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売り専

本日の日経平均は続落となったが、個別ではエアバックのリコール問題で揺れ昨日まで3日連続の比例配分ストップ安となっていたタカタ株が4日目にして寄ったあと乱高下を演じた。再生期待から年末年始の一週間で株価倍増となったものの、はや往って来いというかそれを凌ぐ暴落であった。

買っている向きには災難な一方でショートしている向きはニンマリな展開だっただろうが、売り専といえば昨年から増加している空売り専門調査会社の一つウェル・インベストメンツ・リサーチが先週にはミドリムシで有名なユーグレナに対して売り推奨、その適正株価を500〜580円とした事で同日には年初来安値を更新の憂き目に遭っていた。

同社は過去に丸紅やSMCを標的に挙げ強い売り推奨をリポートで展開していたが、一寸目を通してみるとこれが或る意味なかなか面白い。例えばSMCでは同社の監査法人の代表電話番号がSMCの証券コードとピタリ一致しているのは偶然では無く、顧客に対する忠誠を表しており独立性を疑問視するなど何所までが本気なのか独自の理論を打ち出している点である。

年末にかけての円安株高で他の売り専銘柄も担がれ色が濃いモノもあるが、日証金も早速ユーグレナに対して即日制度信用取引の新規売りおよび買いの現引きに伴う貸借取引の申し込み停止措置を発表、当局の今後の対応も気になるが他も逆日歩など跳ねるケースもありで一番乗りに仕込み出来る向きは兎も角ショートの途中乗車はなかなか壁が高い。


ツイッター大統領就任

周知の通り先週末に米国の第45代大統領に共和党のドナルド・トランプ氏が就任した。泡沫候補扱いの同氏が大統領になってしまったのも既報の通り大番狂わせであったが、政府系職務経験無しや史上最高齢、支持率の低さ等々そのキャリア、私生活等全てが異端づくしのスタートとなる。

こんなトランプ氏勝利で先行きが不透明と感じていた消費者にとってサプライズだったのは株高で、高額品の売れ行きに活気が戻り始めるなど消費マインドに微妙な変化も生まれている旨が先週末の日経MJに載っていた。年末に高島屋ウォッチメゾンの難波店オープンを当欄で取り上げたが、日本橋店でも12月は売上高が前年同期比プラスへと転換し今月も前年比を上回るペースだという。

斯様に株高で富裕層消費は底堅いものの、一方で中間層の回復は厳しく消費の二極化の構図はなかなか変わり辛いようだ。マーケットも何所までトランプ効果が続くかというところだが、外交の孤立主義や通商では保護主義の色が濃い。上記の末端部分はもとより内向きに傾斜する政策がこれからどう舵取りされてゆくのだろうかと世界が懸念する中での船出となる。


あの絵を思い出した週

さて、今週は週明けの日経紙文化面・絵の中のわたしにて詩人の小池昌代氏がジョージア・オキーフの絵を取り上げていたのが目に留まった。ジョージア・オキーフは私の好きな画家のひとりで、やはりエミール・ガレや若冲然りで個人的に好きな作品が取り上げられていると嫌でも目に付く。

当欄ではこのジョージア・オキーフを11年前の2006年に一度、翌2007年にも一度取り上げているが、オキーフの特徴として作品で挙げればベラドンナ、紫のペチュニア、赤いカンナ、青の朝顔などなど画面いっぱいに拡大して花などを描くスタイルで、私は初めて彼女を知る事になった「ピンクの背景の2本のカラー」の出逢いが脳裏に焼き付いて離れない。

薔薇画で有名なルドゥーテのような精密技法を持ちつつ「白薔薇」にみられるような抽象感を描く神秘性や、なんといっても私がツボなのは上記の「ピンクの背景の2本のカラー」のようにガレ同様に植物であってそれが動物のようにも感じられる温度感というか溶けるような艶かしさが刺さる点である。

私が日本でジョージア・オキーフの作品を観たのはかれこれ今から20年以上前の93年の秋に横浜美術館で開催された企画展「アメリカン&モダン展」であったが、いつしかサンタフェにあるオキーフ美術館にも足を運んでみたいものである。


今年のダボス会議

昨日からスイス・ダボスにて世界経済フォーラム年次会合、所謂ダボス会議が行われ昨年のポプュリズム台頭の背景から今年のメインテーマはリーダーシップとは何かとなっているが、今年は中国の習近平国家主席が中国トップとしてはじめてダボス会議に参加している。

注目された同氏だが、明確に保護主義を反対する姿勢を表明しトランプ次期大統領の保護主義的な政策を念頭に「貿易戦争では共倒れになる」と警告、自由貿易の重要性を主張した旨が本日の日経紙国際面にも載っていた。

この辺に絡んでは年明けに政治リスクの調査会社ユーラシアグループが今年の世界の十大リスクを発表しているが、挙げた二番目には「中国の激しい対応」とある。中国は秋の党大会を経て同氏は二期目に入るが執行部人事では最高指導部が大幅に入れ替わる予定となっているが、はたして今年のリスクの震源地になるのか否か今後も目が離せない。


