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嘘のような真面目な話とか?

さて東京都では9日連続で1日の新型コロナウイルス新規感染者数が200人を超え全国でも1,300人超えと依然高水準な状況が続いているが、そんな中で昨日の大阪府知事の記者会見でポピドンヨードうがい薬の有効性を発表したのに端を発しまたぞろイソジンなどのうがい薬がドラッグストアで品薄になっている模様。

早速ネットでもこの手の製品に異常な高値が付いたり高額転売が横行、メルカリなどでは出品禁止との注意喚起が為されているが毎度この手の光景には辟易といった向きも多いだろう。またいち早く飛付いたのは株式市場もまた然りで、昨日は販売元の明治HDがザラバで2018年11月8日以降最大の日中上昇率を記録し年初来高値を更新する急騰を演じた。

本日もこの流れでヨウ素国内首位の伊勢化学工業が買い気配からの寄り後にストップ高まで買われる急騰を演じていたが、一方で明治HDの方は一転して急反落し往って来いまで売られる場面が見られるなど目まぐるしい。もっとも明治HDの傘下企業も新型コロナウイルスのワクチン開発に動いており、イソジンより寧ろ囃すなら今後のこちらの方に期待したいところ。


政策明暗

さて、米テスラの決算発表を機に先駆していた世界の同社関連銘柄が一服となったのと入れ替わりに、今度は中国企業のバイトダンス傘下の動画共有アプリTikTokを巡るトランプ米大統領の禁止案に端を発し本邦も自民党まで利用制限案に向けた法整備など伝わった事を背景にしてその関連銘柄が各々乱高下している。

昨晩はトランプ米大統領が条件付きながらマイクロソフトなど米企業による買収を容認した事で同社株は大幅高となりナスダックの史上最高値更新に貢献したが、上記の法整備案が伝わった際にはTikTok対応コンテンツ展開のトレンダーズが前日の約3倍の出来高を伴って下落し中国向けプロモーション支援のアライドアーキテクツが安値引けとなるなど影響力の大きさを物語る。

また一方ではTikTokの斯様な事態が追い風?となり、ココと競合するアプリ短編動画投稿Trillerへ投資するDLEが2度にわたりストップ高を演じるなど明暗が分かれた。しかし世界一?と言ってもよいユニコーン企業であるバイトダンス社も米中対立激化の波に呑まれてしまった格好だが、拡大するSNS関連市場含め今後も政策如何では各所での明暗がまた出て来ようか。


緊張感ある総会

さて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって決算集計が遅れた為に、例年の6月から7月へと延期していた東芝の株主総会が先月末に無事?開催された。注目された筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが、ガバナンス強化の為に株主提案していた取締役の追加受け入れは果たして否決される事となった。

これに先駆けエフィッシモ・キャピタル・マネジメントは取締役基準抵触を考慮し議決権10%以下にすべく保有株の一部売却を進めていた経緯があったが、子会社削減やキオクシアHDのIPO等の課題を睨みつつコロナ禍による株価変動でアクティビスト勢も各々悲喜こもごもといったところだったろうか。

斯様に先のスピード増資劇の際に決断の早いアクティビストらが集結した構図の同社もまだまだ総会の度に緊張感が高まるのは想像に難くない。またコロナ禍の影響で遅れていたといえばこんな株主総会だけでなく東証もまた先月に実施出来なかった第1部への上場・昇格基準統一を11月に実施と再開の動きを見せるが、1部へ復帰を目指す同社が先ずはこの機にそれが叶うか否かも注目されるか。


導線の変化

さて、今週は渋谷の宮下公園跡に複合商業施設の「RAYARD MIYASHITA PARK」が開業の運びとなったが、商業施設といえば先月も「ウィズ原宿」が開業したほかコロナ禍の影響で開業が予定日より延期となっていた「Otemaachi One」や「有明ガーデン」、「ウォーターズ竹芝」から「東京ミズマチ」などなど続々と開業の運びとなっている。

上記のウィズ原宿は施設内に原宿駅から竹下通りに抜けるウィズ原宿ストリートが設けられ新駅と明治神宮とも併せて今後は人の流れが大きく変わりゆく事も予想される。そうした点では東京ミズマチも浅草を結ぶ隅田川の歩道橋すみだリバーウォークも開業し川からも公園からもアプローチ出来る最短ルートとなるだけにココもまた導線の変化が。

また上記の原宿駅も新駅が出来たが時を同じくして「高輪ゲートウェイ駅」が開業、6月には「虎ノ門ヒルズ駅」も開業となり各棟が地下で直結となるなどこれらでまた人の流れが変わる。上記の各々個性を持たせた商業施設も然りだが、各エリアの開発も「永遠に完成しない」東京ディズニーリゾートの如くまだ続くのは想像に難くないか。


ESG強化

さて、昨日の日経紙大機小機は「ESG経営 社員に向き合え」、また同日夕刊の十字路では「ポストコロナのESG評価軸」等々のタイトルに見られる通り最近は一層このESGが取り上げられる機会が増えているが、その非財務的な価値を見出すところにおいて経営方針から投資まで非常に重要視されてきている。

