変わらぬ影響力
さて昨日から本日にかけては資源大手の豪英BHPビリトンと、英豪リオ・ティントが鉄鉱石事業の統合計画を撤回した旨の報が各紙で伝えられた。
この両社、当欄では二年ほど前に触れた事があったが、当時はリオ・ティント側が最大手のBHPビリトンからの買収提案を拒否した経緯があったのが記憶に新しい。それでも翌年には厳しいファイナンス事情もあって鉄鉱石事業の統合で合弁事業を設立することで合意していたものの、結局今回の結論となった。
業界ではこの両社ほかブラジルの大手ヴァーレや他の新興勢では中国の宝鋼集団などもあるが、ほぼこれらで世界の鉄鉱石供給の7割以上を占める支配力を持っている。今回は当然ながら鉄鋼業界の猛反発もあって、各国・地域の競争当局から統合への承認が得られない見通しになったが安堵も束の間、このシェアでは価格への圧力など脅威は依然健在だろう。
業界によっては独禁法などただのお飾りになってしまっている部分も見え隠れするが、取引所創設など奏功するかこの辺は政治色も濃いのでなんとも言えないが、こうした寡占化というのも昨今の流れの特徴でもある。