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ブランドカフェ彼是

さて、今月は中旬まで原宿でミスディオールなどブランドとコラボした期間限定のカフェが展開されていたが、ブランドカフェといえば同じくこの界隈では春先にティファニーが最上階にカフェを設けたコンセプトショップをオープンしたのも話題だ。これはNYに引き続き世界では2店舗目といい、今や惜しまれつつ閉店してしまった銀座のグッチカフェも世界でミラノと日本の2店舗しかなかったなと思い出す。

グッチカフェはそれこそコーヒー一杯からリゾットやカツレツなどしっかりした食事まで出来たが、こちらはブラウニーやクロワッサンなど軽食がメインでドーナツやクッキーなどティファニーブルーでコーティングされてあるものもあり、店内の至る所にあるフォトスポット同様にSNSを意識した作り込みに仕上がっている。

もう一つハイブランドのカフェといえばあのフランク・ミュラーもかつて羽田に出店していた時期があったなとこれまた思い出す。こちらも日本酒を合せた大吟醸ショコラやパウンドケーキなど手頃?なモノから20万円のけん玉まで売っていたが、これまた現在は閉店してしまっている。

しかし、こうしてみるとハイブランドのコンセプトショップというのは近年コト消費を軸にしたものが目立つ感がする。どこも体験を意識した作り込みの店舗でこれまでブランドにあまり関心を持たなかった層にも訴求する狙いが読み取れるが、今後も何所が一捻りしたコンセプトショップを出店するのかこの辺がまた楽しみである。


手段としてのESG

本日の日経紙オピニオンでは「ESG投資、普及の年に」と題し、今年米通信大手が10億ドル規模のグリーンボンド(環境債)を発行した際に発行額の8倍もの申し込みが殺到、調達コストも普通社債比で廉価になったのをはじめ大義ある活動以外の観点からも多くの注目すべき点がある旨を載っていた。

特集の頁でもGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)理事長が戦略修正促すESG投資として、同行政法人が統合的ESGインデックスはじめ計5月の指数を設定し投資総額も3兆円超えの旨を語っているが、この辺は上記のグリーンボンドが発行された頃の当欄でもGPIFが一昨年あたりからこうしたセクターに絞った物色も始めている旨を書いていた。

冒頭の文中では大義ある活動以外にリスク管理の手段ともあったが、スルガ銀行の問題などを省みるにこの辺は現実味を増している。今週は株主総会ピークだがことESGに関してはテーマにもなりつつある動きが出始めており、株主優待含め投資家側と企業側がより向き合えるものとして世論に迎合するESGの重要性は増している。


脱棲み分けの課題

さて今週は株主総会がピークを迎えるなか、昨日は東京商品取引所も株主総会を開催していたが本日の日経紙商品面には「TOB価格決定 予定より遅れも」と題し、JPXと統合を控えるなか総会では社長がTOB価格の決定時期が予定されている下旬から以降にずれ込む可能性を示唆した旨が載っていた。

これが可也ズレ込むようだと秋口のTOBスケジュールにも影響が出てきそうな感じもするが、東京商品取引所といえば取引低迷に加えてJPXとの統合に向けた減損処理の影響もあり、前期7億円の赤字から先の2019年3月期では発足以来最大となる23億円の最終赤字を計上、これで4期連続の最終赤字となっている。

構造から10年を超える月日を経る間に疲弊し世界標準との距離も広がった形になったが、構想実現に向けた動きになってなお縦割り行政の部分の課題がやはり大きいか。コーポレートガバナンスが声高に謳われるなか、上場企業の傘下に入る事で改めて統治の在り方が問われようか。


暗号通貨の在り方

さて、先週末には代表的な仮想通貨ビットコインの価格が心理的節目の1万ドル大台を2018年3月以来、約1年3か月ぶりに回復となったたが、週明けの本日も騰勢は衰えずに一時1万1,000ドル台に続伸し株式市場でも仮想通貨関連株が再度の蒸し返しも含め軒並み動意付いていた。

中東情勢を巡る地政学リスクを背景に仮想通貨は一部投資資金の退避先になっている部分もあるが、米フェイスブックが発行を予定する仮想通貨リブラへの期待もまた大きいようだ。この辺は同じ仮想通貨でも価値の裏付けが無く投機色が強い上記のビットコインと違い、約27億人の潜在ユーザーに加え価格が安定しているステーブルコインの色を持つ点がポイントか。

しかしその規模を勘案するに銀行の聖域を侵食しかねない部分もあるだけに牽制の声も出て来ようし、各国の法制度との整合性も確保出来るか否かも課題となってくるのは想像に難くないか。その辺は兎も角、何れにしても月末に開催されるG20首脳会議でも仮想通貨に関する規制面の在り方についても議論されるとの一部報道もあり、この難題が各国でどう対応されてゆくのか注目される。