とはいえ先に破綻した独DAX構成銘柄のワイヤカードは、ESGの評価機関や格付け会社等で普通ランクや中間の評価をされていたのに見られる通り外形的評価が解り易いとされるGの部分一つ取ってもその見極めも難しいのは否めないところ。一方で同じく独DAX構成銘柄のソフトウェア大手SAPなど先月から温暖化対策事業に乗り出すなど粛々と動きは進行している。

2015年に採択されたパリ協定の温暖化目標を達成するため、EU欧州委員会は50年までに域内の二酸化炭素の純排出をゼロとするカーボンニュートラルに移行する方針を昨年打ち出すなどとりわけ欧州はこれを重要視する傾向が顕著となっている。これに絡んでは独の自動車セクターなど宿命的な立場だが、何れにせよ各社ニューノーマルの経営判断となってゆくのは想像に難くないか。


普段使いの乱高下

梅雨明けを望む声も虚しく活発な梅雨前線の居座りで今日も降ったり止んだりのダラダラとした空模様が続いたが、こんな日照不足の影響から巷ではジャガイモやキャベツなどが通常の価格から約2倍以上に跳ね上がるなどの他、タマネギやほうれん草等々所謂普段使いの野菜価格が軒並み上昇している模様だ。

つい数か月前には余剰感からフードロス対策云々で救済策が取り沙汰されていた様も一変といった感だが、緊急事態宣言の外出自粛によるお家ゴハン需要等も絡め今年は各種共に乱高下が著しい。しかし天候を睨んだ価格の不安定はここ数年特に取り沙汰されている事で一昔前に上場していた野菜先物ではないがヘッジの枝葉はどの程度あるのだろうか?

ところで廃棄の懸念から一転しての品薄感といえば今年は突然の休校や飲食店営業縮小を受けて過度な余剰感が出ていた牛乳もまた夏場の乳牛のコンディションによる生産量減少の素地に、夏休み期間の短縮が重なり需給バランスが今から懸念されることころでもあるというが、野菜と共に消費者も右往左往と翻弄されているコロナ禍の夏である。


総合取引所始動

本日JPX(日本取引所グループ)は貴金属や農産品等の市場を東京商品取引所から大阪取引所に移管しこれで株価指数先物から商品先物まで一体的売買が可能な総合取引が本格的に始動した。市場も各社も起死回生の最後の切り札として期待するところだが、これで大証では新たな証券会社が商品先物を扱う見通しとしている通り規模拡大でその競争環境もまた変って来ることも予想される。

ところでそんな初日を飾る?ように金先物が大幅続伸となり中心限月としては最高値を更新、本日の時間外取引でも国際指標のニューヨーク金先物が2011年9月に付けた1トロイオンス1923ドルの史上最高値を約9年ぶりに上回り、現物の国際指標であるロンドンでも同じく11年に付けた史上最高値を更新してきている。

斯様な状況で国内でも金地金の方も小売り価格が消費税導入前の80年代以来約40年ぶりに最高値を更新して来たが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う各国の金融緩和拡大で米など実質金利が過去最低となったのを背景にドル安が進行、加えて直近ではEU首脳が難航していた7500億ユーロの復興基金で合意しユーロ高が進行した事もこれに拍車をかけている。

上記の通りの各国の金融緩和拡大から世界中で金利がほぼ消失している折、金利が付かないという金の弱点解消が囃されるのには十分な局面か。思えば新型コロナ第一波の時に全部安の如く一緒くたに売られた場面も絶好の拾い場であったが、上記ドル安以外に米中対立深刻化などの地政学リスクも燻り代替資産たる金への資金シフトはまだ暫く衰えそうにもないか。


総合取引所への移行について(TOCOM→OSE)

2019年10月に「東京商品取引所」が 「日本取引所グループ」に加わったことより、2020年7月27日より「日本取引所グループ」下の 「大阪取引所」へ、 東京商品取引所で上場されているエネルギー市場以外の商品(貴金属市場、ゴム市場、農産物市場)が移管されます。以下で各社のご案内を掲載していきます。


会社名掲載日内容
岡地5/08総合取引所への移行について
北辰物産5/22商品移管に伴う必要な手続き及び取引ルール等の変更点
フジF5/22大阪取引所(OSE)移管に伴う当社におけるルール等の変更について
楽天証券6/26総合取引所実現に向けた当社対応につきまして
日産証券7/06総合取引所移行7月27日(月)以降の主な変更点等

土用の丑2020

さて本日は土用の丑の日、土用の丑といえばウナギだがこれまで当欄でも度々取り上げた不漁で高騰していた様が今年は国内稚魚の漁獲が6年ぶりに過去最低を記録した昨年から約5倍に増加した上に、中国や台湾などの東アジア全域でもよく獲れている事を背景に末端価格もやや落ち着きを見せた事でその商戦が近年になく活況を呈している旨が彼方此方で報じられている。

確かに今年は各社共に立派なパンフが用意されいつになく早くから予約を募っていた感もするが、漁獲量漁の減少と共にウナギの卸値も毎年の如く高値を更新し蒲焼もウナギならぬ秋刀魚や穴子、はては茄子や蒲鉾を加工したものまで登場したり近年ではパンガシウスなどの珍魚?にまで転用が進んだものだったが再度ウナギのみ並ぶ昔の光景がスーパー等で戻って来たか。

