272ページ目

緩和と規制と懲りないバブル

15日の本日であのリーマン・ブラザーズの破綻からちょうど一年を迎える。当時はちょうど連休中であったが、既に六本木界隈の一部ではパンクが既定路線で外資の連中が情報交換に東奔西走していた光景が記憶に新しいところ。

このテーマ自体が広く金融を網羅する為に短い文章でこの一年の個々を纏められるものではないが、百年に一度という言葉まで生み出したこの危機ではアノマリーの崩壊や川上から川下までが盛者必衰というシーンがこれほど見られる経験もそうそう無かったのではないだろうか?

ここへきて世界の株式や商品相場が、リーマンショック時からどの程度の水準まで回復している等の比較モノが彼方此方で目立つが、この破綻そのものもそうであったようにリーマンショックといわれるものは様々なシーンでパラダイムシフトをより一層鮮明にし、またコモディティーなどを更に一段と金融商品の性格へと変貌を遂げさせたのは疑う余地もないだろう。

一周年を迎え経済、金融市場は表面上最悪期を脱したと巷では喧伝され、散々批判された金融界での高額報酬もまたぞろ復活しているが、これに準ずる金融商品もまた然りか。規制強化の気運の中で金融などは台頭してきた新興国に期待を賭ける向きもあるが、多くの火種が新たに燻る中で過剰流動性がキーとなるだけに金融安定化のバランスをこれらの中でどう図ってゆくか今後も試行錯誤か。


正規衰退と裏増殖

さて、日曜日の日経紙マネー生活面には、そのリボ払い、大丈夫?として最近の不況による収入減の影響で、クレジットカード支払いにおけるリボルビング払いの利用が増えている旨が書かれていた。

これが目に留まったのも確かに最近ではこうしたものに対する記事も多く見るし、当のカード会社にしても従来からすればやたらと気前のよいポイントを進呈等と謳われているものは、よく見ると一括をリボに変更したらというものがやけに目立つ。こうした背景にはカード会社の残高増加があるのだろうが、またこんな手数料のマジックが見えず後々の苦情というかトラブル増加も想像に難くない。

しかしカードの類では、最近は消費者金融なんぞ総量規制やら何やらの影響で廃業した業者含めて正規ではなくなった衣替え組が増殖の一途だとか。これはとりもなおさず上記の影響で増殖した所謂融資難民といわれる向きに対応して出来たビジネスであるのは云うまでもないが、顧客を手土産にグレーな業者をコロコロ渡り歩くさまは、まるで衰退著しい何処かの業界でもそっくりな光景が見られる。

民主党が圧勝しその恩恵期待組の関連銘柄が高騰する一方で、その負の関連銘柄を象徴するものとして消費者金融群には直近で年初来安値を更新するものもあるが、こうした部分でも悪い連鎖の芽はまだまだ途上ともいえようか。


9/30より手数料を改定、引き上げへ

ドットコモディティは、10月1日取引分(9月30日夜間立会)より取引手数料を改定へ。現行の往復一律900円、金ミニ・白金ミニ一律200円から、往復一律944円、金ミニ・白金ミニ一律210円に。

▼商品先物取引手数料改定のお知らせ


商品先物取引手数料改定のお知らせ平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

この度、当社商品先物取引オンライントレードでは2009年10月1日取引分(9月30日夜間立会)より、取引手数料を改定することといたします。


【手数料改定の背景】

この1年の間で、取引に係る直接費用(東京工業品取引所、日本商品清算機構、日本商品先物取引協会などから取引1枚ごとに課される諸会費など)が段階的に 値上げされてきましたが、この間、当社はお客様の手数料には直接反映せず、当社でカバーできるよう、努力を行って参りました。
しかしながら、この10月1日より東京工業品取引所の定率会費が現行より更に約20%値上げされることに伴いまして、今回、手数料の改定を実施することといたしました。

当社は、今後とも引き続き、お客様の利便性を向上させるよう、様々なサービスを提供し、安心してお取引を続けていただけるよう、 システムへの投資などを継続的に行って参る所存でございます。

何卒、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

続きを読む

不況無縁?なガールズ

本日は女性向け某業界関係者と話す機会がたまたまあったのだがそこで話題になったのが、ちょうど先週末に国立代々木競技場体育館で開催された「東京ガールズコレクション」であった。

昨今の景気低迷の影響からホールセールで精彩を欠くパリコレとは対照的にこちらはリテール系で数年前から脚光を浴びており、やはり各女性誌と専属契約している人気モデルが一堂に集まり、来場者がその場で携帯からネットでそれらと同じモノを注文出来るところが爆発的にウケているようである。

憧れのモデルと同じ服をと後悔するかどうかもわからないものを興奮冷め遣らぬうちに即注文してしてしまうのは、気配値がどんどん上がる(下がる)ところを思わず買い(売り)の手を振ってしまう心理に似ていなくもないが、よく云われる「感情が高ぶると、人は冷静な時にはとらないようなリスクを顧みない行動を取りがちである」というような所謂行動ファイナンス理論をフト思い出した。