インスパイアか模倣か

さて今週は所用で郵船ビルの前を通った際にイッセイミヤケの店舗があったが、そういえば先週末から一部で報道されていたバオバオのバッグデザインが別のバッグブランド・ハナアフのバッグデザインと酷似しているとし不正競争防止法違反等を理由にイッセイミヤケ側が製造・販売・輸入の差し止めを求める仮処分を東京地方裁判所に申請した件を思い出した。

イッセイミヤケといえば過去にも縦横無尽にプリーツを操った独特なデザインを他のアパレル企業にパクられたとして差し止め請求をして勝訴した経緯があったが、今回も東京地裁はハナアフ側に損害賠償支払いを命じるなどイッセイミヤケ側が勝訴したとの発表が昨日になされている。

イッセイミヤケ側はインスピレーションとしての一線を越えて看過出来るものではないとの言い分だが、ファッション業界においてこの手の酷似性については別に今に始まった事ではなく、例を挙げればクリスチャンルブタンとイヴサンローランの靴を巡る裁判から、近年では複数のファストファッションブランドによる有名ハイブランドのパクリも半ば恒常化しこちらも一部裁判で敗訴している。

酷似といえばファッションではないが、東京オリンピックエンブレムもベルギーの劇場ロゴのパクリだとして大問題になった挙げ句に白紙撤回となり、他のモノまで続々とネット民に炙り出された経緯も記憶に新しいところ。上記も含め模倣か否か真相は当人のみぞ知るといったところで、こうしたクリエイティブな業界はトレンド市場形成の重要性もあり立証困難なケースもあるが必要悪?な自由の線引きは何所までなのか今後も出てくるであろう判例も興味深く注目したい。


再配分考

本日の日経紙経済面には「自治体二重取りに賛否」と題し、ふるさと納税によって大幅増収となった人気の自治体にも寄附金が税収とされないために国が地方交付税交付金を手厚く配っており、同紙がこれを税収とみなし交付税がどれほど減るか試算したところ2018年度はその額が2300億円超に達した旨が出ていた。

この「二重取り」に関してはかねてより一部の識者からその構図のおかしさが指摘されていたものだが、寄付側もわずか2千円で年間の食材が賄えたり数百万円もするロマコンが貰えたりするワケだから「得する寄付」が定着し、企業誘致等より手っ取り早い財源確保策として競争が熾烈化したのは自然な流れだろう。

そんな事から寄付側も累進制にすべきとの意見も出てきそうだが、過熱した同制度の裏で当初はニッチだった仲介ビジネスも増殖しこちらへのコミッションの原資は国からの補填と歳出面の構図のおかしさも指摘される。今月からの新制度の次は再配分の歪さをふまえ財政問題と向き合うのが先ず課題となろうか。


忖度取締役

さて、総会シーズン突入で日経紙投資情報面でも「変わる総会」と題し連日各所に触れているが、先週末は15年から適用されたコーポレートガバナンス・コードで2人以上選任することを求められている社外取締役について、単に数ではなく多様性や適性など所謂「質」の重要性が問われる環境になりつつある旨が書かれていた。

昨今世間を騒がせている企業の不祥事でも取締役会には悪しき情報が伝達されていないという事例が多く見られたが、企業統治で社外取締役への情報提供の必要性が指摘されてきた中お飾りというべきか形骸化から第三者目線としての社外取締役の機能不全が明るみになった格好だろうか。

また適正という部分に関しては日経紙でもフィデリティ投信が政策保有先から迎える社外取締役には独立性が無いと規定したとしているように、従前の踏襲には一段と監視の眼が厳しく光るようになって来た。今後はその候補者の毛色も忖度が効く親戚?からアナリストなどへ変遷する動きが加速してくるか。


セーフヘブン復活

さて、先週末の日経紙マーケット面にはTOCOMのパラジウム先物相場が1か月半ぶりの高値を付けた旨が出ていたが、貴金属といえばその1週間前には「金急伸1350ドルの天井に迫る」と題し、貿易摩擦が実体経済に影を落とし米利下げ観測の背景が追い風となるなか、金も長期の上値を脱する可能性がにわかに高まっている旨が出ていた。

ETFでも顕著な変化が見られ金は再度セーフヘブンとしての役割を取り戻すべく月替りにかけて1,300ドルの大台を突破してきた事を背景に、金のETFでは最大のSPDRゴールド・シェアの金保有高は今月上旬に2.2%増加し2016年7月以来約3年で最大の伸びを記録したとブルームバーグでも報じている。

ところでWGCが纏めた2019年1〜3月期の世界金需要は前年同期比を7%上回った模様だが、これを牽引しているのが冒頭の末尾にも書いてあった18年以降最大の買い手となった各国中央銀行という。とりわけ米と火花を散らしている国の買いが顕著なのが成る程という感じだが引き続きこの辺は今後のディスクロに注目したいところ。


