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因果関係と効果

本日の株式市場はFOMCを控えて様子見気分が広がり方向性を欠いた展開となったが、先週末には金融庁が株式市場の混乱に対応した空売り規制に関する省令を公表、今回の省令は禁止措置の実効性を高める狙いとかだが、業界には依然として確認が難しく投資家離れに繋がると反発する声が多いとか。

まあそれはそうだろう、こんな規制があろうが無かろうが売買代金の低調は続き今迄通り急騰急落はするし、実施から一ヶ月以上経過するもこの空売り比率は横這いか下手すればそれ以上で推移している。

だいたい、諸外国より導入は遅く、米国の撤回や他の一部撤回が続く中をダラダラと確認作業に終始し個人情報云々等違う方向へと迂回しているような感もあるが、物理的に不可能な確認作業然りで東証の社長も「実際の株式売買方法をよく勉強してもらいたい」と言っているのもこれは解る気がする。

結局市場が変らなかったということはこうしたものが原因でもなく、また当然その効果も全く無かったということになり、となれば将来のリクイディティが削がれる等々の副作用しか残さなかったという事になろう。


通例の呪縛

既に先月から日本郵政グループが「年賀状を贈る事で温暖化防止に貢献」としてカーボンオフセット年賀の広告を大手紙に全面で出していたが、本日から2009年の年賀状の受付が全国の郵便局で一斉に始まった。

さて、この年賀状といえば先に大手金券店で来年の年賀葉書の店頭価格が出回りの早さから急落している旨の報道があったが、なにぶん金券屋への大量持込が過去にないペースとかで背景には販売ノルマ達成が厳しいとみた郵便局が早めの処分に動いているのではという見方が日経紙に出ていたが、売り切れ防止回避の為に売れ残り覚悟での大量発行が過去からの通例とか。

既に日本郵政グループは新年用に発売する年賀葉書の枚数を昨年実績を上回る強気の方針を発表しているが、ちなみに昨年実績では対前年比で倍の広告費を投入した上に無意味な追加発行をした挙句に売れ残りが約4億枚も出た経緯があるのは既報の通り。

このJPについては数度触れてきているが直近で9月に取り上げた際には末尾に、「官の時代からの悪しき名残の浄化はまだまだ必要か」とコメントしておいたが、これが元頭取の経営センスなのかはたまたいまだ官の呪縛があるのか?


特異構造

さて直近でも既報の通り、「もうはまだなり」の如く商品取引員への行政処分が続き、今回はまだまだ続報を示唆しているのかどうか恒例の協会要人や取引所要人、また主務省担当の処分に対する判で押したような遺憾ですコメントもいい加減見掛けなかった。

先に書いたように目の前ではリストラだなんだで他業界も夏から既に厳寒の様相だが、例えば不動産流動化ビジネスのように直近まで我が世の春を謳歌していた業界と違って、ここ数年慢性化?しているだけにこの辺もまた構造的な質の悪さを改めて感じ座してナントかという感がしないわけでもない。

そんな中を今週の日経紙商品欄には同紙が実施した商品先物調査の結果が載っていたが、いろいろ当局と現場での意識の違いが浮き彫りになってはいるものの結局のところ直面している問題として清算参加資格厳格化で撤退又は合併が一割強となっていたが、実際の数値というかデューデリの過程でうまくマッチしない等々物理的に見ればこれより当然多くなるのは明白か。

上記の件についてもその是非はともかく両者至極正論だろうが、日本の場合は他国に類を見ない特異構造であり、もともとの生い立ちが決定的に違うだけに考えれば考えるほど解決策が霞んで来る。


同一思想?

本日の日経紙経済面にはREIT向けにも新たな融資制度を設ける政府の不動産業界向けの緊急対策概要が載っていたが、これより先に年末を控え金融庁がREITの資金繰りを警戒して一斉調査を始めた旨の報道も最近あったばかり。

さて、REITといえば直近ではやはり東京証券取引所に上場していた「ニューシティー・レジデンス投資法人」がJ−REITとしては初めて破綻した事が記憶に新しく、国内もこうしたあおりで大和ハウス工業などは予定していたREIT上場を断念という事態も起こっているいるが、一方で10月には東京証券取引所にてREIT指数に連動する上場投資信託としては二本目となるETFが上場している。

まあ、ETFなら一発狙いの思惑が上記のニューシティーのように突然破綻するリスクも分散できようというものだが、分配金利回りの高さを背景に価格リスクを分配金収入で穴埋め云々という謳い文句は何処かFXのスワップ取りや、株価暴落で配当利回りが良くなってますから買い場ですよ的なものにどうしても重なって見えてしまう。


これはLAYOFF?

こうした世になると昨日触れた大型再編等いろいろな事が起こるもので、先週各紙既報の通りホンダがあのF1から撤退するとの報道には各方面から驚きの声が上がったが、自動車業界を襲う業績の悪化から年間500億円以上もの費用削減効果に何でもエコが重視される今の時代に逆行する投資も限界であったか。

ところでこのホンダは新たに国内4工場で来年1月末までに約490人の期間従業員を削減すると発表、トヨタやいすゞも然り、本日はソニーの8,000人削減やキャノンの1,000人削減の報道が為されるなど連日この手の記事が踊っている。

そんな折に先週末の朝日一面には日比谷の野外音楽堂で2千人の非正社員や労組関係者が抗議集会を起こした模様が出ていたが、期間内でさえこの容赦ない動き、製造業を中心とした派遣労働者の来年度の期限切れで期末までには麻生首相の雇用維持を求めた懇願も空しく3万人以上が職を無くすとも言われているが、これでは派遣会社の方も戦々恐々だろう。

不況下においてこうしたカットはお決まりのコースだが、過去の株暴落時に人員・設備・負債の三つの過剰を解消し体質は各段に改善していると今回の株安では割安感を推す声は非常に多いが、さてこんな事態になると今後の受け皿というか社会のセーフティーネットの整備は万全なのだろうか?

黒字破綻させられる向きも続出し見込み?税収の消滅が広がっている昨今、政府の役割というかその辺も大いに気になるところである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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