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実需と投資

さて週初にはNYMEXが5月より世界初のウラン先物の電子取引を上場させると発表していたが、5月といえばまたスイスのチューリヒ・カントナル・バンクが白金、パラジウム、そして銀のETFを発売する計画との報道があった。

白金のETF組成報道については昨年末にも出た事があったが、やはり火の無いところに煙は・・で折しも上場来高値を更新中の同商品には心理的にも下支えとなるか。

ただ前回も購入保証のベースや工業界への影響を考慮すればやや難があるのではないかとコメントした憶えがあるが、早速白金生産最大手である南アのアングロ・プラチナムは同ETFへの現物提供をしない方針と発表、準大手もこれに同意見としている。

斯様に個別にはまだまだ業者との壁は厚いが、依然世界的に裾野の広がりを見せるETFである。


日銀の苦悩

本日の時事にてムーディーズが、日本国債の格付けより5段階上の評価を財投機関債に付与した件の記事が目に付いた。

同社は財投機関債についてのデフォルトリスクのステージが相違し、国が必要なリクイディティーを提供する能力がある点を挙げているがこの辺は確かにプライオリティーの観点から疑問符の付くところだろう。

そもそもこの国債格付けも言ってはなんだが内の人間から見れば遥かに国力が違うとイメージするところと一緒では穏やかではなく、一寸前に役人が暴言を吐いて謝罪するといった笑うに笑えない話しが喧伝されたのを思い出す。

結局同記事ではビジネス優先が絡んで已む無しとの意見も出ていたが金融の世界、論理の整合性が取れないのは何処も日常茶飯事である。


ファイナンススキーム

13日の金曜日とやらではないが週末に大幅安した株式市場であったが、米国株高やG7を経て円キャリーに伴う世界的なリクイディティー確保で本日はショートカバーから3日ぶりに大幅反発。

まあ余程悪決算等のケチが付いていなければ全般しっかりであったのだがその中で値上り率トップは大洸H、件のアエリアが約3割のプレミアムでTOBを掛ける件が材料視された訳だが今後更に連携を深めるとの事。

確か二年ほど前であったか、流行のファイナンスを駆使する向きが業界にももう少しあってもよさそうな物とコメントした憶えがあるが、耳に入って来る範囲では内からの提案というよりは未だ未だ一歩先ゆく外からの主導型が多いのがなんとも歯痒い。


資源ナショナリズム

今週は週初にドーハにてGECF(ガス輸出国フォーラム)が開催されたが、ここで年初に一度触れその後否定的な発言が相次いだ「ガス版OPEC」に含みを持たせたような憶測が再度挙がっている。

この辺についてはインドネシア副大統領が先の日経紙に実現困難とコメントしているように、埋蔵量ベストスリーの各国でも意見が分かれており持ち掛けた主力国も前回と違ってトーンダウンしていたりと何故か歯切れが悪い。

当然我が国やEU等の依存国は同創設の動きを警戒しているわけだが、上記はこうした国際的懸念に配慮したポーズとも取れ、水面下ではやはり次期地球温暖化を踏まえて需要が高まる同商品の主導権を握りこれを?武器化?するる動きが表面化して来ても不思議ではないだろう。


外資の戦略

本日金融庁は保険商品の比較広告を促進する為、比較広告が許される条件を明確化し保険会社に対する監督指針を改正すると発表している。

ところで保険といえば過日、生保5社がそろって逓増定期の販売停止を決めているが、条件次第ではまことに都合のいい節税商品であっただけにやきもきしている向きも多いと思う。

上記広告が自粛されていたのは自社の優位性な部分だけ抜くと消費者に誤解を与える懸念があるという事だが、この逓増定期は優位性含め外資系の販売力のあまりの違いに国内系が捨て身の政治圧力に出たとの話も一部に出ている。

そう考えるといろいろと辻褄が合う部分が多いのだが、それはそれでまた新たなビジネスチャンスの提供も同時に創造してしまい、自身の首を絞める事にならねばよいがまあ一先ず見物としよう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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