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安定の貴金属ETF

さて昨日触れたトルコリラ急落だがその余波はコモディティーにも及び、この急落を受けユーロ安・ドル高が加速、ドル相場と逆相関の金からの資金流出でニューヨーク先物の週初終値が前週末比約20ドルほど安い1トロイオンス1190ドル台とほぼ1年半ぶりに1トロイオンス1200ドルの大台を下回った旨が本日の日経紙商品面に出ていた。

1年半ぶりの安値示現という一方で、この金などを中心とし東証に上場されている金の果実シリーズを筆頭としたETFなどの貴金属投資が、実物資産という観点から不測の事態に資産全体の目減りを防ぐ「守り」の役割なども期待されじわりと浸透している旨が週明けの時事にも出ていた。

このシリーズ、主力の金が上場した8年前には当欄で「売買代金は1億3千万越えとなかなか。この手では首位を誇る「SPDRゴールド・シェア」の同日の売買代金が約7億7千万、大証に上場している「金価格連動型上場投資信託」は約3億8千万、同じ大証の「国内金先物価格連動型上場投信」が約1,600万、そして「ETFS金上場投信」が約6百万であった事を考えると今後にも期待が持てよう。」と書いていた。

あれから8年、その純資産残高は588億円となり実に上場時の30倍近くに膨らんでおり、これを含め銀、プラチナ、パラジウム4商品のそれも今月アタマの時点で736億円と上場時から20倍を超えるなど軌道に乗った感がある。市況に左右されない安定感が要だが、世界規模で見ても金ETF残高はこの2年半で5割強増加しており今後も要注目といえる。


きれいな花には棘が

周知の通り米国とトルコの政治的対立を背景にトルコリラが急落、他の新興国通貨にも影響が出始める等世界の金融市場が揺れている。対外債務問題等大きなところ以外でも末端の個人もFX取引はじめ、投信ではトルコ株やリラ建てで運用するモノが10日時点で50本以上、純資産残高は合計で約2500億円あるという。

リラなど新興国通貨建て商品の魅力としては先ず高金利というのが挙げられるが、インカムを貰ってキャピタルでそれ以上に取られるというリスクとは常に隣り合わせ。しかし高金利投信といえば構造上違うといえボラが一定の範囲に収まっていれば享受出来るというモノも多数発行されているが、今回のような事態になれば裏返しのリスクをいっぺんに被る事になる。

残高の多い欧州ハイ・イールド債券ファンドのリラ建てのモノなどここ3ヵ月で基準価格が23%低下していると日経紙に出ていたが、こうした時に独特の選好性というものが表面化するもの。手数料含めこうした時にこそ改めて欧米諸国の投信事情と比較するにその特異性がよく見えるものである。


ビールも虫も

さて例年この時期には所謂シーズンストックとしてビールやアイスクリーム、家電など猛暑なると需要が拡大するとの思惑から関連モノの株価上昇が風物詩なのだが、先週末の日経紙には「夏銘柄 下落の異変」と題し今年は災害レベルの猛暑が続いた為に夏商戦への恩恵が薄まりこれらの銘柄が逆に軟調を強いられている旨が出ていた。

本日のマーケットでも大幅に4日続落という悪地合いの要因もあるものの、清涼飲料ポストからはコカ・コーラBJHが年初来安値を更新、またエアコン関連ポストではビックカメラも年初来安値を更新となっている。代表格のビール株もアサヒやキリンHDの主力が6月末比で10%以上の値下がりの憂き目に遭うなど今年は確かに一寸異例の光景だ。

これらビール株は気温が35度を超えると消費が伸びなくなるという事だが、同紙では他にアイスから氷菓への需要移行から乳業ポスト、外出の手控え警戒感から東京都競馬等も弱いとしている。また一覧には防虫関連もあげられていたが、これらはビール消費ではないが35度を超えると蚊は飛ばなくなり死亡率上昇で減少するというというデータがあるらしい。

これらフマキラーやアースなど先喰いした分、猛暑になってからの失望売りも五月雨的に出ているが書き入れ時の思惑外れで各社も穏やかでない。今年はペットの熱中症まで注意喚起が出て近年はセミが鳴く時間帯まで変化しているというが、シーズンストックの異変は今後の消費構造の変化を物語っているようだ。


アパレルの異業種

さて、今週アタマの日経MJ紙には「黒帯気分で押忍!」と題し、先月に空手を取り入れたフィットネス「ビーアイエフ・バイ・ナージー・ハラジュク」が原宿にオープンした記事があった。フィットネスジムといえば最近では先に挙げたシックスパッドステーションなど様々な形態が増殖しているが、空手フィットネスを手掛けたのはアパレルのジュンである。

同社社長曰く「姿勢を良くすると体幹が鍛えられる。そういう体で服を着るというのが一番美しく見える。」とのこと。殿方には残念ながらココは女性専用という事だが同フィットネスの公式アンバサダーには世界空手道選手権大会優勝者の女性を据え、ロッカールームのドライヤーは全てヘアビューザーという拘りよう。

