73ページ目

コロナ相場?

さて、先週末まで米市場では連日にわたり主要三指数が揃って史上最高値を更新していたが、個別でも年末にS&P500種に新規採用されたテスラが火柱高となり年末年始を挟んで実に上場来初めての11連騰を達成、その時価総額もS&P500採用前は円換算で約56兆円であった同社は年明け8日にははや86兆円を超えてきている。

もう一つ、このテスラ並みの値上がりを演じていたモノに暗号資産のビットコインがあるが、こちらも2万ドルの大台突破からわずか2週間ほどで3万ドルの大台を突破し更に先週はあれよあれよという間に軽く?4万ドルの大台を超えてきている。また直近の珍事?ではピンクシート市場の米シグナル・アドバンスがテスラCEOの放ったツイート文の勘違いから10000%を超える値上がりを演じるなどバブル以外の言葉が見当たらなくなってくる。

冒頭の通り年末年始の11日連騰の間だけでも時価総額が日本の時価総額がトップのトヨタ自動車分ほど増加したテスラもバブルと見るか否か、週明けはテスラが12営業日ぶりに反落しこのビットコインも12日未明には高値から一気に25%安と急落、いずれにせよ過剰流動性が齎す相場は終わってみないとバブルだったかそうでなかった解らぬものだがよく言われるところの音楽が鳴り続く限り踊りは止められないというのを地で行く感じか。


10大リスク2021

さて、先週取り上げた日経紙恒例の「経営者が占う」シリーズと共に年明けは地政学リスク調査会社ユーラシア・グループの10大リスクも発表されているが、今年の10大リスクとして挙げられた首位には「時期米大統領」が選ばれ、2位にはやはり新型コロナウイルスが入りここ数年その動向が注目されているトルコが昨年の10位から7位へと順位を上げていた。

同社は昨年も首位に「誰が米国を統治するのか」を挙げて米大統領選の不確実性を巡るリスクを指摘していたが、上記の通り今年も米国内政治を最大のリスクとしている。既に先週の連邦議会議事堂への乱入事件を受け民主党のトランプ大統領弾劾訴追案下院提出で政局混乱が懸念されるところだが、確かに先の大統領選では曲がりなりにもトランプ氏が実に半数の7000万票超を獲得したという事実は大きい。

これだけ分断が深刻化している米社会を一つに纏めるのは至難の技ともいえ、この影響が国境を越えて広がってゆくのかどうかこの辺は外交政策等にも少なからず影響を及ぼしそうだが、長引く新型コロナの影響もワクチン外交など絡めて4位に挙げた米中緊張の拡大に掛かって来るしコロナ禍で経済危機に直面する7位に挙げたトルコや10位に挙げた中南米もまた然り、米中心に今年も目の離せない展開となろうか。


経営者が占った2020年

さて、年初の当欄では毎年日経紙で恒例の「経営者が占う」シリーズを取り上げているが、いつもの通り振り返ってみたい。日経平均の高値予想は平均で25450円であったが、年末の27196.40円とこれを大幅に上回る結果となった。また安値予想も21625円に対して16358.19円とこれまた予想を大幅に下回るものであったが、結局コロナ禍での未曾有の乱高下で3月の安値から年末高値まで11,000円を超す値幅は30年ぶりの大きさだったというからこれが当たる筈も無しというもの。

ただ個別の有望銘柄予想ではトップであったソニーが低金利環境の継続を受けた大型グロース株物色の流れに乗り約20年ぶりの高値水準まで上昇とヒットを放った他、2位のトヨタ自動車、それに次ぐ3位だった信越化学工業などもこの1年で5割以上の上昇を演じて上場来高値を更新しこのソニーと共に時価総額を大きく伸ばす結果となった。

他に三越伊勢丹の社長やセコムの社長が取り上げていた8位のNTTドコモはTOB銘柄となるなどこちらも面白かったが、味の素の社長が一推ししていたエムスリーも年間上昇率は上記銘柄を遙かに凌ぐ300%とダントツのパフォーマンスを演じた事で昨年ベスト10にも入っていなかった同銘柄が今年の有望銘柄予想5位にランキングされている。他に有望銘柄予想は上位3位まで昨年と同一とまたもこの辺は手堅く置きに行ったという感じ。

ところで今日は東京で新型コロナウイルスの感染者数が昨日を一気に800人も上回り2400人超と2日連続で過去最多を更新するなか、日経平均は1990年8月以来およそ30年5か月ぶりの高値を更新と何とも不気味な構図。今年の高値予想は3万円台の大台も出てきたがそんな期待通りに牛年で「ブル」な展開になるのか、はたまた相場格言の如く「丑つまずく」になってしまうのか注目してゆきたい。


百貨店初売り

さて、一昨日には大手百貨店5社の昨年12月の既存店売上速報が発表されているが、前年同期比で約1割から2割と軒並み減少となった。百貨店といえば各社とも初売りも始まっているが、新型コロナウイルスの感染対策のため来店客分散に取り組んだ事などが影響しやはり前年同期比で各社約4割から5割の減収となっている模様。

