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雨模様隅田川

さて、先週末はこの時期恒例の隅田川花火大会であった。開始直前は時折の豪雨で思わず開始早々に中止になった4年前の悪夢が思い出されたが、今年は40回目の節目という事もあってか雨脚の強まるなかそれでもほとんど強行突破という格好でなんとか開催された。

とはいえさすがにこんな天候で傘をさしてまで観る気力の無い私は部屋からの観覧となったが、今年のコンクールは悪天候にもめげずなかなか圧巻であった。特にマルゴーや野村花火工業、そして3位受賞となった斉木煙火本店の作品に見られた発色や時間差の技術は近年の匠の集大成ともいえる出来栄えであったと思う。

例年であればこれが終るとこれまでは神宮外苑と並び東京湾大華火祭が楽しみな行事であったが、周知の通り2020年東京オリンピックの都合で昨年から休止扱いに。経済効果への影響も懸念されるというものだが、意外にも屋形船や各種クルーズプランの賑わいが倍増している模様だ。近年のSNS急成長で写真映えに絡めた商機が彼方此方で花開きつつある。


アパレルの苦悩

さて、本日の新聞の折り込みチラシには有楽町ルミネの明日からのバーゲン広告が入っていたが、他アパレルに遅れること約一ヵ月という感じで出遅れ感が強い印象だ。この辺に絡んではちょうど昨日の日経紙で「アパレル、根深いセール病」と題しこのルミネの事も取り上げてあった。

冒頭に「今年、一石を投じた。」としてバーゲンセールの開始時期を他社より約1ヵ月遅らせ定価販売を衣料品ブランドに促したとあるが、原点回帰の観点から歓迎すべきとの大義名分があるも実情は他店との整合性や商慣行の都合から形態を変え実質セールに踏み切っているのが現状のようだ。

アパレルのセールに関しては今から5年くらい前の当欄でも一部百貨店で先行させた夏のセール先送りが軒並み空振りで減収になり共倒れになった旨を書いていたが、デフレ長期化は斯様に後戻りが難しい産物を生み出してしまっている。ルミネでなくともかれこれ5年ほど前からこんな一石は投じられているものの、麻薬の如きこれらを絶つ原点回帰が適うのか否か各社の試行錯誤は続きそうだ。


期待プレミアム?

本日の日経平均は良好な欧米の経済指標や内外企業の好決算等を受けTOPIXと共に4営業日ぶりに反発となったが、個別では周知の通りタカタ株が売買最終日を迎えた。寄りは2円安と小甘く寄り付きあと17円まで緩んだが、その後はプラス圏に切り返し35円まで急騰と前場だけで株価2倍化を演じるなど最後までボラタイルな動きであった。

先週の当欄で「テンバガー玩具」として取り上げた際の末尾では「電子化で券面コレクションも不可能な今のご時世、オプションSQならぬ最終売買日は如何ほどで引けるのか注目しておきたい。」と書いたが結局終値は18円の引けとなり、最終売買日の終値が驚きの二桁となったスカイマークの14円を更に上回るなど何とも理解に苦しむ。

まあ、スカイマークの時など思わぬ値持ちの良さで前社長は持ち株を売る絶好の機会に恵まれたワケだが、普通に考えれば同社の負債総額は1兆円を超える事が確実視されており上場廃止後に100%減資というコースだろうが、要はこれが未決定の部分の期待プレミアムが乗った格好という事か。破綻後の珍現象として語り継がれる事例がまた一つ増えた。


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机上の空論

先の日曜日の日経紙社説には「問題が多いキッズウィーク」と題して、子どもの夏休み期間を削り秋口などに移行するという論議が政府主導で始まった旨が書いてあった。所謂「キッズウィーク」で、夏休みなど長期休業の一部を別の時期に移し親にも一緒に休暇を取るように促して消費や観光需要を喚起する狙いというもの。

政府の旗振りで斯様に消費や観光需要を喚起する狙いで打ち出したイベントとしては「プレミアムフライデー」なるものが記憶に新しいが、かれこれ開始から4ヵ月を経ても現状としては街のレストランなどプレ金に合せて企画したイベントが空振りで閑古鳥という報道が多く目に付く。

認知率に比較しその普及率は凄まじく空振りの事態となっているのは当初から想定はされていたが、キッズウィークにしても概ね二の舞を演じてしまうようなハメになるのは想像に難くないか。こんな机上の空論ばかり無理矢理導入してしまうなら、いっそ金曜日へ振り替え休日を設けるハッピーフライデーの方がまだ即効性があるような気がしないでもないが。


丑の日商戦

さて、明日は毎年恒例の「土用の丑」の日である。今年は来月にもあるが鰻といえば数年前の不漁による高騰が記憶に新しいが、消費の方もそうした影響から2000年の年間17万トンから昨年は4万トンと大きく減少しているのが現状のようだ。

シラス等の価格は10年で約10倍にまで跳ね上がったが老舗の廃業等もまじえ一頃の狂乱価格は沈静化、漁獲高も大幅な回復を見せ今年はかば焼き用の国産うなぎの仕入れ値が下落している模様だ。それらを反映してか店頭価格も昨年より幾分安くなっているようにも感じるがこれで消費も喚起されるか否か。

ふるさと納税等でもスーパーで購入するよりはるかにお得ではと思うような可也ボリュームのある鰻が多数この丑の日に照準を合せて出てきているが、思い返すに数年前はアベノミクス効果で兜町の鰻屋の特上モノが品薄になるなどの景気の良い話題があったものだが、上記と併せ消費の盛り上がりが復活するかどうか商戦の行方が注目される。