存在感

昨日は日銀によるETF買い入れの官製相場について触れたが、本日の日経紙マーケット面には「ETF、個人が売り越し」と題して、16日に東証が発表した先月のETFの投資部門別売買動向で個人投資家が3ヵ月連続で売り越しとなり、その売り越し額は昨年7月以来の大きさとの旨が載っていた。

ETFといえば日銀の買い入れ枠倍増による増加はもとより個人もレバレッジ型人気も加速しており、東京市場の純資産残高は売買代金と共に先月に初めて20兆円を超えて公募投資信託残高の2割を占めるまでに至るなどその存在感は急速に高まってきている。

レバ系やインバース、コモディティ系など短期志向のモノも人気が高まってきているが、先物との組み合わせ等選択肢の広がりも目覚ましい。日銀がETF買い入れ倍増を打ち出したころ東証では100万人超の保有者増加目標を掲げていたが、リクイディティーが安定してきている商品も順次拡大しつつありその日も近いか。


官製ETF

本日の日経紙・エコノフォーカスには「円・株 弱〜い連動」と題して、これまで約10年の間足並みを揃えるように動いてきた円相場と株価の連動がにわかに弱まってきている旨が載っていた。これを生み出した要因としてやはり需給面から日銀によるETF買いも挙げられていた。

周知の通り日銀は昨年夏にETFの購入額を約2倍の年間6兆円へと増額させ、株安の要所要所で買い入れ支えてきた経緯があるがこの辺から相関性が薄れてきたのは否めないところ。同時にこの辺から日銀トレードなるモノも横行し、日銀保有比率が高い銘柄群も公表されるようになってきたが企業統治の絡みでもいろいろと物議を醸し出している。

また高寄与度銘柄の浮動玉の吸い上げはリクイディティーにも変化をもたらし、更に上記の日銀トレードに絡み短期筋の裁定が更にNT倍率の歪みにも拍車をかける等々弊害も表面化してきた。今後も保有比率の高まりは想像に難くないが、金融緩和のイグジットを見据えた場合売却等どういった着地にもってゆくのかこの辺はまだ未知数である。


ビックリ十大予想・2017

さて年が明けると一昨日に当欄で取り上げた日経紙の「経営者が占う今年」の特集と共に米投資会社のバイロンウィーン氏の「十大予想」も一部で話題になる。当欄でも2014年と2015年の年初に取り上げた事があったが、自称的中確立50%とはいうものの昨年は無難なところが幾つか当たったといったところであった。

というワケで今年はザッとしたところで円が1ドル130円に、ポンドは1.10ドルへ下落、人民元は1ドル8元に下落、WTIは大部分の間60ドル割れの水準で推移、S&P日500種は12%高、日本の実質成長率は数十年ぶりに2%を超え日本は年間の株価上昇で他の先進国をリード、そして欧州にポピュリズムの広がりとも触れている。

前にも書いたが、大方のアナリスト等という輩はある程度のレンジを移動平均に絡めたような横並びの無難予想を謳うが、一方でビックリ予想というのは可也乖離した設定にするだけに当たった時の話題性があるというもの。

昨年は前述のようにブレグジットやトランプ候補の勝利などビッグイベントにおいて番狂わせが続出し、氏もポピュリズムの広がりを予測している通り今後もこれが世界を席巻し常識崩壊の傾向が続くとなれば乖離した設定部分に抵触する率も高くなり、ビックリ予想も次第にそのビックリ度合いの新鮮味が薄れる傾向になってくるかもしれない。


年末年始の金あれこれ

本日の日経紙マーケット面には「NY金が反発」と題して、これまで伸び悩んでいた中国やインドの実需買いが活発になった事もあって金の国際価格が直近安値から反発してきている旨が載っていたが、金といえばこの年末年始も国内では金を巡る事件がいろいろと明るみになっていた。

直近では先週に千葉で金の延べ棒6本が盗まれる事件が報道されていたが、その前の年末には石垣港で金塊15キロを密輸しようとした容疑で台湾籍の男女が逮捕されている。しかしこの手の金密輸といえば当欄では昨年11月にも取り上げた通りで、消費税分の利鞘狙いの密輸が斯様に後を絶たない。

当時は財務省が6月までの一年に全国税関が金密輸に絡む罰金や刑事告発等の処分件数が前年同期の1.7倍に上ったと発表していたが、結局この事務年度のこれら事件は全国で294件と過去最多を2年連続で更新している。今年も相場や金準備云々の報道の裏でこの手の事件モノも折に触れ紙面を賑せる事になりそうである。


今年も無難に

さて日経紙の年明け恒例といえば「経営者が占う」の特集だが、これまた恒例でザッと一年前に各経営者が選んだ注目銘柄を振り返ってみよう。1位は昨年に続いての毎年上位常連のトヨタ自動車、そして2位も昨年に続いての信越化学工業、3位は日立から変って伊藤忠商事と続いていた。

