歴史に残る異常値

さて、本日で東日本巨大地震からちょうど一週間が経過したが、あらゆるシーンにおいて今回の件は歴史に刻まれよう。この辺はマーケットにおいても当然そうであり、1995年4月に付けた史上最高値を一気に16年ぶりに更新した円相場も、株式市場でも昼に立て続けに2度もサーキトブレーカーが発動となった事態もまた然りであろう。

株式市場といえば、数ある前代未聞の事態でも今回のオプション市場の狂乱も間違いなく歴史に残ろう。事件?が起きたのが週初めのイブニングセッション、通常であればアウトものの4月物の7,000円プットは序盤以降から値を飛ばし午後8:43に105円を付けていたが、その1分後には踏み?が殺到し、なんと1,340円まで暴騰、あと踏んだら終いでその3分後にはたった90円まで今度は暴落、ショートしている向きは4万円ちょっとの証拠金がたった1分間で123万5千円ものマイナスになり、その3分後には逆に1万5千円のプラスになった計算である。

これに近い4月物の7,500円プットも午後8:43分に130円を付けていたが、その1分後にはやはり1,320円まで暴騰、その3分後にはたったの110円まで往って来いの暴落するなど同様な事態が起きた。しかし、行使価格の低い方の高値が高くなるなど何処を取っても理外の理、この暴騰時に合致した7,000円プットの111枚、そして7,500円プットの109枚の出来高に参加した向きは売り方、買い方いずれも忘れられない日となろう。

そんなワケでマーケットもある意味被災した向きが続出、一部証券会社など先物取引からの撤退を早々に表明していたが、斯様にもデリバティブ系は皮肉にも新システムでスピードも変わったところへこの辺の事情も考慮出来ないディスクロをやった官邸の失態と併せて、阪神大震災やリーマンショック時よりも一気に直撃された分、今後表面化して来る影響が懸念されるところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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