LIBORはケタ違い
金融スキャンダルといえば国内では目下のところファイナンスに絡んだインサイダー問題でお茶を濁しているが、直近で世界を舞台にした問題になっているのが周知の通り国際的な短期金利市場であるLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の不正操作問題で、既に自行に有利になるよう金利を導いたとして英銀バークレイズが罰金支払いと経営陣辞任に追い込まれている。
しかしこれだけ幅広い指標だけにこのLIBORを使った金融取引の額が5京円を越えるというから凄い。京という数字は余程のネタでない限りなかなかお目にかかれないような単位だが、そんな規模の取引が一連の不正で歪められていたとしたらやはり問題であろう。が、これもまた以前より不正懸念が報じられていたにも関わらず漸く今になってというのもまた問題か。
これにはFSAの金融機関に対する従前の緩い姿勢が踏襲出来なくなってきたという噂も関係者の間には出ており率先して手を挙げたバークレイズなんぞがこのせいで逆に災いしたという意見も一部にはあるが、国内のAIJの年金詐欺然りファイナンスのインサイダー疑惑然りで、誰が見てもおかしいと感じる報道から当局が腰を上げるポイントは何処にあるのだろう?
ここへきて週末にはドイツの金融監督当局もこの不正問題を巡り、同国銀行最大手のドイツ銀に対する調査を開始したと報じているが、インサイダー問題のように芋づる式に出てくるのかどうか聞き取り対象行は邦銀も入っているだけに今後もその成り行きに注目したいところ。