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時価総額1兆ドル突破

さて、先週からビットコインの乱高下で市場が喧しく本日は仮想通貨関連銘柄のシンボルストック的なポジションにあるマネックスGやセレスなど直近でのビットコイン急反落を受け軒並み急反落となっていたが、一昨日の週明けはセレスがストップ高で年初来高値と同時に上場来高値を更新するなどこれらは一斉に急反発となっていた。

これらの背景になっていたのが周知の通りのビットコインの急騰で先週末にはその価格が初めて55,000ドル台を突破し史上最高値を更新、結局週間では11%強、月初からでは6割強の上昇となっており活況な市況を背景とした仮想通貨取引の売買が今後も膨らむとの見方からこれらの人気に連動する格好で関連銘柄が再度蒸し返された構図だ。

その時価総額も先週は予てよりこの大台がETF承認条件の一つともいわれてきた1兆ドルを遂に突破することとなったが、北米で初の承認を受けたパーパスインベストメントのETFの資産運用残高は上場後わずか2日で4億2180万ドルと目覚ましいスタートを切る事となり、続いて翌日には別の「EvolveETF」もはれて上場の運びとなった。

またこれに続いて同じくカナダの金融会社CIファイナンシャルも小会社を通じビットコインETFの予備申請を行ったほか、デジタル資産運用の3iQも予備申請を行っているが、JPモルガン・チェースはじめとして懐疑的な見方が燻り続け要人の一言で20%以上も変動する現状はたして新たな成熟の段階に入ったのか否か今後もこれらETFと併せその動向には注目しておきたいところ。


ペコちゃん社外取締役

さて、来月の決算に向けて各企業が発表する決算・人事情報が各紙で取り上げられているが、これに絡んで先週目に留まったのがペコちゃんで知られるところのあの不二家の取締役に女優の酒井美紀氏が就任するという件か。これまでの同社アンバサダーの経験を買われ来月の株主総会の承認を経て就任予定の運びという。

ところでこう言っては一寸失礼かもしれないが、この報で思い出したのがもっと有名?なところで昨年の6月にあのハリー・ポッターシリーズのハーマイオニー役をやっていた女優で近年はアクティビストで話題なエマ・ワトソンが、グッチやサンローランなどを傘下に展開するケリング社の取締役に就任した件か。

それは兎も角も近年こうした女性の社外取締役を巡ってはコーポレート・ガバナンス改革を背景に社外の優秀な女性人材を迎える動きが広がってきており、不二家のような東証一部上場企業に在任する女性取締役は昨年日経紙が報じたところによれば前年比で22%増加したという。

折しも直近では東京オリンピック組織委員会の森会長が女性蔑視の失言で炎上、多様性に反するとして辞任に追い込まれた経緯があるが、斯様に投資家や株主の圧力が高まるなか企業側も多様性の観点から彼らに説明がし辛いなかでこれらを重視せざるを得ない空気になってきている証左だろうが、一方では女性の社内取締役は微増にとどまっておりこの辺のハードルが変ってゆくのか否かも今後の注目点か。


成長か肥大か

昨日記の通り今週は週明けから日経平均が3万円の大台を超えてきたが、個別でもこの日経平均への寄与度が約10%と影響力の極めて高いファーストリテイリング株もまた10万円の大台を超えて上場来高値を更新していたのが目立ち、本日の日経紙企業面でも「ファストリ、時価総額10.8兆円」と題し同社の時価総額が10兆8,725億円となった旨の記事が出ていた。

ところでファストファッションの双璧といえば世界ではこのユニクロを展開するファーストリテイリングとZARAを展開するスペインのインディテックスだが、これまで長年のあいだ時価総額で後塵を拝していた同社もこれで初めてインディテックスを超えはれてアパレル業界で世界首位に躍り出たということになる。

最近はサステナブルを意識したモデルを構築しコロナ禍も追い風になったのか、はたまた今や大株主にまでなった日銀のETF買い効果なのか、何れにせよ今やこれを買うのに1単元でも1,000万円以上が必要となるワケで数年前のように手軽に手の出せる銘柄ではなくなってしまったが、今後も日銀政策と併せいろいろな意味で目が離せない指標的存在になっているのは間違いないだろうか。


コロナ後を買う?

