またも幻か?
さて先週12日付け日経紙一面には「3.9兆円買収提案」と題し、香港取引所がLSE(ロンドン証券取引所)グループへ296億ポンドで全株式を取得し合併するという買収提案をした旨の記事があったが、早速というかすぐさま政治的リスクや買収スキームへの疑念を背景にLSE側は断る意向との報が出ていた。
斯様に今回は初動から雲行きが何とも怪しいが、LSEといえばこれまでザッと振り返ってみても米ナスダックのTOBが不発に終わり、その後の加TMXグループの対等合併も破談となり、後のドイツ証取との経営統合の一件は欧州員会の壁が立ちはだかり破談となった経緯があり難攻不落のイメージしかない。
一方香港取引所といえば2012年にLME(ロンドン金属取引所)を傘下に収めた実績が記憶に新しいが、昨今地盤沈下が進行しつつある同所を取り巻く環境を勘案すればここへきてハードルの高さを押してでも躍起になるのも合点が行く。とはいえアジアから欧州まで射程を広げ世界のマネーを取り込む悲願にはまだ幾多の壁が立ちはだかるだけにこの縁談実現は一筋縄ではいかぬか。