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歴史の売買

産経で見掛けたのだが近くニューヨークで競売に掛けられるというマハトマ・ガンジー氏の遺品を巡って、インド政府が他者の手に渡る事なく祖国に留まるように躍起になっている模様だ。

斯様にオークションで他の手に渡るのは我慢ならないというところで今一番話題になっているのが、周知の通り故イブ・サンローラン氏の遺品から競売に出された、1860年に円明園が英仏連合軍の略奪に遭った際に持ち出されたとされるブロンズ像である。

このクリスティーズで思い出すのが今からちょうど一年前くらいに当欄で触れた「運慶の大日如来坐像」出品騒動か、このクラスを扱う大手になると時にトンでもないものが突如として出てきたりするのでその経緯にいろいろ想像を馳せるのも面白いが、結局問題の銅像は3,140万ユーロで中国人が競り落とす結果になった。

さてこの落札で競り落とした中国人だが「取り戻しましたよ、はいどうぞ」と無償で国に返還でもしたらそれこそカッコ良すぎたのだったが、やはり?というかこの期に及んでカネは払わんと言っているらしい。間に入ったクリスティーズも大変だが歴史的経緯が絡む国際問題だけにまだまだややこしそうである。


お題目に反する空洞化

商品取引所連絡会が纏めたところによると先月中に取引された国内石油先物市場の出来高は、TOCOMと中部大阪の合計で前年同期比59%減となった模様である。

これに呼応?するかのように週末の日経紙商品面にて目に留まったのは、デリバリー常連組であった日本ユニコムが採算の効率化から今秋をメドに石油会社からの受託業務から撤退する旨の記事であった。

この石油ではないが昨年には老舗の三幸食品や三忠が東穀取から受託業務廃止や会員脱退の動きがありこちらも常連組一角の撤退が記憶に新しいが、撤退していない常連組においても岡地のように行政処分から業務停止の憂き目に遭うなど委託先法人の戸惑いも想像に難くない。

取引所やお上が起死回生策として呪文のように実需家の誘致を唱え続けている間にも、当の現場は現場で経営に活路を見出しこうした部分を見切りに入っているという業界の縮図が何とも解り易く出ている構図だが、老舗牽引で軸足を移行させる動きがますます加速してゆく感がある。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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