昨日の余勢を駆って本日も日経平均は大幅続伸となっていたが、米休場の狭間を縫って昨日はとうとう1990年8月2日以来約30年6ヵ月ぶりに終値で30000円の大台を超えて来た。内容としては小売りや半導体関連に資金流入が目立ったが、このセクターでも寄与度が高いファーストリテイリングとファナックの2銘柄でこの日の上げの約3分の1を担ったという構図だ。

しかし今月に入ってからというものあれよあれよと3000円以上も上昇し嫌でも高値警戒感が感じられるものの、溢れた緩和マネーの変わらぬ受け皿として否応なしの状況となっており先の米市場のゲームストップ株ではないが実需というよりETF等も含め構造的にショートが累積していた構図がスクイ−ズを誘発した可能性も無きにしも非ずか。

ところで30年前というと何所も彼処もギラギラしていた懐かしい光景が今でも直ぐに思い出されるものだが、それは兎も角この当時の時価総額を見てみると首位はNTTでそれに続いてズラリと並んでいたのはまだ合併前の大手銀行勢だった。また世界ベースで見てもNTTは2位に君臨していたが、今や国内首位のトヨタ自動車でさえ30傑にも入らない凋落?ぶりとなっておりこの辺は他国との新陳代謝の違いをあらためてまざまざと感じさせられる。


実需への期待

さて、先週は米株式市場でダウ工業株30種平均が3週間ぶりに史上最高値を更新した裏で仮想通貨のビットコインもまた史上最高値を更新していたが、その切っ掛けとなった一つにあのテスラがビットコインを15億ドル購入した件がある。現金運用先多様化との事だが近く商品代金決済をビットコインで可能にする方針もあり、実に90兆円ともいわれるビットコインの経済規模を取り込むのがテスラの目的ではないかとの観測もある。

このテスラの報道に続いて米大手銀行バンク・オブ・ニューヨーク・メロンもビットコインを中心とする一部暗号資産を顧客が保有・送金・発行するのを支援する部門を新設すると発表しており、先駆したペイパルやスクエアなど関連株がこの一連の報道で再度物色され当のビットコインも実需への期待から先週末にかけ連日で史上最高値を更新していた。

ビットコインなどの仮想通貨に関しては予てより決済手段としての活用が広がるという実需の期待があるものの、今回の件でも明らかなように影響力の大きい企業や経営者の一声で10%以上の急騰を僅か数十分で演じるなど価格安定性には依然として疑問符が付き、直近では北朝鮮による交換業者等への攻撃で推計3億ドル以上が奪われた事件も明らかになっている。

悲願のETFもこれまで数社が申請を試みるも上記のような理由からことごとくSECに弾かれたり自ら申請を取り下げたりしているが、今後は果たしてこうした大手の後追いで日米大手なども追随してくるかどうか、またそれらによる一般への浸透で実需の成熟化が適うか否かも今後派生モノ含めキーとなって来ようか。


バレンタインデー2021

さて来たる日曜日は毎年恒例のバレンタインデーだが、今年は言わずもがな新型コロナウイルスの感染拡大の影響から本命組も手作りチョコや手渡し等も憚られる雰囲気のなか、義理チョコに至っては昨年に続いてテレワークの増加や今年の日並びも日曜日とあって2年連続で手渡し無しの憂き目に遭うチョコも多そうだ。

そんな今年も渡さないバレンタインの形態となるなか、こちらの商戦もおせち料理よろしくオンラインに活路を見出したものが目立つ。バレンタインに関する調査を実施している松屋銀座は今年初めてバレンタイン専用のオンラインストアを開設、高島屋のお試し粒買いはじめ他の大手もそれぞれ自分へのご褒美等へ独自色を出した提案で義理チョコ需要減少分をカバーしようと戦略を練っている。

ともあれ上記の通り義理チョコ需要の減少も響いて今年のバレンタインデーの市場規模は昨年から約20%減の約1050億円にとどまるとの予想も出ているなか、大手のゴディバは過日コロナ禍の影響で北米での全128店舗を3月末までに閉鎖または売却すると発表、それだけでカカオ相場が一時値下がりを演じた経緯があるが対照的に日本事業は好調な模様。ここ数年のサロン・デュ・ショコラの盛り上がりを思い出すに終息後の復活が期待されるところ。


2021年IPOスタート

さて、先週末には2021年最初のIPOとなる半導体レーザー、網膜走査型レーザーアイウェアを手掛けるQDレーザーが東証マザーズに上場となったが、その注目の初値は買い気配のまま前場を終える人気で後場に入って引け前になって漸く公開価格340円の2.34倍に相当する797円の初値を付けた。

