アバター取引?
さて、先週末に掛けてはギリシャ問題から世界的な株安の連鎖が起きたが、中でもハイライトとしてはやはり6日のNYダウがわずか20分そこそこの間に600ドル超の急落を演じた異常な値動きであっただろうか。
確かに個別でもその発端と指摘されているP&Gの40%安など異常現象で、そのNYダウ日中足からどう見ても誤発注だろうと日本のジェイコム騒動の時よろしく犯人探しから某銀の名も挙がったりしていたが、ショートが増幅されたのは自動取引システムがその一因ともみられている。
周知の通り先進国では今やアルゴリズム取引等この手の取引は外せないものとなっており、機関投資家誘致やその注文量増大から取引所や証券会社も潤うと真に好都合であるが、遠隔操作用の肉体を持つアバターの如く人間の指示で執行が既にコンピューターに取って代わっているところが怖い一面でもある。
さて当欄でも年明け早々に東証が「アローヘッド」を稼動した事を取り上げたが、この東証も早期の黒転を視野にまさに今後の期待事項としてこのボリュームキープ系のアルゴリズム取引からの売買高倍増計画がある。今回の件でナスダックOMXグループは異常変動した取引無効を発表しているが、ジェイコム騒動から時は過ぎこの辺も含めた各種対応が高速システムを擁する取引所には自ずと求められ、インフラの進化と共に規制関係も出て来ようがその辺の兼ね合いも含めどう方向性を見出してゆくのか明確にしてゆく必要がある。