日経・東工取指数先物上場廃止
こちらでも既報の通り、先週末に東京工業品取引所は国内商品先物の値動きを総合的に示す「日経・東工取商品指数先物」の上場を廃止すると発表している。商品指数系といえばつい先月も東京穀物商品取引所が農産物の動きを総合的に示す「東穀農産物指数」の公表を中止したばかりであるがそれに続く格好となった。
しかしこれが上場したのはつい一昨年の3月、何とも早い退場という印象だが一方で近年の取組というか商いの無さを見るに残念ながら当然の結果とも言えるか。日経紙には「商品設計を変更したものの活性化にはつながらなかった。」と書いてあったが、そもそも登場時から全社参加とはならず極めて地味なスタートが既に示唆していたのかもしれなかったし、鳴り物入りの限日取引から限月への変更など今更ながら不振も想像に難くは無かった。
上手く乗せればお約束のETFは勿論のこと、ブルベア系やワラントまで枝葉を次々と広げられる構図だったのだが、このTOCOM指数系のETFでは唯一白金がNEXTシリ−ズからほぼこの「日経・東工取商品指数先物」上場の一ヶ月前に上場しているのみ。そこからの枝葉が遅々として進まなかった原因も課題であった。
今後総合取引所創設も粛々と進行してゆくだろうが、やはり日経平均やTOPIXのようベンチマークとしてマトモに機能する存在がコモディティーも必要なのはいうまでもない。上場商品移管を巡ってまた二転三転する懸念もあるものの、落ち着いた暁にはもう一度そんな役目を担った新しい構成の指数が登場するのを期待したいところである。