8割の女性が値段より気持ちが重要との回答も得られているが、もらったモノより高いモノを返すのが半ば暗黙の了解だろうか。

今年のバレンタインデーの市場規模は推計で約1,300億円というが、このホワイトデーのそれは約530億円と約4割水準といったところか。バレンタインは数年前からハロウィーンのそれに抜かれたとかいわれているが、ホワイトデーからGWまでの空白期を埋める商機として今度はイースターが控えており各所の熱い商戦がまた始まる。