本日も同社は寄り付きからいきなりストップ高とその騰勢は止まることなく破竹の勢いとなった今年の一発目であったが、昨年のIPOを振り返ってみると前半と後半で環境に明暗が分かれたものの、前年比8社増の102社となり07年以来13年ぶりの高水準となった。また日経紙によれば上場初値は公募・売り出し価格の平均2.3倍に達し、15年ぶりの高水準となった模様。

資金吸収額が比較的小粒な企業がマザーズの約7割を占めたという構図もこうしたロケットスタートに一役買ったともいえるが、今年のIPOはといえば概ね前年並みかそれ以上の上場件数が見込めそうなものの昨年延期となったキオクシア等も見込まれる事で小粒一辺倒という感じではなさそう。公開価格と市場価格の大幅乖離は投資家のニンマリ顔と対照的に公開企業側に取っては問題も残るものだが、上記の部分でこれが多少緩和される事になるかどうかこの辺も見ておきたい。


HOTEL Living

さて、今週気になったニュースといえば帝国ホテルが「ホテルに住む」をコンセプトとしたサービスアパートメントの新事業をスタートさせるという報か。既に予約の受付が始まっており客室全体の約一割をこれに充てて一部屋ひと月30泊で月額36万円からというが、130年の歴史を誇る同ホテルでは初めてのサービスという。

この辺の背景にはやはり新型コロナウイルスの感染者数急増による宿泊者数低迷などが想像に難くないが、先にホテル専門の調査会社英STRが発表した2020年12月の国内ホテル平均稼働率はといえば前月から12.1ポイント下落の43%となり、20年通年での稼働率は39.6%と同調査開始以降で最低を記録している。

ところで「ホテル御三家」では他にホテルニューオータニも昨年の夏にワーケーションプランとして30日連泊プランを39万円から販売した経緯があるが、こちらはラウンジで約1500円相当のドリンクが無料のほかパーキングにプールやサウナまで無料のうえ専属アテンダントまで付くのを考慮すれば1日あたり1万円を切りビジネスホテル並みの料金でインペリアルに「住める」という事になる。

単に客室をディスカウントしてセールするのではなく形態を変え新事業として売るあたりにブランディングの上手さを感じるが、一方ではSakuraブッフェで有名だったホテルグランドパレスのように東京オリンピックを前に7月で営業休止を表明したところもある。其々の決断だがともあれ先ずはこの老舗ホテルの新たな挑戦に追随してくる向きがあるのか否かこの辺も注目しておきたい。


蒸し返しの銀

一昨日はロビンフッダーパワーと題し投稿型オンライン掲示板レディットを介した投機的動きが代表的銘柄のゲームストップ始め銀や仮想通貨へまで飛び火した旨を書いたが、昨日の日経紙マーケット面でも「NY銀8年ぶり高値」としてこのレディットの書き込みを切っ掛けにNY銀先物が時間外取引で一時1トロイオンス30ドル台と2013年2月来、8年ぶりの高水準となった旨が出ていた。

ゲームストップなど株式がヘッジファンドと対峙する格好で空売り勢を締め上げろとの掛け声で煽ったなら、こちらのコモディティーも銀市場は銀行に操作されているとかインフレ調整後の銀価格は1000ドルであるべき等々こちらの方は更に荒唐無稽な内容となっておりこれはもうほとんど陰謀論の世界か。

ところでゲームストップ株から銀へ飛び火といはいうものの、寧ろこの銀の方が先で既に昨年の9月に彼らロビンフッダーの買いで急騰した経緯があり当欄でもこれを取り上げている。しかしゲームストップ株との貸借倍率の相違などこの辺の勝手の違いをどう見るか、ちなみにこちらはCFTCが目を光らせているがさて今後彼らを動かす事になるのかどうかこちらも目が離せない。


124年ぶりの2日節分

さて最近では関東でも彼方此方で恵方巻のCMが喧しくなって来たが、本日は恒例の節分である。恒例とはいえ今年は4日という固定観念がある立春が3日になるという事でその前日にあたる本日が節分になるワケで1897年以来、124年ぶりに通常より1日早い本日2日というのが話題になっている。

