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ハロウィーンビジネス

さて、明日のハロウィーン本番を控え街の彼方此方ではイベントが盛り上がっている模様だが、今年は台風22号の影響で先週から屋外モノは受難、渋谷では降りしきる雨で寒そうな姿が其処彼処に見られ日本最大級ともいわれる川崎のハロウィーンパレードはこの影響で中止となってしまった。

ところで近年拡大するハロウィーンブームに乗って今年も各テーマパークも客層拡大を狙いホラー色を強化している模様。USJはそのリピーターの多さからレベルにより中学生以下禁のハロウィーンホラーナイトを展開し、ホラーとイメージが結びつかないピューロランドも小学生以下禁のゴーストピエロのホラーハウスを展開している。

確かに客層の観点から見れば、例えばこれから迎えるクリスマスやバレンタイン等は子どもやカップルがメインターゲットだが、ハロウィーンの場合は老若男女誰でも楽しめる事で子ども向けイメージの強かった上記のピューロランドなどにも大人向けアトラクションを展開出来る伸びしろが商機として浮上する。

事実こうした展開が数字に結びついて表れてきている模様だが、テーマパーク以外の部分でも特に商材を選ばないので様々な業種・業界がビジネスとして参入し易い素地を持っており、今後も各所の展開如何でその経済効果も益々の拡大が見込めようか。


ブランド米戦国時代

さて、新米が行き渡るこの時期になるとDMやネットでは頻繁にブランド米の案内が届き、百貨店のコメ売り場もあらゆる地域のブランド米が入れ代わり立ち代わり並び目移りさえする。それもそのはず昨日たまたま見かけたTVではコメの品種登録数は年々右肩上がりとなっており、直近では843種類にのぼるというのを見た。

これだけブランド米が増殖している背景には年々変化する天候条件に適応する必要性があったという事もあるが、本日の日経紙商品面で一人当たり米消費量が前年同期比3.1%減となり5カ月連続でマイナスとなった旨が書かれていた通りこうした消費減から販売競争が激化、パイの奪い合いからブランド化が必要となり各地域の開発に拍車をかけた事も大きい。

更にスパンを長く見ればバブル世代が生まれた昭和40年頃に比べると現在の一人当たりの消費量は実に約50%にまで落ち込んでいる模様。そんなワケで過日百貨店に立ち寄った際も、昨年試験販売されていたポストコシヒカリを謳う新潟県の新ブランド「新之助」の販促が知事のトップセールスで行われていたのを見たが、今年廃止となる減反政策を睨み斯様に売り込みも益々拍車がかかって来ようか。


高級スーパー再編劇

さて本日は所用があって出かけた先でクイーンズ伊勢丹の看板を見掛けたが、昨日の日経紙・企業総合面には「三越伊勢丹、改革は融和型」と題し、三越伊勢丹HDがこの高級スーパー・クイーンズ伊勢丹の運営会社の株式の大半を三菱商事系の丸の内キャピタルに売却すると正式発表した旨が載っていた。

高級スーパーの売却といえば最近では成城石井がこの同じ丸の内キャピタルを経てローソンの傘下入りをしたのが記憶に新しいが、その前にはJ・フロントリテイリングがピーコックストアをイオンに売却しており、今回の三越伊勢丹と併せ大手百貨店系がスーパー経営から離れるパターンが続く。

ところで上記の成城石井買収の時はローソン勢に対して三越伊勢丹も手を挙げるのではという思惑さえ出ていたのを思い出すが、当時と今とでは丸の内キャピタル含め同じキャストながら買収の構図がさま変わりしている様子がこの業界の再編劇の目まぐるしさを物語る。


景気に投機

本日の日経紙・一目均衡では「市場騰勢 景気を反映か」と題して、米国の史上最高値更新や日本の21年3ヵ月ぶりの高値水準など日米の株価が上昇しているのみならず景気の先行指標とされる商品相場もまた内外で上昇している旨の記事があった。

