42年ぶり
周知の通りこの連休中に国内の原子力発電所で唯一運転していた北海道電力原発が発電を停止し、これで実に1970年以来42年ぶりに全原発が停止する事態となった。何かこう全停止というと妙な安堵感?も一部では見掛けるがその手のリスク度合いは核燃料如何で基本は同じ、それよりも経済界への影響が懸念される。
経産相など関西電力管内で今夏の計画停電への備えに言及してきた経緯もあるが、再稼動の道筋も見えない中をこれから昨年以上に各所は厳しい状況になりそう。一般も勿論そうだが、こと経済界で広がっている電力不足への危機感は値上げやら慢性的な円高とも相俟って空洞化に拍車を掛ける懸念も擁している。
再稼動といえば縦しんばそうなっても当面は火力のフル稼働が続くことになりそうだが、思えばこの火力も各電力会社は第一次オイルショック以降、数十年にわたって電源構成の見直しを原発主軸に進めてきたものの、先の震災時の事故以降再度この火力へ回帰する構図になっている。
ということで昨年は国難ということで痛みを分け合えたものの、夏を前に節電に値上げと顧客との板挟みになっている電力各社を見るにつけ、やはり政府の無策ぶりが目に付く。
経済的な責任を取るでもなく、震災から一年以上が過ぎても有効な対策を打ち出せず渦中の東電株はそんな中で本日もズルズルと沈没、先に国策エルピ−ダも破綻したが早急にこの無策劇にピリオドが打たれることが望まれるところ。