思えばかつて同社はエアロビクスを世に広めた立役者としても有名だったが、これに限らず当欄で今年3月にも書いたようにここ数年はファッションの枠を飛び越え衣食住を含めたライフスタイルを提案するアパレルメーカーが増えている。異業種を組み合わせることでこれまでにない相乗効果がどう創造されるかこうした部分に今後も注目しておきたい。


知日家フレンチ

さて、今日はネットにラ ブティックドゥ ジョエル・ロブションのサマーセレクションの案内が来ていたが、ジョエル・ロブションといえば今週アタマには同氏がスイスで亡くなったという報を思い出した。著名なフランス料理のシェフといえば、今年は年明け早々にやはり3つ星シェフのポール・ボキューズ氏も亡くなっている。

ジョエル・ロブション氏といえば大の知日家としても有名で、94年にオープンした恵比寿の旗艦レストランを含めて国内で10店舗を展開している。妥協を一切しない完璧主義者で上記のサマーセレクションのようなアイスクリームなどのライセンス商品でさえ全て自身で納得のゆくまでチェックしていたという。

知日家だけに著名寿司職人とも交流があり、カジュアル路線のラトリエドゥジョエル・ロブションのロングカウンター形式など寿司店から発想を得たというのは良く知られる話。直近では先の西日本豪雨で被災した旭酒造の獺祭ともコラボし、パリ8区にサロンもオープンするなど日仏を繋ぐキーマンだっただけに残念だが今後氏の哲学がどう昇華されてゆくのかこの辺に期待したいところ。


新たなベンチャーファンド

本日の日経平均は反発となったが、高寄与度のソフトバンクGが大幅高となり相場を牽引した。昨日発表した同社の2018年4-6月期連結決算は営業利益が前年同期比49%増となり同期では過去最高を更新したが、これに大きく寄与したのが昨年立ち上げたファンドの事業利益で、2.3倍に膨らんだ模様。

ソフトバンクのというより孫氏の有望企業を発掘する目利き力は誰もが知るところで2000年に約20億円で投資した中国・アリババ集団などは保有分時価が実に15兆円に大化けしている。事業別の寄与度を見るにいよいよソフトバンクも投資会社としての色合いが一段と濃くなってきた感もある。

ところでファンド立ち上げといえば本日の日経紙投資情報面には「本田選手が挑む閉じた世界」と題し、サッカー日本代表本田選手が米の創業間もないスタートアップ企業に投資するドリーマーズ・ファンドを立ち上げた旨の記事があった。チームを組むのは錚々たる面々で早速野村HDは参加を決めている。

ソフトバンクのアリババよろしくフェイスブックも上場前に投資すればリターンが驚異の1万倍になったとも書いてあったが、かつてサッカー日本代表といえば中田選手なども金融の世界に手を広げていった経緯がある。本田選手の視点はまた一段違う所にあるが従来の金融業界の所謂慣習にとらわれない新たなベンチャーとして今後注目してゆきたい。


異常気象とESG

さて連日猛暑日が続くが今月アタマに気象庁は7月の前項の天候まとめを発表しており、それによれば強い高気圧の影響で東日本の月平均気温は平年より2.8度高く、7月としては1946年の統計開始以降で最も暑かったという。また西日本豪雨から約1ヵ月が経つが降水量も太平洋側で平年緒2倍となる記録的な1ヵ月となった模様。

そんな中で先月下旬にはESG金融懇談会の提言書が公表されているが、これは環境省のHPにもある通り年金資産や預金といった国民のお金を環境課題と経済・社会的課題の同時解決に向けた取り組みへと導く為に長期的視点から持続可能な社会を築いていこうとする内容。

企業価値を高める前提の規律ガバナンスを軸に今後環境や社会に配慮した持続的成長が可能な企業戦略が重要になってくるが、冒頭の件も顧みて温暖化に悪い影響を与える関連投資から撤退する動きも出ている。企業側も温暖化ガス削減の為の取組など具体的な対応策を実行する企業も出始めてきている。

ところでガバナンスといえばまたぞろ官庁や大学などでも不祥事が相次ぎTVなどはこの手のネタに困らない状況になっているが、企業だけでなく近年の社会構造などを鑑みても統治機構の軋みが酷くならぬよう価値向上を目指したガバナンスの強化がこれら各所でも不可避となろうか。


平成最後の隅田川花火

さて先週末にはこの時期恒例の隅田川花火大会が開催され、今年はタイミング悪く台風12号直撃の影響で21年ぶり2度目の順延開催となったものの、夜空に大輪の彩を咲かせ約87万4千人の見物客を魅了した。東京の花火大会双璧のこれも今年で第41回目を迎えるが平成では最後の開催ということになる。