ところでウナギの一服は斯様に一安心だが、一方でウナギの転用にまで使われた上記のサンマが昨年は漁獲量が過去最低を記録し豊洲では真鯛を上回る値が付くなど珍現象が見られたが、今年も先の初セリではこれまでの最高値を更新するなど凡そ慣れ親しい大衆魚のイメージから離れつつある。

国際自然保護連合より絶滅危惧種に指定されるほどのウナギはまあまあ諦め?がつくが、王道の秋の味覚サンマも昨今のこんな背景で乱高下が目立ってきたのは穏やかでない。そういえば秋の味覚といえばマツタケも今月にIUCN(国際自然保護連合)のレッドリスト最新版にて新たに絶滅危惧種として初めて記載される事になるなど日本人の味覚がまたも遠のく気配だ。


紳士淑女からギャルまで

さて、新型コロナウイルスの影響もあって体力が落ちていたアパレル勢など先のレナウン等に見られるように破綻の道を辿っているが、非上場ながら誰もが知る有名どころで今月は創業200年を超える老舗衣料店の米「ブルックス・ブラザーズ」も店舗の営業休止などが響いて経営破綻した報が舞い込んでいる。

もっとも上記のブルックス・ブラザーズは国内での事業は影響を受けず今年の9月には表参道に新店舗までオープンする予定となっているが、この辺は先にパリの店舗が破綻した仏「フォション」も同様でこちらもまた京都に世界で2件目となるフォションホテル京都を年内にもオープンさせる予定となっている。

ところでアパレルといえばもう一つ、冒頭のブルックス・ブラザーズのように世界的著名ブランドでは無いものの、国内ではある客層?には同じくらいの知名度を誇るブランド「CECIL McBEE」が秋までに全店舗閉鎖との報が先週末に舞い込んでいる。109中心に「アルバローザ」等と共に90年代に一世風靡したものだったがこれまた店舗休業の影響は大きかったか。

しかし、斯様に紳士淑女御用達からギャル御用達に至るまで新型コロナウイルスがトドメを刺すケースが多い。ビジネスモデルの構図が疲弊していた素地があったところとECを先行させて来た向きとの明暗が分かれているものの、アパレルに限らず慣れ親しんだブランドが次々と破綻の憂き目に遭うさまはコロナ禍を背景にしたパラダイムシフトも表しているか。


メッキが剥げた企業たち

さて、NYでは金先物が2011年以来約9年ぶりの高値を付けるなど高騰が続く金相場だが、金といえば中国最大級の金宝飾メーカーで米ナスダックに上場している金凰珠宝が資金調達の担保に入れていたという約83トンの純金が実は金メッキを施した銅であった事が先に発覚し物議を醸し出している。

こんな紛い物を預かった大手信託の中国民生信託はマズいことにこれを裏付けとして信託商品なる金融商品を発行し幅広い向きがこれを購入していた模様だがこの企業、元々は中国人民銀行が所有する金の製造工場というプレミアムがあったあたりに当局色で安心する中国特有のカラーを感じる。

中国人民銀行といえば先の原油暴落で預けていた保証金も一夜にして消え更にマイナス勘定となった原油宝なる金融商品が大問題となったのも思い出すが、ヘッジ等も含め一般からはなんとも見え辛い脆弱な構図が怖く投資家が損失を被ったケースでは同じナスダックの微貸網もまた然り。

これら以外でもポストスタバと謳われ同じくナスダックに上場するラッキンコーヒーもこのコロナ禍のなか不正会計問題が発覚し株価が暴落した経緯があるが、米中対立が鮮明化してきている最中での斯様な不祥事の発覚は資本市場での米中分断を後押しするに十分な効力を持っているといえようか。


TOB機運

本日は地下街を歩いている時に大戸屋を見掛けたが、同社といえば先の株主総会で大株主のコロワイド側から取締役の入れ替え含めた株主提案を受けていたところ8割以上の反対票を集めたファン?の支持等もあってこの株主提案は否決されたが、これに敗れたコロワイドは想定内の如く粛々と大戸屋に対してTOBを実施すると発表している。

予てよりコロワイドの社長は株主総会で失敗したらTOBも辞さないと発言していた通りで今回の間髪を入れずの行動はまさに有言実行、ファン株主とはいえ総会で勝利するよりプレミアムをたっぷり乗せた力ずくのTOBを公表してもらいとっとと市場で売却してもキャピタルゲインを得られ結果的にはラッキーといった向きも一部居ただろうか。

こんな光景を見るに約6割もの手元資金を放出するなどして前田建設に対しさんざん抵抗したのも虚しくTOBを成功されてしまった前田道路を思い出したが、このコロワイドものれんの問題など最近は買収後の勝算があるのかどうか一般から見れば疑問符が付く力ずくのケースが多い。とはいえコロナ禍を背景に斯様な親子上場含めた再編機運の高まりもあり水面下では粛々と他のTOB計画も進行しているか。