まあその辺はともかく、ポンポン注文を出せるのにはそこそこの可処分所得も背景になっているようだ。だいたいバイトに小遣い世代なんぞ不況に対しディフェンシブな集団であるし、最近のランキングコンテンツ「GRP」で月に使うお金の平均はいくら?という質問では第二位に10万円という金額が弾き出されている。ちなみに一位はその半分の5万円らしいが、これにもよく公表されている一般サラリーマンの小遣いは勝てないじゃないか?という笑い話になったところでお開きになった次第。


テーマ探しと環境変化

レイバーデーから明けたNY市場では金が昨年春以来の1,000ドル台を示現、WTIも急騰するなどしてその関連株等本日も物色されていたが、物色テーマといえば昨日の日経紙には「民主党関連」株軒並み下落として民主党圧勝から一週間が経過した株式市況の様子が出ていた。

政策買いなんぞは一応株式市場の王道ではあるものの、何でも買いから個別濃淡相場、そして今後は個別の実現可能性を睨みながら実行段階で後退の動きがればまたそれらプレミアムが剥げるという、銘柄も選別の篩いにかけられる事になろうか。

さて、テーマといえばもう一つ次期モノとして、オリンピック開催地決定を間近に控え東京五輪関連株が注目されているともロイターの記事で見かけた。今年の隅田川花火大会や東京湾大華火祭ではこの五輪誘致を願い花火のテーマもそういったものが多かったが、株式市場では未だこのテーマ自体に無関心な模様。

90年代の長野五輪開催の際には北野建設なんぞが特定筋介入もあってそこそこ化けたものだが、こうした五輪本命の建設関連は民主党の公共事業費削減懸念から寧ろ買いが躊躇されている。まあ当時と違って今では一寸煽ろうものなら、取引所規制やら随分と優秀?になった証券取引等監視委員会の目も気になって昔のような再来は一寸期待出来ないかも知れないが。


公募増資利用型手法

本日の日経紙一面にはJALが国際線の運行業務について外部企業に出資を要請する旨の記事が出ていたが、このJALといえば最近問題になった件で平成18年実施のファイナンスの件において、香港の投資ファンドが空売り等で意図的にフェール交えをしたとして証券取引監視委員会が金融商品取引所法違反の相場操縦行為で摘発要請との報道を見かけた。

要は上板の指値で煽って後ろが付いて来たところでマルにして、途転で畳み掛ける攻勢をした上でフェールをやってのけ払い込みに充てる券面は公募の新株を使ってその鞘を取ったというもの。まああからさまにやるか否かというか、当局も酷いと思ったのだろうがこの手の話は前から折に触れよく聞く件である。

ヘッジファンドなどではこうした手法は通常にあり最近では三井住友FGのファイナンスにおいて、増資の日取りを見越して空売りを一部ロールさせながら売り続け、新株発行価格の決定と共にショートカバーから途転ロングへもってゆく等は類似パターンか。勿論新株が手に入ればそれで払い込むパターンであるが、なんでもJALの場合この空売りで当初の2,000億円調達が1,400億円になったというから穏やかではなかったのだろう。

しかし上記の三井住友以外にも、みずほFG等メガバンク始めとして有力企業が今年相次いで大型の増資を発表しているが、価格決定日に向けての空売り増加傾向は恒常化、大型増資などがあればそれを睨んだ需給要因が相場全体の値動きに繋がるというのもここ近年の特徴になっているだろうか。


互いの温度差

本日の日経平均は4営業日ぶりに反発となったが、先週末の日経紙一面を飾った三井住友と大和が合弁解消へという旨の報で週末急落となった大和も本日はCSの見直しリポート効果もあって5日ぶりの反発となっていた。

この件に関しては4月に当欄では三井住友FGが日興の事業を買収した際に、「〜この件での大和側の混乱は想像に難くないが、今後銀行側がどう調整してゆくのかその手腕が非常に注目されるところ。」とコメントしておいたがなんのことはない、やはり当時から早々に言われていた解消の方向で終ったかという感じ。

一頃は三菱と付き合っていた日興はその後も付き合う相手を変え、シティという相手と別れた段階で証券業務拡大が悲願であった三井住友FGにとってはどうしても付き合いたい相手であったのは事実。今後は品受け?した手前、傘下証券と共に独自の戦略を再構築してゆく事になるがやはり互いに業界の風土に合わなかったか。

これで早くも格付け低下懸念からのトレーディング業務等のカウンターパーティー・リスクの上昇が云われたり、クレジット市場ではCDSにワイドな気配が観測されたりしているが、個々の正念場という問題もさることながら業界再編の流れが後退というか一旦振り出しに戻り他社の動向もまたこれで気になってくるところか。


