グローバル化の波
さて、大証が先週に発表した8月のデリバティブ売買高は前年同期比で11.9%増の2262万枚であったが、これは大震災直後の今年3月の3,047万枚、そしてリーマン・ショック後の2008年10月の2,295万枚に継いで月間では過去3番目の多さだったという。
前回はその前の7月が低水準であったと発表されていたが、目立つのは7/19から翌日の午前3時まで延長された夜間取引の存在か。初月の7月は一日平均で日中取引に対する比率が平均で28.4%であったが、翌8月はこれが4割近くに達し夜間取引の売買高は過去最高を記録している。
この8月にはそれこそトリプルAの格下げやら欧州財政不安やら次から次へとマーケットを揺さぶる材料には事欠かず、まさに夜間延長の稼動時期としては絶妙なタイミングであったとも言えるが、正直ここまで夜間が活性化するとは予想外?という感じもした。しかしながら他の夜間部門も東京金融取引所のくりっく株365が対日中の比率が約5割に膨らんでおり、PTSも夜間が増加傾向と垣根を越え確実に拡大してきているのは事実。
先に書いたETNのように取引形態の多様化と併せ、金融取引のグローバル化はジワジワと個人レベルまで浸透しつつある表れか。ところで夜間取引といえば一足先に昨年からスタートしているTOCOMの夜間取引はどんな状況になっているのだろうか?