比価論

さて、今週は金がまたも史上最高値を塗りかえた。南欧危機がハンガリーに波及するとの懸念が広がった事がトリガーになって、ここへきてまた同コモディティーに資金が集まった動きという感じか。

一方で最高値更新したこの日のNY DOWは前場続落であったが、ここ急落した反動もあって123.49ドル高で終えた。さて、NY DOWといえばこれを金で除した「ダウ・金倍率」なる指標について先月半ばに日経紙が取り上げていたことがあった。この倍率は30〜40年の波で動くのが特徴で、資本の脆弱化を示し現状からの倍率反転は容易でないという。

ところで業界では昔から、この金とPGM系の比価や銀などメタル系同士の比価を以ってして割安やら割高やらと測ったりする光景があったものだが、一コモディティーから金融商品の色彩が急激に濃くなってきた近年では、こうして株式や通貨などとのレシオの方が彼方此方で多用されるようになってきた。

コモディティーというカテゴリーで金はよく一括りにされ、外貨準備として買われる事のないPGMほか、原油などとも同じステージで比較されるが、国籍が無い通貨の顔も持っており、寧ろ今後はその性質がますます金融色を帯びるのは自然な成り行きだろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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