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42年ぶり

周知の通りこの連休中に国内の原子力発電所で唯一運転していた北海道電力原発が発電を停止し、これで実に1970年以来42年ぶりに全原発が停止する事態となった。何かこう全停止というと妙な安堵感?も一部では見掛けるがその手のリスク度合いは核燃料如何で基本は同じ、それよりも経済界への影響が懸念される。

経産相など関西電力管内で今夏の計画停電への備えに言及してきた経緯もあるが、再稼動の道筋も見えない中をこれから昨年以上に各所は厳しい状況になりそう。一般も勿論そうだが、こと経済界で広がっている電力不足への危機感は値上げやら慢性的な円高とも相俟って空洞化に拍車を掛ける懸念も擁している。

再稼動といえば縦しんばそうなっても当面は火力のフル稼働が続くことになりそうだが、思えばこの火力も各電力会社は第一次オイルショック以降、数十年にわたって電源構成の見直しを原発主軸に進めてきたものの、先の震災時の事故以降再度この火力へ回帰する構図になっている。

ということで昨年は国難ということで痛みを分け合えたものの、夏を前に節電に値上げと顧客との板挟みになっている電力各社を見るにつけ、やはり政府の無策ぶりが目に付く。
経済的な責任を取るでもなく、震災から一年以上が過ぎても有効な対策を打ち出せず渦中の東電株はそんな中で本日もズルズルと沈没、先に国策エルピ−ダも破綻したが早急にこの無策劇にピリオドが打たれることが望まれるところ。


活性化期待と持続性

さて、世間ではゴールデンウィーク真っ只中だがこの期間を海外で過ごす人の出国が先週末成田でピークを迎えた模様で、今年は日並びのよさや自粛ムードの反動もあって04/27〜05/06に同空港を利用する旅客数は前年同期比16.3%増となり、海外旅行者数は過去最高に迫る56万人超といわれている。

斯様に海外へと向かう人あれば、国内も東京都心では新たな商業施設開業が相次いでいる事もあってこちらも盛況なよう。この辺に絡んでは先の日曜日の日経紙社説でも「街の個性で外国人を呼ぼう」として、都心での大規模な商業施設開業で東日本大震災により低迷した観光消費の復活に一段と弾みを付け、特に海外観光客を日本へと呼び込むために東京の持つ多様な魅力を発信する手掛かりとしたい旨などが書いてあった。

このG・W直前に開業したのは「渋谷ヒカリエ」だが、開業初日の2日間で来館者は約20万人、ビル内の商業施設売上は予算比で200%を達成するなど好発進となった模様。その一寸前には「ダイバーシティ」が開業したが、湾岸地域は外人客も多く訪れ上記に適った期待も抱かせ開業を待つ「東京スカイツリー」(東京ソラマチ)もこの点ではまた然り、既に経済効果の胸算用も彼方此方で出ているが、ネット等で殆ど完結できる昨今それを越える何かが商業施設には求められよう。

さてこれだけ一度に開業ともなると需要の食い合いも気になるところではあるが、それより今後を見通す場合キーになってくるのはやはり各々の持続性だろうか?消費は回復傾向にあるとはいえ回遊・再訪を課題にしたこれらの集客の持続性は未知数、六本木界隈のような安定性が定着するかどうかに掛かっているといえ、この辺の今後に注目してゆきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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