天網恢恢疎而不漏
本日の日経平均は往って来いの反落となったが引き続きセクター別で高下の末に弱さが目立ったのは消費者金融株か。渦中の武富士は僅かに比例配分があるストップ安張り付きであったが、折しも権利付き取引最終日に各紙で報道されたのは、かつて消費者金融最大手を誇ったこの武富士が会社更生法適用を東京地裁に申請するという報であった。
過払い請求の嵐に改正貸金業法施行とただでさえ厳しい環境下にあって破綻か否かの明暗を分けたのは結局銀行団の後ろ盾があったかなかったかであろう。今回の同業他社の下げ方もその辺に則しているようにも見えるが、一方でその後ろ盾となっているメガバンクにも今後ダウンサイドリスクが浮上するかなんとも不透明。
先に商工ローンも上場組のSFCG、そしてロプロが順次破綻の道を辿るなど、外部からの招聘に排他的な姿勢だったグレーな部分を生業にして栄えた企業は最後には別なグレーな物の食い物にされて市場から退場していったが、近年の例では商工ローンと前後して来るのはこの消費者金融が時間の問題だったか。
しかし、消費者金融株といえば直近では各社の利息返還請求件数が大幅に減少したことが好感され連休挟んでこのポストは軒並み急騰となっていただけに、ここで飛びついた向きはなんとも厳しい。しかもこの中では武富士が35%減少と、他社の20%水準と比較し最もその幅が大きかった事で同社の買残が増加しているあたりに読み取れる。
存亡の危機がいわれている超低位株にあって飛び込んでくる明るいニュースや発言には飛びつきたくなるが、ロウソクは最後が一番明るい。市場から姿を消したJALも要人のリップサービスで紙くずになる直前には急騰する場面があったが、結局は恰好の受け皿にされた揚句に掴んだ向きには株主責任だけが待っている。