1位のトヨタ自動車は一昨年の負けに続いて昨年も7,400円の大発会から大納会は6,878円と一昨年以上のマイナスとなったが、2位の信越化学は大発会の6,570円から大納会は9,067円とこれは一昨年の雪辱を果たすかの如くヒット、3位の伊藤忠商事も空売り専門の米企業にターゲットにされる憂き目に遭うも何とかプラスで終了といった結果になった。

というワケで今年はといえば今年も1位はトヨタ自動車とこれで4年連続の首位、そして2位はこれまた信越化学工業、そして3位も伊藤忠商事と1位から3位までがまたも仲良く昨年と一緒。ちなみに一昨年も昨年もすっかり悪のレッテルを張られてしまった東芝などパフォーマンスを問うなら面白い場面もと書いたが、大発会の200円台から年末には475円の高値を示現する場面があった。

斯様に特設注意銘柄を挙げずとも何所かエッジの効いた予測を上げる向きはいないのかどうか毎年期待しているのだが、大手証券社長の判で押したような12月年末高という定番もまたいつの間にか復活しているのを見るにつけやはりサラリーマンの悲しい性を感じざるを得ない。


6年連続

さて昨日は東証大発会にも一寸触れたが、本日はもう一つ同じ中央区から恒例のマグロの初セリが行われた。マグロの初セリといえばもう「すしざんまい」の喜代村が代名詞のような存在になっているが、果たしてというか今年も同社が競り合いの結果一匹7,420万円で競り落とす結果となった。

あの幻の1億円超えの最高値から数年は続落歩調を辿り昨年は反発といった感じであったが今年は大幅続伸、上記の1億円超えに次ぐ2番目の高値が付いた。その理由として今年は回転ずしチェーンの元気寿司が参加を表明し、また「築地すし好」も参戦し共に競り合った背景があったのは間違いのないところだろうが何れにしてもPR効果は依然として健在か。

他にも大幅続伸の材料として入荷が絞られてきている事情も指摘されていたが、これ以外は割安となるなどマクロでは消費落ち込みが浮き彫りになったかっこうか。しかし昨年の同時期には当欄で「〜この初セリも今年の豊洲移転に絡んで見納め〜」と書いたものの、結局今年もまたこの地で初セリが行われる事になり各所も様々な想いでこれに臨んだのは想像に難くないか。


酉騒ぐ

皆様あけましておめでとうございます

昨年は申年で騒ぐの相場格言通りまさかの番狂わせが相次ぐなどまさにその通りとなったが、今年は酉。戦後の東証年間騰落率は平均で15%の上昇、干支別では5番目となっており平均以上の上昇が期待できるとはいうものの、兜町の相場格言では昨年の申と共に「騒ぐ」年とされており番狂わせの乱高下は継続される気配も濃厚か。

という事で本年最初の取引となる大発会は海外株高や円安を映して4営業日ぶりに急反発となったが、年末の大納会で帳入れした株価は乱高下の末に5年連続の上昇、年末株価としては96年以来20年ぶりの高さとなった。ちなみに5年連続の上昇は1978〜1989年の12年連続以来となり、バブル後の相場では最長記録となる。

また東証一部の時価総額は前年比で14兆円減ったとはいえ571兆円と過去3番目の高水準となっており、個別では独自の事業モデルと攻めの経営で稼ぐソフトバンクの増加額がやはり目立った。一方で昨年の大発会は東芝問題発覚を取り上げたが、今年の大発会もまだ東芝が物議を醸すスタートとなるなど今年もコーポレートガバナンスに絡むこの辺は注目されようか。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます


申騒いだ

さて、今週で今年も終わるとなると彼方此方の分野で2017年の展望が出てくるが、差し詰め相場関係等は様々な見方で喧しい。申酉騒ぐの通り今年はイベントの度に大荒れの相場となったが、ヘタに腕に覚えのある輩ほど振らされる光景を彼方此方で目にした一年であった。

記憶に新しいイベントでは、6月のイギリスのEU離脱の是非につき行われた国民投票結果がまさかの離脱決定となり、後半戦では米大統領選にて半ば冗談半分に泡沫候補的に報じられていたトランプ氏が大方の予想を覆してとうとう当選してしまうなど改めて番狂わせだらけの一年であった。

後講釈で反省してみればマスコミの煽りで常識にとらわれ過ぎた評論家を過信し、潜在意識の総論に気付かなかった部分もあっただろが、あらゆるイベントで百戦錬磨のブックメーカー等も被害者?に転落し、昨今その活用が喧伝されているビッグデータも二者択一を大外しする様を見るまだまだ発展途上を肌で感じる。

というワケで表面化しているコンセンサスを、無意識が影響を与えた潜在意識の総論が結果として番狂わせで裏切るケースは今後もまだまだ様々なケースで起きるであろうし、そのコアな部分にどれだけ解析が近づけるかが課題となろうか。

今年はこれで筆を置きたいと思いますが、本年もご愛読ありがとうございました。
来年が皆様にとって、よい年でありますように。