というワケで今年は100万人カウントダウンアプリ配信や、スカイツリーなども明日の未来をテーマに地元墨田区の小学生たちから募集したデザインで太陽の光を浴びて成長する花の様子を表現した「明火」なる特別ライティングに途中から切り替わるなど各所での試みも見られた。

しかし何といっても毎年楽しみなのは10社でその技を競う恒例の花火コンクールか。今年は昨年に続いて小松煙火工業が優勝し二連覇を達成したが、タイトルの「夕映えの隅田川」の通り美しい黄金色の発色は圧巻。他にも丸玉屋小勝煙火店のワイングラスや北日本花火興業のカエルのユニークな花火、野村花火工業や斎木煙火本店の美しいグラデーションを時間差で表現する花火などどれも圧巻で平成最後を飾るに相応しい大会であった。


日銀トレード終焉

本日の日経紙マーケット面には「日銀買い 変化に先手」と題し、日銀が日本株のETFの買い入れで日経平均型を減らしTOPIX型を増やすと発表した事で、これまでの日銀トレードの是正でNT倍率の変化など構造変化を見越した取引が当面続く可能性がある旨が書いてあった。

このNT倍率だが今月中旬には2000年以降で初めて13倍台の高水準を付けていたが、日銀によるETF購入配分の見直し検討が伝わって以降はこれまでの吸い上げで浮動玉が急減したファーストリテイリングなど、本日もそうであるように先週から地合いに左右される事なく大幅に値を崩すなど早速想定された反応を見せている。

以前に当欄でも書いたように、日銀は約8兆円の自己資本のおよそ3倍に相当する株の変動リスクを自らのバランスシートに抱えており、これまでのNT倍率の高止まりに危機感を指摘する関係者は多かったが、幾度となく出てきたランディング論がジワジワと今後少しずつ具現化してゆく様が今後も注目される。


三度目のナントカ

本日の日経紙・市場点描には仮想通貨ビットコインのETF(上場投資信託)に関してSEC(米証券取引委員会)が26日、この認可申請を却下した旨が書かれていた。今回は米大手仮想通貨交換事業者の創業者が2013年に提案していたビットコインETFだが、拒否理由として価格操作や詐欺などの不正防止策や投資家保護が不十分であると判断された模様。

斯様な理由でビットコインのETFが却下されたのは今回が初めてではなく、昨年3月にも同様にSECが斯様なビットコインETFの申請を認めないとの決定が下された経緯がある。この時も史上最高値から3割近く急落の憂き目に遭ったが、今回も約2か月ぶり水準の8400ドル台まで上昇していた価格が申請却下で7800ドル台まで下落する事となった。

今回仮に承認が叶った場合はシカゴオプション取引所傘下のバッツ・グローバル取引所に上場される予定であったが、このシカゴオプション取引所(CBOE)が上昇申請したビットコインETFに関しては来月にも承認されるかどうかが決まると言われている。果たして3度目の正直でこの悲願が叶うのか否かSECが下す判断が注目される。


首都圏流出

さて、前回は10年目を迎えたふるさと納税がEGSの流れもあって直近の豪雨被災地の救済を目的とした代理寄付や、被災地支援パートナーシップなど多様な形態で支援の輪が広がっている旨も書いたが、一方で先週末の日経紙には「1都3県で減収4割増」と題しふるさと納税をした人の2018年度分の個人住民税控除額が1都3県で1166億円になった旨の記事があった。

実に17年度分に比べて4割近くの増加だが、全国では前年度より37%増えて約2448億円になるとの発表が総務省より為されている。控除トップは上記に見られるように東京都で約645億円、次に神奈川県の約257億円と続き大都市圏の自治体にとってはなかなか頭の痛い状況となっている。

斯様な状況から都内では目黒区が2018年度から返礼品に同区に拠点を持つ「EXILE」の関連グッズを追加したり、大都市圏でも文化財見学ツアーなど地域資源の活用などの工夫をしたりと試行錯誤だが今後の寄与度はまだ未知数である。

ところで本日は東京都が認可保育所等の新規開設が進んだ事で、今年4月1日時点の都内の待機児童数が前年より3172人減った旨の発表をしている。都は2020年4月に全市区町村の待機児童ゼロを目指すとの目標を掲げているが、首都圏自治体の応分の税収が他府県に流出を続けている事がこれらの対策にも影響を及ぼすようなことにならぬかも危惧されるところ。


第3回TOCOMリアルトレードコンテスト途中結果を公表

 2018年7月2日より開催中の「第3回TOCOMリアルトレードコンテスト」、初回7/13時点のランキングが公表。開始2週間で利益率100%超えは3名、今回より新たに創設された実益額ランキングのトップは+3800万円超えといずれも素晴らしい結果となっております。

▼第3回TOCOMリアルトレードコンテスト:途中経過順位(2018年7月13日時点)




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