双方に旨み?

本日は上値重いながら小幅続伸となった日経平均であるが、週末に各紙で報道された大型増資組のNECは小幅安、一方でT&Dはザラバで小幅高となっていた。この材料も今迄NECは織込み済み、T&Dは半年で再増資という事で発表後は両者に爬行色が出ていたが、これも一旦カバーが入った格好になったか。

但し後者の場合は一般的に考えられる銀行などと比較してしまうと、ファイナンスの必要性がそれほど急務な業界という認識はなかった部分もあり、そういった件がネガティブに捉えられた面も大きいか。このファイナンスものでネガティブ視された銘柄といえば本日の市場で目立ったのは曙ブレーキでこれが急落、公募増資で約3割近くの希薄化となるだけにそこまでのファイナンスリスクは織り込んでなかった模様である。

しかし一ヶ月前くらいに追随型増資ラッシュと記した通りで、今月に入ってもこうして続々とファイナンスが続いている。上記のT&D等もそうした範疇になるのか穿った見方をすれば、何かこう市場環境を睨みながら需要はさて置き取れる時に出来るだけ掻き集めてしまおうという風潮も一部に感じられるが気のせいか。

ただ過日も大手一角の連中と話していたのだが、曰くプライマリーマーケットはやはり旨みがあると。こうなると発行体が乗り気なのか引き受け側が乗り気なのかという論になってくるが、その何れにしても自己都合を優先しているうちにマーケットも需給悪化から疲弊してゆくパターンになった場合は結局自分の首を絞めることになるのではないか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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