この辺に関しては特に非鉄の上昇が顕著でLMEの先物では銅が今月に入って7%超上昇、亜鉛もリーマン・ショック前に遡る10年振りの高値を記録している。日経平均は本日で16連騰と連騰記録を更新しているが、上記を背景にして同紙二面に出ていた連騰の間に上昇した銘柄リストでは半導体やロボット関連に交じって住友金属鉱山や大平洋金属等の非鉄金属関連が上位に顔を出している。

非鉄といえば他にはニッケルも電気自動車の市場拡大に連れ供給不足が21年3月期から顕在化してくると予測されているが、別子の場合それらを低コストで生産する技術を有しており一部アナリストの評価も高い模様。そんな個別はさて置きとしても、何れにせよそうした需給もテコに過剰流動性の投機も乗り各市場で新たな相場形成が為されて来ようか。


アベノミクス再始動?

昨晩はボクシングの村田選手が世界チャンピオンのベルトを賭け因縁の相手との再戦に臨む注目の生中継が行われていたが、その注目の戦いの画面には同時にL字テロップで選挙速報を逐一報じるという、かつて衆院選とサッカーの大きな試合がバッティングした時を彷彿させるような何とも落ち着きのない画面になった。

果たして村田選手は期待通りに雪辱を果たしたが、もう一つの衆院選の戦いは下馬評通り自民が単独280超の議席を獲得と余裕の勝利でこれでまた安倍一強が継続される事となった。こうした背景には野党側の二転三転したドタバタ劇も自民にとって勿怪の幸いとなった感が強いが、ホンの失言も針の一穴ではないが命取りになる政治の恐ろしさを見た感もある。

そんな煮え切らない構図から勝った割に漂う消去法感は鮮明、支持率とのアンバランスも微妙なところという気もする。とはいえ政局動向を最も気にする外人勢も乗る格好で週明けの日経平均は本日で15営業日連続上昇と過去最長を更新、1996年7月15日以来21年3か月ぶりの高値水準まで上昇したが、いずれアベノミクスもエグジットを日銀と共に視野に入れる必要があり何所まで外人勢が付き合うのか今後も目が離せない展開である。


忖度営業時代

週明けの当欄では資金の好循環が続くとした日経平均だが、果たして本日も続伸しバブル期の1988年2月10日以来29年8ヵ月ぶりの13日続伸を記録して年初来高値更新となったが、今月の日経紙「私の履歴書」ではちょうどそんなバブル期を駆け抜けた激動の証券界の様子を野村證券元副社長で前日本取引所グループCEOの斉藤惇氏が綴っている。

今月上旬には朝一番に仕入れと称して纏まった買いを入れそれを顧客に嵌めて、いや勧めてゆく営業の様子等を書いていたが、こうした所謂「仕切り」等の営業手法など当時は毎朝見る至極当たり前の光景であった。また週明け16日付けでも日経紙一面に載った損失補てん先リストを久しぶりに見たが何とも懐かしかった。

懐かしいと言えば営業特金という言葉もそうであったし、総会屋親族企業との一任勘定取引など一つ一つ鮮明に記憶が思い起こされる。そういえば「忖度」などという言葉が最近首相の森友学園や加計学園の問題でにわかに多用されるようになったが、大田淵・小田淵時代の証券界などまさにこの忖度が必要悪で機能し上記のような損失補償全盛期であった感がある。

廻り回って胴元の日本取引所グループCEOまで務めた斉藤氏だが、その取引所も当時の場立が犇めき合い大商い時にフエ吹が景気よく鳴り響いたフロアが、今やコンピューターシステム化を経て静寂の中にクルクルと廻る株価表示の速度で商いを測る光景に変わり果てた。二つのコードも発動されSECの監視体制も進化し証券界の水も頗る清さになったものだが、水清くしてナントカと当時のギラギラした貪欲の時代を懐古する業界人は少なくない。


