中京石油市場
昨日は連休明けから稼動した大証の「新ジャスダック市場」について触れたが、今週はTOCOMも同じ連休明けから中部大阪の石油市場を引き継ぐ格好で「中京石油市場」を稼動させている。デリバリー形態など従前市場を踏襲するものの、値付けは当然ザラバへと変更になる。
これで所謂ホールセールとリテール両方を補完ということになるが、先の夜間取引延長と併せ今後どれだけ低迷している売買高の底上げが叶うかである。ちなみに当初は従来の31社より増え39社でのスタート、気になる初日はガソリンが264枚、灯油が128枚にとどまり低調なスタートとなった。
ところで、昨日触れた「新ジャスダック市場」を擁する大阪証券取引所といえば、直近ではETFの普及をテコ入れする為に証券会社に奨励金を支給し、個人投資家から徴収する委託手数料の無料化を支援する制度を導入すると報じられている。はて、一方で商品取引所はどうだろう?
売買高低迷がいわれて久しい折に取引員各社は、それこそ証券各社とは逆に長年ほぼ横這いであった手数料の値上げ改定に動いたのは記憶に新しい。これの起因となっていた一部にはTOCOMの定率会費引き上げという問題があったが、定率会費値上げ分の吸収が企業努力で賄える環境には既に無く、その取引所新システム対応でも多額の資金を割かれている状況にあっては取引員側としても営利法人上選択の余地も無かったのだろう。
そんなワケで取引員も一概に責められないが、取引所の立場としては短期的な収益効果を求めて定率会費値上げを強行する愚行よりもっと先を見据え上記のような行動の一つも起こせないものであろうか? 株式上場を視野に入れた焦りもあるだろうが、今迄新規に打ち出してきた商品の低迷もこうした後押しで軌道に乗せる切っ掛けになった部分があったかもしれないとしばしば思う時がある。