株主総会酣
今年も3月期決算企業の株主総会が本格化してきたが、今年の場合上場企業全体の4割超が開催するピークは28日となる。昨年は東日本大震災への対応が焦点となったものが、今年は震災後の成長戦略や電力問題などがテーマになるだろうと思われ、また不祥事企業もその言い訳?が注目されそう。
しかし今年の株主提案もいろいろ面白いものが出てきている。野村HDの便器を和式に変更から始まり阪急阪神HDの選手批判まで中には笑いを誘う?ものが多発し、また商号変更なども上記の野村HDほか東京電力まで変更案が出ていた。
その他M&Aに絡むものでは主要株主の基礎票固めやら、業界再編が絡む企業側との委任状争奪戦というモノもその行方が注目されるが、やはり諸々好調な企業は総会も進行というかプレゼンが上手いとつくづく。先週末に有楽町でやったソフトバンクは一気に8倍の増配という議案を議決したが、株価の高下や今ひとつだった低配当も取り敢えず脇においてしまうような人を惹き付ける話術は健在。一寸考えてみればこの増配で社長自身も80億円以上もの配当増になる計算だが、常識的には誰も文句は無いだろう。
さて配当といえば一方で、野村HDのように業績不振を理由に減配しているにもかかわらず経営陣の平均報酬が8割も増加している企業もあり、上記のような同社への株主提案もいろいろな思いが詰まっているのだろう。一昔前からすれば今では表立った黒い総会活動もすっかりと影を潜めるようになった代わりに個人株主の積極参加が目立つようになってきたが、利権オンリーの柵が無いだけにこうした風景は近年ならではともいえるか。