規制の抜け穴と課題

本日の日経紙社会面には「仮想通貨業者 強制調査へ」と題し、ビットコイン・イーサリアムに次ぐ仮想通貨の一つであるリップルの取引を巡り顧客から現金を騙し取ったとしてこの関連会社代表を警視庁サイバー犯罪対策課が詐欺容疑で逮捕した旨が載っていた。

このリップルといえば今年の夏に一度取り上げた事があったが、春先に1円にも満たなかったものが約2か月後には50倍にも化けた経緯がある。現在は25円絡みの動きとなっているが良くも悪くも誘い水としてツールになり易い側面があっただけにマウントゴックス以来の仮想通貨絡みの詐欺事件となった。

先週から入ってきている直近の金融犯罪の報としては、他にマザーズ上場のインターネット通販企業、ストリーム株の「買い上がり」や「仮装売買」等の相場操縦で関係者を逮捕した件もあったが、近年のテクノロジーの進化と共にこうした従前の金融犯罪と並行し今後上記のような金融商品取引法でカバーされていないカテゴリーの事件も増加してくるのは想像に難くないか。


資金循環

本日の日経平均はマイナス圏に沈む場面があったものの切り返し結局は11日続伸、2015年の5月15日から6月1日まで12日連続高の記録があったがこれ以来の記録である。さすがにこの連騰過程では外資系のショートカバーから、個人の食い付きが多いインバース系のETFなど過去最高の積み上がりを見せていただけに投げという踏み?もこれらを加速させた模様。

また日経平均リンク債でも満期前の早期償還で解消の動きが出ている模様だが、コモディティーも田中貴金属工業発表の1〜9月の資産用金地金の売買実績では節目の5,000円大台に乗せた事で換金需要が増え同期間の買い取り量が4年ぶりに販売量を上回り前年同期比33%増えた模様とか。ショート勢の敗戦処理が終わった後の需給の真空地帯の行方は兎も角も何れも相場上昇が新たな循環を構築している。

騰落レシオなど過熱ゾーンが続いておりいい加減調整もほしいところだが、踏みに合わせた利食い売りもその後は押し目を待つ買い待ち資金に回るので資金の流れは好循環、こうした環境下だけに押し目待ちに押し目無しが継続されているが果たして連騰記録は更新されるのか否かが注目される。


アニマルフリーの波

さて先週は高級ブランド群の好調な決算が目立ち、フランスの高級ブランドLVHM(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の第3・四半期決算は市場予想を上回る内容となり10日の株価は2.6%上昇、同クリスチャン・ディオールは1.7%高、グッチやサンローランが上半期を牽引したケリングも2.2%高と何れも堅調であった。

ところでこのグッチといえば動物保護団体から毛皮使用の反対運動が高まっている事や、消費者の環境意識の高まりに対応し2018年の春夏コレクションから製品に動物の毛皮を使用しない事を決めた旨が先週末の日経紙に出ていた。こうしたアニマルフリーの動きは同じくイタリアのアルマーニも、昨年全ブランドにおいて毛皮の使用をグッチに先駆けて禁止した経緯がある。

グッチにしてもアルマーニにしても一頃はミンクからラビットまで幅広い素材を駆使した斬新なコレクションが売りにしてきたが、ケリングといえばファーフリーの先駆者ステラ・マッカートニーも擁している事でこの辺の整合性もあろうが、近年ではSRIいわゆる社会的責任投資も旬になっており経営陣も業績好調の折こうした世論に迎合する動きも視野に入れてきているという事か。


不正錬金?