二度目の緊急事態宣言が間もなく発令されようとしているなか、今年は開店時の来店客も例年の十分の一以下となるところもあるなど例年のような混雑は無かった様子が伝えられている。こうした事を想定しネット販売へのシフトも進んでいる模様で、上記の来店客分散といえば年内販売に踏み切った福袋など最たるものだが伊勢丹など9割がネットに切り替えている。

その中身も昨年まではバブル世代やコト消費を意識したモノが多く見受けられたが、今年は一転して巣ごもり消費を意識したモノが多数見受けられた。しかし福袋争奪戦といえばこれまで日本の正月の風物詩でもあったが新様式で斯様な光景は姿を消す事となり、新常態の商機を探る動きが各社共に今後鮮明になって来るか。


鮪も自粛モード

本日は新年恒例のマグロの初セリが豊洲で行われたが、一般客の見学が禁止されるなか一番マグロは208キロモノがキロ当たり10万円の2084万円でセリ落とされた。昨日は山口県下関市でも新年のトラフグの初セリが行われコロナ禍での飲食店需要低迷からキロ当たり昨年比で5000円安と安値傾向となっていたが、こちらのマグロも昨年の1億9320万円から暴落ともいえる落札値となった。

競り落としたのは史上最高の3億3600万円の落札値が付いた一昨年にすしざんまいを展開するあの「喜代村」と最後まで競り合った仲卸の「やま幸」であったが、その背景には喜代村が今年は新型コロナウイルスにより飲食業界が打撃を受けている現状から一番マグロの落札を差し控えたという事があり久し振りに本来のご祝儀相場を見た感がある。

やま幸のマグロといえばその行先は銀座の「おのでら」だが、早速この日からランチのコースで提供された模様。しかしこの手の店は別物としてもここ数カ月は上記の通り飲食需要の急減から所謂高級魚が驚くほど安くなっている感があるが、斯様に新型コロナウイルスが初セリを本来のご祝儀相場へと回帰させ高級魚も万人の食指が動く価格にさせたのを見るに複雑な思いである。


丑つまずく?

皆様、あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

さて、昨年は中東の地政学リスクの高さが際立った年初めになったのも束の間、以降新型コロナウイルスに振り回された一年となった。マーケットの方はダウ工業株30種平均が3月の暴落時には史上初めて8営業日連続で前日比1000ドル超えの乱高下を繰り返した末に、年末には史上最高値を更新と未曾有の景気後退下の株高を演じた。

本邦市場もまた然りで、日経平均は年末にはバブル期のピーク以来31年ぶりの高水準となり、こちらもまた3月の暴落時から年末高値まで11,000円を超す値幅は30年ぶりの大きさを演じている。相場格言で昨年は「子の繁盛」であったがコロナ禍にもかかわらずまさに格言通りの展開になったとも言えようか。

ところで今年の干支は丑、史上最高値を更新している米国では牛はブルの象徴となっているが、相場格言では「丑つまずく」でその年間騰落率は戦後では平均でマイナス6.3%と最下位となっており、アノマリーでは年央に天井をつけて後半に下落する傾向があるという。本日の大発会は下落スタートとなったが、引き続きコロナ下で過剰流動性相場が今年も継続され相場格言が破られる事になるのか否か興味深い。


2020年度「商品先物ネット取引データ調査・分析結果」を公開

10月末時点で商品先物ネット取引サービスを提供する11社に対し、11月27日〜12月10日の期間で実施した「商品先物ネット取引データアンケート」を集計・分析した結果を本日12月28日に公開しました。総口座数・実働口座数・預り証拠金・月間売買高など各項目別に結果を公開しランキング表示を行っております。

▼商品先物ネット取引各社データ集計結果(2020年10月度)



【調査結果サマリー】
★預り規模はホールセール込で推計約424億円
★総口座数は推計21951口座、実働は推計4748口座
★売買高はホールセール込で67万枚、一般対象で40万枚


【調査分析結果全体数値】
 1. 総口座数         21951口座
 2. 実働口座数A        4748口座
 3. 実働口座数B        4432口座
 4. 預り証拠金A(個人)    261億円
 5. 預り証拠金B(ホール込)  424億円
 5. 月間売買高A(個人)    40万枚
 5. 月間売買高B(ホール込)  66万枚
 6. 口座稼働率        21.6%
 7. 1口座あたり預り証拠金[A] 118.9万円
 8. 1口座あたり月間売買高[A] 84.9枚
 9.1担当者あたり預り[A]    3億3471万円


【掲載項目】
[総合]
2020年10月度ネット取引各社取引データ一覧、関連データ業界全体比較
[各種ランク]
総口座数、実働口座数、預り高、売買高、注文件数、口座増加数、口座稼働率、枚数/オーダー、1口座あたり預り・売買高、1担当者あたり預り・売買高


アンケートにご返答頂いた企業・担当者の皆様、お忙しい中ご対応頂き誠に有難う御座いました!


