SOと平成の脱税王
さて、平成22年3月期決算から一億円以上の報酬を受け取った上場企業役員の個人名と金額の公表を義務付ける金融庁の方針に経済界が反発を強めているらしいが、この報酬額の中にはSO(ストックオプション)なども当然含まれてくる。
ところでこのSOだが、最近特に目立つのはこれで得た所得の申告漏れやら隠蔽やらといった事が明るみになる事例である。ここ一週間でもクレディ・スイスの社員や元部長から始まって、医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソンの元代表、また昨日の日経紙にはシティバンクの元幹部がこれで脱税と在日外資系がゾロゾロ出て来る。
問題になった外資系でなくとも日本企業でもSOといえば全株主にSOを付与した企業があったり、業界でもFX会社がこれを付与している企業が幾つか、そういえば商品取引員でも取締役にこれを付与したところが数年前にあったなとも思い出すものだ。
SO行使の税金に関しては証券外務員試験でもよく出題される事例だが、この連中あちこちのPBに飛ばし巧みに遣り繰りした努力も買うが、それを掴んだ国税もなかなか手強いなと。折しも今は確定申告の真っ最中、しかしまあこの確定申告を呼び掛ける一国の首相は贈与税不払い問題で国会追求され、また某幹事長も然り、まったくこれでは税金を真面目に収めるのもバカバカしくなってくるというものだ。