お土産模様

さて、今週アタマのTV東京系WBSでは「現役秘書約100人が選ぶ!喜ばれる手土産とは?」と題して、ぐるなびが運営する手土産の品評会「接待の手土産セレクション2020」の様子の特集があったが、全国から46の手土産が集まりそれらを各企業の秘書が吟味している様子が放映されていた。

ところで手土産といえばこの時期、株主総会に出席する株主へのお土産を廃止する企業が増えている模様。先週の日経紙には5月末までに開示した定時株主総会の招集通知では今年はNTTドコモや大和証券グループ本社などが取りやめるなど廃止企業は増加し全体の約4割になる見込みになっている旨が出ていた。

ふるさと納税も総務省お達しで返戻品が貧弱になった途端に寄付額が激減した自治体があったが、こちらもお土産を廃止した途端に出席者が前年比で6割近く減ったコマツや第一三共のなどの例が同紙に出ており、一昨年などは某商社の総会がお土産廃止で出席者が9割も減ったという現金な例もあった。

斯様に総会の土産といえばこれを楽しみにしている個人株主も多いが、株主間の不公平感の見直し機運から総会のお土産ヤメますが言われだしたのがかれこれ5年前くらいからだろうか? その後のダブルコードの始動で株主総会に臨む企業姿勢もより一層変化しつつあるがまさに世間の趨勢である。


MBO事情

本日の日経紙社説には「MBOにきちんとした規律を」と題し、上場企業の経営陣が株主から株を買い取って非公開化するMBO(マネジメント・バイアウト)が、日本においては買収価格が低く抑えられがちとの見方があるなかで実効性のあるルール作りが進みつつある旨が書かれていた。

MBOといえば最近では日本の企業ではないものの、あの幻に終わった米テスラモーターのMBO騒動が記憶に新しいところだが、同紙にもMBOが失敗に終った例として上記の通りそのMBO価格の低さを旧村上ファンド関係者らに指摘され幻に終わった中堅印刷会社の広済堂が出ていた。

これに限らず同じく旧村上ファンド系では同様に東栄リーファラインのMBOに対しても価格の低さを指摘していた経緯があり、同様の理由ではアサツーDKや日立国際電気も其々アクティビストから価格の低さを指摘されていた。経産省は特別委員会を設置し権限を持たせるなど実施指針の12年ぶり改定を目指すようだが、これでMBOもまた国際標準に近付くのかどうか引き続き注目しておきたい。


調整役不在

本日の日経紙一面には「日産・ルノー統合強制せず」と題し、フランスのルメール経済・財務相が同紙のインタビューで日産自動車と仏ルノーの経営統合に関して仏政府として強制する考えはないとの立場を強調した旨が書いてあったが、直近では来る定時株主総会の議案にルノー側が投票棄権の意向を伝えている。

カルロスゴーン被告逮捕の経緯からコーポレートガバナンスを意識しまさに改革に動こうというタイミングでなんともな誤算だが、実際に4割超の株を握る筆頭株主が棄権するとなれば特別議決成立の条件である三分の二以上の賛成というハードルのクリヤは事実上不可能となるだけに厄介だ。

この行方も大いに気になるところだが、日産といえばカルロスゴーン被告が役員報酬等について主導的な立場を取っていただけに今年の有価証券報告書もまた其々注目度は高そうだ。これらも含め何かこう年々外部からの目が一段と厳しさを増しているようにも見えるが、これまで巣くっていた一部商慣習も異常だったのもまた否めずこの辺の浄化は粛々と進行しようか。


廃プラ機運

さて先週末の日経紙社説では「企業は廃プラ削減で知恵を競え」と題し、廃プラスチックによる海洋汚染問題含めた諸問題の解決に向け企業が新たな対策を打ち出している旨があり、スタバや大手ファミレス等も今年から来年にかけプラスチック製ストロー全廃に向けた動きの旨が書いてあった。

このストローといえばちょうど先週末にブランチに招待されアンダーズ東京に行って来たのだが、タヴァングリルで噂?の紙製ストローなるものを初めて此処で体験した。イメージと違いふやける事も無く使い勝手も良かったが、思えば昨年秋以降ハイアットグループはプラスチック製ストロー全廃を表明していた経緯があり成る程アンダーズはハイアットだったなと。

来るG20サミットでも廃プラ問題は議題になるが、大題は歓迎としてここでも出ていたようにプラ製品回収の物流コスト等課題は多い。例えばこれ以外でもコンビニ等ではマイバッグ客への対応から売上、総量としての削減可能か否か?当欄でもこの問題に絡んでは昨年9月に取り上げていたが、企業と共に消費者もまたこの辺の理解は不可欠だろう。