コロナ禍2020

さて、日本漢字能力検定協会が今年の世相を1字で表す「今年の漢字」が先週に「蜜」と決定したが、先の「2020年ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞の「3蜜」と合せまさにコロナに始まりコロナに終わった一年となった。そんなわけでこの年末年始も例年とは全く違った光景が広がる。

この時期の風物詩であるクリスマス前後のイルミネーションも今年はメジャーなところで表参道のけやきのライトアップが中止となり、丸の内のイルミネーションも従来深夜0時まで灯す予定を人が集まらないように午後10時で終了、既に要請している飲食店の時短と併せて相乗効果をあげる狙いがあるというが、文字通り今年はサイレントナイトである。

また福袋商戦も年内からスタートなら、各神社とも分散参拝を呼び掛ける初詣まで一部は年内からスタート。感染リスクを考慮し鈴緒は撤去され祈祷も外というところが多く、一部はネット上でオンライン初詣を開設するなどこんなところにもオンライン化の波が。メジャーなところで明治神宮も終夜参拝を中止し通常通り午後4時に閉門を予定しているが、終夜参拝の取り止めは1946年1月以来の事という。

併せて鉄道各社も例年であれば終夜運転が実施されるが先に終夜運転を行わない事を決定している東武・東急・西武等に続き、JR東日本・東京メトロ・都営地下鉄等大手私鉄各社が相次いで取り止めの動きに。明治神宮の終夜参拝取り止めが1946年以来の事なら、JR東日本もこの大晦日の終夜運転取り止めは1987年以来、初めての事という。

直近では漸くワクチンの接種が始まった。来年の事は解らぬがコロナ禍が収束に向かう暁には何が従前の姿に戻りまた何が戻らないのか、そんな事を考えつつ今年はこれで筆を置きたい。

本年もご愛読ありがとうございました。 どうか、来年が皆様にとってよい年でありますように。


待降節 

先の日曜日の日経紙・TheSTYLEの一頁目の真ん中には「アドベントカレンダー」の写真が大きく載っていたが、明日のクリスマスイヴまで毎日一つずつ開けて中に入っているお菓子やおもちゃなどでカウントダウンを少しずつ楽しめるこのカレンダーも漸く日本でも認知度が上がってきた感がある。

今年はこの商品としては高額のモノも散見され、86,400円のメゾンカカオや、一部百貨店で海外の陶磁器ブランド売り上げが前年比50%アップしているのも背景になっているのか71,500円のウエッジウッドのホリデイアドベントカレンダー等もあったが、大手百貨店のオンラインストアではピエールエルメやラ・メゾン・ドュ・ショコラ等の1〜2万円程度のモノは早い段階での完売が目立った。

この手の物ではこのクリスマスの時期日々の味の変化を楽しみながら毎日少しずつ頂くシュトーレンやパネトーネなども今年は扱う店が拡大しそれぞれ独自色を出しているが、これらも含め巣ごもり消費が定着するなか御節よろしく自分用や家庭用として少し高めな商品に財布を緩める動きがしばらく続くとみられるか。


潮流察知

本日の日経紙マーケット面・市場点描には「銅と金、正常化足踏み移す?」と題し、銅価格を金価格で割った銅金レシオが11月から上昇が加速し昨年6月以来の水準を回復したあと伸び悩み商状となっているなど景況感の改善を示唆する指標の動向に市場の関心が集まっている旨が出ていた。

銅といえば新型コロナウイルスの感染拡大をいち早く収束させた中国の堅調な需要などを背景として足元では国際指標であるLME3ヵ月先物は7年10ヵ月ぶりの高値を付けているが、こうした需給に目を付けたファンド勢の投機資金の流入もあってコロナ第一波の頃の3月の安値からその上昇率は実に8割にも達している。

ところで先月末に茨城の下妻市で砂沼サンビーチに埋没してある高圧ケーブル約1000メートル分が盗難被害に遭ったという事件が報じられていたが、この手は銅線の転売狙いで間違いの無いところだろう。これまでも非鉄相場が温まって来るとそれとリンクしてこの手の盗難事件が報じられる事が増える傾向にあったが、斯様に潮流を察知するのは何もファンド勢に限った事ではないという事の証左か。


商品先物ネット取引取扱い11社最新ランキングを更新

11月27日(金)から12月10日(木)の期間で実施した「商品先物ネット取引データ&サービス内容アンケート調査」の結果を元に、各社のネット取引最新サービス内容を更新、ポイント評価基準に従い全11社のレーティング&ランキングを更新しました。

▼商品先物ネット取引総合レーティング・ランキング(12/22現在)



尚、これまで通り各社のサービス内容・レーティングについては随時更新を行い、同時にランキングにも反映していきます。

ぜひ各社の最新サービス内容をチェックしてみてください。