平仄の合わない珍税制
さて、昨日の日経紙・一目均衡には「貯蓄から投資への教訓」として、この政策の目玉であった株式投資の優遇税制について書いてあったが、ご存知これは金融・経済情勢の激変がない限り13年末で終了となる予定である。
ところが東日本大震災やギリシャ危機に続くユーロ不安、長期にわたるデフレで悪化する一途の日本経済を取り巻く環境の中で軽減税率延長が終了しようとしていることで、先月あたりから大手ネット系証券からのメールやら最近では口座にログインすると先ず署名にご協力の画面が現れるようになっている。
しかし斯様に期日が近くなると何かと理由と付けてジャンプする方策を採るのもよいが、理想形をいえば暫定でもいいから優遇云々でなくいっそ廃止にしてしまえば市場も活性化に向かうのは明らかだろう。活性化すれば消費は間違いなく増え他の部分でこの程度の税収の埋めは幾らでも可能であるし今後を考えるにより健全とも思うが。
しかしこういったリスクを取るものに対しての課税制度は本当にいい加減という思いは長年消えない。冒頭の軽減税率もそうだが、もっと可笑しなモノなのは配当課税。同じ課税対象に法人と個人の税金が二重に課税されるという世にも可笑しな制度で、税逃れで海外に移転する企業も出るくらいの法人税を毟り取っている現況下、更に搾取してやろうというのだからこれは酷い。
「貯蓄から投資」を標榜しあれこれ然程意味のないものを小出しにするなら、先ずはこうしたところから制度改革すべきだろう。