もう何十年も立春は4日だっただけに成る程話題にもなろうがそれは兎も角も節分はもともと災厄消除を願うもので「コロナは外!」と今にはピッタリの行事とはいうものの、やはり蜜を避けるために初詣よろしく各地の寺社は境内での豆撒きの催しなどを相次いで中止もしくは大幅に縮小しているのが目立つ。

ところで昨年の当欄では豆撒きで追い立てられる鬼を擁護するようなコラムが増えたり、児童書「おにたのぼうし」など鬼が別な視点から描かれるなど新しい潮流を書いたが、昨年大ヒットし記録を数々の塗り替えた「鬼滅の刃」も元々は鬼も人間で一人ひとり実はバックグランドがあったというような含みを持たせ、一昔前の単純な勧善懲悪の構図とは異なる筋書など現代で流行るモノの流れが変わりつつあるのを感じる。


ロビンフッダーパワー

先週はVIXが高水準に跳ね上がり米株式は乱高下の憂き目に遭っていたが周知の通りこれはレディット等のSNSで連携した個人が、集団で空売り残高を積み上げたヘッジファンド等の踏みを狙い特定銘柄に買いを仕掛けるような過度な投機的な一連の動きを受け金融システム安定リスクの上昇が警戒されてのもの。

代表銘柄のゲームストップ株の株価は年初の17ドルからひと月で347ドルまで約20倍に跳ね上がるなどあまりの過熱ぶりに、これを介する米証券ロビンフット・マーケッツによる一時取引制限を個人投資家らの反発で緩和した際には一日で株価が倍増し、更には銀や仮想通貨へまで飛び火するなど依然として鉄火場だ。この過程で実際に幾つかのヘッジファンドは巨額損失を計上しロビンフッドも金融機関からの借り入れ措置を取っている。

そういえば日本でも所謂掲示板を使って確か今から6年前だったか、かつて大物仕手筋の関係者が新日本理化やルック等を最大で株価5倍化まで煽り約60億円もの売却益を抜いた事件が風説の流布にあたるとして、証券取引等監視委員会が後に金商法の疑いで強制捜査した件が話題になった事があったのを思い出す。

また上記のヘッジファンドの巨額損失を見るにもう一つ思い出すのは、やや飛躍するかもだが1998年に起こった大手ヘッジファンドLTCMの実質破綻か。今回のようなレディットやロビンフッドといったプラットフォームが個人投資家間の強力な情報交換と取引の手段として普及する一方で、LTCMが巻き起こした金融危機のようなシステムリスクの芽もその副産物として出て来てしまっている点は否めないところ。


残高増と出口論

さて、FOMCでは大規模の金融緩和据え置きを決定し当面緩和策を解消する意向が無いことが再確認されたが、国内では先週の日銀金融政策決定会合後の記者会見で総裁が日銀内で金利操作やETFの運営方法も見直す案が浮上していることから、これに関しては従前の購入枠にとらわれず、必要な時だけ買い入れる形に改める見通しとしている。

日銀といえば新型コロナウイルス対応による資金供給でその資産は昨年末時点で1年前に比べて129兆円増加の702兆円となり、金融市場の安定を掲げたETFは20年の買い入れ額が約7兆円と過去最高となり25%増となっている旨が報じられていたが、昨日の参院予算委員会ではETFによる含み益が12〜13兆円とする試算を明らかにし現時点で全体の枠組みを、そしてその中のETF買い入れを止めるという考えはない旨を同総裁が語っていた。

とはいえ度々触れているように自ずと出口戦略の議論も喧しくなってくるが、当欄で昨年11月にも触れたようにバブル時代に証券会社で大流行?した所謂飛ばしのようなスキームや売却制限を付けた個人への譲渡案等も健在で、各経済シンクタンクの専門家も日銀の財務リスクを回避するべくバランスシートから外す必要があるとして買取機構の創設やNISAやイデコ等の運用先指定で個人へ売却、また分割して企業に自社株として購入してもらう様々な案が出ている。

この前の会見で同総裁はETFの売却を巡る議論について売却は出口の議論の一つなので全く時期尚早だと思うしそういうことは現在考えていないと話していたが、曲がりなりにもETF残高は簿価ベースで35兆円まで膨らんでおり、2%のインフレ目標は未達成ながら更に大きく残高を積み上げる状況ではなくなってきているのは事実で引き続き出口戦略について今後も様々な議論は続くだろうか。