テンバガー玩具

さて、世論調査では安倍政権の支持率が30%割れの急落となり、センティックスによる経済・投資環境に対する信頼感調査で米国の先行き指数も続落しマイナス1.5に沈むなど、日米政治リスクに備えるような構えで今週はオプション市場では8月・9月限で190プットが大きく出来高を増やす場面が見られた。

プットが堅調な日は対照的にコールのプレミアムが一気に半値以下まで値を消すなど超乱高下の値動きだが、今週は株式でもこんな動きに終始したモノが先に破綻したタカタ株であった。七夕の安値から1週間で実に10倍以上に化けたあと2日後には6分の1に暴落、昨日の値下がりランキング1位が今日は一転して値上がりランキング1位に躍り出るなどまさにオプションさながらである。

いよいよ来週には最終売買日を控えながら今日の大引は値上がりランキング1位で40円。こんな光景で思い出すのが、ほとんど無価値になるはずの最終売買日の大引値が14円と異例の二桁となった一昨年のスカイマーク株か。遡れば10年以上前の足銀や、20年以上前の京樽等もそうだったが電子化で券面コレクションも不可能な今のご時世、オプションSQならぬ最終売買日は果たして如何ほどで引けるのか注目しておきたい。


後ろ盾無き通貨

本日の日経紙金融経済面には「ビットコイン一時停止」と題し、利用者や取引量の急増で送金等への影響が出始めその解決策を巡っての各所の対立から取引所サイドが顧客保護の名目で来月1日からビットコインの入出金を停止する発表をし、一部海外取引所も先駆けてこれに倣う動きの旨が報じられていた。

こうした分裂騒動を嫌気し当のビットコイン相場は先週後半には1,900ドル割れまで下落する場面が見られるなど約2ヶ月ぶりの安値水準まで急落の憂き目に遭っているが、連動するようにこれまで当欄で取り上げて来たリミックスポイントやトレイダーズHD等の仮想通貨関連株もこの1週間で2割強の下落と連れ安を演じている。

週明けになって分裂回避の見方も一部に台頭してきたものの、これらの関連株は本日も依然として軟調推移と不透明感は払拭されていない。仮想通貨の弱点としてETF認可が流れる一因ともなった政府や中央銀行の後ろ盾が無い点が挙げられていたが、こうした光景を見るに改めて黎明期の紆余曲折を感じる。


消えゆく白紙委任状

さて先の日曜日の日経紙総合面には「株持ち合い縮小10%割れ」と題して、上場企業が取引関係の維持等を目的に保有する持ち合い株を減らす動きが加速し、野村証調べでは2016年度末の保有比率が9.9%と初めて10%の大台を割った旨が書かれていた。

この持ち合い解消だが、直近では支持率急落の憂き目に遭っている安倍政権の隠れた成長戦略のターゲットでもある。日本企業にガバナンスを効かせようとした場合にやはり障壁となるのが株の持ち合いで、こうした関係の中心の存在となってきた銀行もここ近年は積極的に株の売却を加速してきているのが現状か。

斯様な事情を背景に一昨年からコーポレートガバナンス・コード適用も始動した事で漸くというか岩盤であった10%の牙城が崩壊、先の株主総会でも物言う株主の提案が8年ぶりに承認されるなどスチュワードシップ・コード効果も出てきておりWコードの動きが今後も目に見える形で加速しそうだ。


乳製品黒船

さて、今週のはじめには大商いを伴って彼方此方で急騰しているビットコイン関連株を取り上げたが、それとは対照的に軟調推移であったのが食品ポストか。この辺の背景はいわずもがな日本政府とEUがEPA締結で大筋合意となった事で安い輸入乳製品等の拡大で競争が激化するのではとの懸念が台頭した事か。

欧州産の乳製品が大量に入って来ることになると上記のような株価が気になる上場企業でなくともこれまで大半を供給してきた酪農家としても戦々恐々ということになるが、乳価の行方等この辺は未知数だ。逆に日本からは自動車関税が撤廃される方向になったが、先行している韓国勢等と競争条件が同一となる事で攻勢の好機となり得るかどうかが注目される。

またこのEPA締結で地理的表示を認め伝統的な食品産地ブランドを互いに保護する事になるが、神戸ビーフや但馬牛など始め粗悪な偽造品が出回っているモノにとっては朗報か。とはいえこれまで一部商品名として定着してしまっているイタリア特産モノを冠した商品名やメニュー等の使用が出来なくなる事も考えられるが、この辺についてはまた後述したい。


本上場の審判

さて昨日は東京商品取引の限日取引が建玉増に寄与している旨を少し取り上げたが商品取引といえば昨日はもう一つ、西の大阪堂島商品取引所が約6年にわたり試験上場してきたコメ先物の本上場への移行を8月7日の期限を前に臨時総会で申請議案を全会一致で可決、同日夕に農水省に申請している。

コメ上場に関して再延期を控え東証一部上場のヤマタネやジャスダック上場の木徳神糧等の大手が大阪堂島商品取引所の会員資格を取得、最近もジャスダック上場のフジオフードシステムも入り、また銘柄も新潟コシヒカリという屈指のブランドによるテコ入れ策が奏功し売買高も増えてきている。

当欄でコメ先物について触れたのはちょうど2年前の試験上場期間延長申請の時であったが、もうその2年が経過と時の流れの早さを感じる。過去を遡ってもこれ以上の延長事例が無い事から実質的にこの商品のラストチャンスとなるが、さてその悲願の審判はどう下されるのか先ずは注目したい。