今週は連休明け10日の朝鮮労働党創建記念日に北朝鮮による軍事的挑発行為が懸念されていたが結局は大山鳴動して鼠一匹、今のところ何ごとも怒らず杞憂に終わりその安心感も下支えになり日経平均は連日でアベノミクス相場の高値を更新、為替市場も安定した状況になっている。

この北朝鮮情勢と為替市場の関係については先週末の日経紙でも「北朝鮮緊張で円高なぜ?」と題し、同国を巡る情勢が緊張すると円高が進み易く市場参加者が身構える旨が書かれていたが、この辺に絡んでは同国がミサイル発射などリスクイベントのタイミングでFXやコモディティーの取引を同時に行っているという実しやかな噂も出ている。

まるで米国同時多発テロの時のテロ組織による株式市場や商品市場を介した錬金術を彷彿させるものだが、仮想通貨の方でも直近では複数の米国企業が北朝鮮による仮想通貨を狙ったサイバー攻撃やマイニング等が今春以降に韓国や中国で発生しているのも確認されている。

折しも中国は今月末に仮想通貨取引所全面閉鎖措置を明言するなど仮想通貨に対する規制が直近で非常に厳しくなり、韓国も規制論が一部で台頭している。これらが経済制裁に喘ぐ中で何とか外貨獲得の為に不正で活路を見出す北朝鮮に対する新たな防御の一環なのか否かだが、今後SEC等も何らかの形で追随してくるのかどうかこの辺の各国の動向も注目される。


特注指定解除

本日は後場に入って日経電子版が東京証券取引所が東芝株について、内部管理体制に問題のある「特設注意市場銘柄」の指定を解除する方針を固めたとの配信が為されたが、ちょうどこの配信に合せるかのように当の東芝株はマイナス圏から一気にプラス圏に浮上、高値からは値を削ったが辛うじて前日比プラスで引けた。

同社株といえば周知の通り15年9月に不正会計問題を受け特注銘柄に指定されていたが、3月に提出した再発防止策や聞き取り調査等を受け内部管理体制は改善したとの判断という。とはいえやはり70年近く上場していた名門が上場廃止ともなると市場への影響はあまりにも大き過ぎるという事なのか。

かつて東証一部大手どころの上場廃止劇といえばかつては虚偽記載の西武や、同じく債務超過のカネボウが結局廃止の決定が為されたものの、2006年の日興コーディアルあたりから維持が続き翌年のIHIも然り、その後はオリンパスも維持の決定がなされ復活劇を果たしている。

いずれにせよこれで一先ずは上場廃止の危機を脱した形となったが、2年連続の債務超過を回避出来なければ依然廃止の可能性は残っている。本質的な部分はやはり企業風土の改善なのだろうが、先ずは来年3月までに半導体子会社の売却を完了させられるのかどうか緊張は続く。


HFT対策

さて、先週末の日経紙投資情報面には「株価急落 抜け穴 塞げ」と題し、東京証券取引所がHFT業者など新しいタイプの市場参加者が増えた事で株価の急激な変動を抑えたり、取引終了時の売買を成立し易くしたりする措置の導入など売買制度の見直し論議を進めている旨が載っていた。

冒頭では2月に起きた東ソー株の急落劇が挙げられていたが、確かこの時はちょうどみずほ証券がレーティングで買いを継続し、目標株価も30%近く引き上げた後に起きた出来事だっただけに急落劇は誤発注であったとの噂が直ぐに駆け巡ったものであったが、冗談半分で買い指ししていた向きなどラッキー約定だったものの逆に逆指しの売りなんぞを入れておいた個人など本当に災難だっただろう。

HFTがシェアを広げたのに伴い板がスカスカの薄商い銘柄でさえ時に指し値発注時に必ず一文ハネた注文が同時に出てくる場面などしばしば起こるようにもなったが、しかしクウォートスタッフィングやレイヤリング等々本当にルールの隙間を狙っていろいろなシステムを考えてきたものだ。

これらが罷り通ってしまっている裏でスケープゴート的に見せ玉等で摘発される向きが時に哀れにも見えてくるものだが、いたちごっこになっている現状ワーキンググループもHFTのシステム開発者等など先回り的な助言者が必要なのではないか?いずれにせよ東日本大震災時の動き等々を踏まえても売買制度見直しは早急な課題の一つである。