9/7より板寄せ銘柄ハナ枚数表示を開始

ドットコモディティは、9月7日より板寄せ銘柄における立会中のハナ枚数(注文枚数)表示を取引ツール「フォーミュラ」ならびに情報分析ツール「フューチャーズアナリスト パーフェクトバージョン」で配信開始。

尚、10月より同社では板寄せ銘柄立会中の発注が可能に。

▼板寄せ銘柄における立会中のハナ枚数(注文枚数)表示の開始について


続きを読む

下半期の百貨店模様

さて、今週始めには三越のワールドウォッチフェアも終ったが、はたして如何ほど売れたのであろうか?高価格帯の海外ブランドや衣料品への依存度が高い百貨店では不振極めるそれらの苦境を映し、先に日本百貨店協会が発表した09年上半期の全国百貨店売上高は、前年同期比11%減と過去最悪の落ち込みになったと報じられている。

しかし最近思うのは、特定の物がセールになる時は何時も恒例で時期がそれぞれに決まっていたものだが、近年この図式が崩れ各所前倒しで実施されているところが非常に多いという事。斯様に消費不振な百貨店では上記の件含めやたらとフェアの類も目に付くなど集客に躍起となっている姿勢が感じられる。

新興国へも活路を見出す業界では、三越伊勢丹が経済成長が続き高額品市場が伸びている中国市場での展開を積極化するべく上海や天津で大型店出店を計画、また高島屋も上海出展計画があるがここは重要文化財指定を受けた東京店での東京店建物ツアーなども最近開催している。

そうそう、この高島屋といえば新宿店ではテナントの顔ぶれも先月末で交代する動きもまたありで、ベスト電器が8月で閉店、替りにユニクロが最大級になるとも噂される店を出店させる予定だが、この辺如何にも戦略変遷が読み取れる事例とも言えるものの原点回帰はもうないのか否か今後の動向が注目される。


意図的か偶発的か

鯨幕相場も14日目に入った本日の株式市場は急反落、そんな中で本日の日経紙一面で取り上げられていた日本風力開発がザラバ切り返しで大幅続伸とマザーズ市場で気を吐いていた。ところでこのマザーズであるが、先月末に東証は同市場における上場廃止基準項目追加などを盛り込んだ改革案を公表している。

上場3年を経過するまでに株価が公開価格から9割下落し9ヶ月以内に回復しない場合に上場廃止等だが、これ以外にも東証は上場企業が実施する第三者割当増資に関する八項目の新しいルールを設けて施行の運びになっている。

一ヶ月ほど前に当欄で「機動的な資金調達もいいが喰い散らかしが出来るヌケ穴もまた多し」と書いた件に重い腰を上げるような格好になったものの、これでもまだヌケ穴といえる部分は健在?有利発行なんぞはその発行価額の妥当性をどう判断するか、監査役等に意見を求めるとしているがその算定基準というか匙加減で如何様にもなり、意味があるものか否か疑問視されるのは自然なところだろう。

結果東証側としては、個々に上場企業の自覚を持ち株主権利尊重の経営姿勢を貫くのか自発的判断に任されるなどとこうした文言にルールの限界が見え隠れもしている。しかしこの問題も意図的かそうでないか、本当になるべくしてなったのか客観的に見える部分で外部と当事者が論議するのはその本当の部分が明るみに出てこない限りは永遠に平行線だろうか。


「変」と「偽」

今日で8月も終り。しかし今月といえば衆院選関係と並びいまだ紙面を賑わしている芸能人、何か計画したように彼らの逮捕記事が紙面を飾っていたのが目立った。いつだったかの夕刊なんぞは芸能関係3人が仲良く?並んで記事にされており、それぞれが麻薬・覚せい剤・大麻とそのまあ品揃えも豊富だなと。

しかし、昨年平成20年の漢字が「変」であったが、なにかこう今年もこれがいろいろと当て嵌まるような気もする。さわやか系だが草食系だかが売りの俳優が公然わいせつ容疑とか、麻薬撲滅キャンペーンに参加していた女優がシャブ騒ぎとか、確かにいままでのイメージがいっぺんに変化であるが、もしかしたら完成されたイメージこそがフェイクであったのか。そういえばついでに一昨年、平成19年の漢字は「偽」だった。

まあ芸能だけにそれはそれで卓越した技を認めなければならないのかなと如何様にも考えられるが、しかしこういったものがやはり怖いのはその啓蒙?効果か。これは今迄も株式や最近ではFXなどを材料に何度か挙げてきた事例だが、こうしたものまでファッション感覚で手を出す輩が出て来るかもしれないというマズさがある。

実際、有名大学中心に彼方此方で逮捕者が続出している大麻は摘発が過去最多ペースとか、水際がどの程度効果あるかだが、売れる物はモノでも芸能人でも其れなりに引き合いも絶えずこれがまた浄化の障壁となっている部分もあるか。