捨て場
先週末に当欄ではVI先物が開始されたことに触れたが、その末尾ではコメ先物のワラントにも少し触れた。さてこのコメ先物だが、本日の日経紙にコメ先物のデリバリーにおいて大半を福島県産が渡されている旨が書かれていた。
昨年8月の取引開始以降に受け渡された早受け渡し含むコメは東穀取で1,140トン、関西商取は651トンで東穀取では85%が福島県中通り産となっており、今年に入ってからのそれはすべてが福島産という。現在受け渡しには栃木県や千葉県など関東や東北など19銘柄が使えるが、東穀取社長のいう「割安だからだろう」というより単純に「捨て場」になっているのは明白か。
この記事のすぐ上には「福島米の苦境続く」として大惨事となった東日本大震災と福島原発事故からもう一年が経過しようとしているが、依然として風評被害もあって同コメの流通混乱も書かれている。本日の日経MJでは特集で「食の安全は今」としてアンケートが出ていたが、事故以降に商品の購入先を変えたり新たに増やしたりした人は27.9%、首都圏では3割を超えるとも出ておりまだまだ「捨て場」も活躍しそうだ。
しかしこんなのが恒常化すると相場の方も安値安定という具合にはならないのだろうか?
ボラがなくなれば妙味が薄くなるし、またはもう既にそうした状況なのかもしれないが、この適用銘柄から外してしまう手もある?か。とは言っても上記のように「風評被害」にナーバスになっている時期にそんな措置では東穀取もこれを助長するのに加担とか叩かれそうな気配もするが、今年の場合来月から福島全域で土壌検査を徹底するようで新米が出回る秋口に注目ということになるか。