日本版ISA

月末の日経平均は305.39円高と3日ぶりに急反発、売買代金は2兆円を超え特に本日は野村アセットの上限2,000億円規模投信2本の設定があったのも後押したようだ。何れにしてもこれで月間ベースでは7ヶ月連続の上昇となり、上記の投信関係含めここからでもまだまだ個人資金の流入等が続きそうだ。

さてこの個人に関連しては、毎年100万円までの株式や投信等からのキャピタルゲインや配当について最長5年の間非課税にするという所謂「日本版ISA」が最近の話題になっている。来年からの導入を前に今年10月に口座が解禁されるが、三菱UFJFGなど早速同制度向けの専用投資信託を開発する姿勢を見せている。

その専用口座は当初4年間は1つの金融機関にしか開けなく、上記のような銀行グループ始め顧客争奪戦の様相となるかどうかだが、証券界の反応は販促費や手数料等々考慮するに下手をすれば持ち出しにさえなりかねず、中小など対面系ほどこの辺は今ひとつ及び腰というか乗り切れないというのが実情らしい。

業界総出で盛り上がるという機運にならないこの辺がある意味ジレンマだが、これで思い浮かぶのがETFか。これまた手数料など採算性の問題から似たような状況であったと思うが、「貯蓄から投資」を実現させるまたとない好機云々の前にこうした壁の存在もまた課題になってくるか。


お国柄いろいろ

週初の日経産業紙には「息の長いタイの成長」として同国の昨年の経済成長率が年初予想の4%台を上回る6.4%に達した旨が載っていた。一昨年の大洪水試練を経ての伸びだけに今後にも期待がかかるが、最近のもう一つ緩い話題ではタイ政府系の格安航空会社ノック・エアが制作した水着女性のカレンダーに文化庁から物言いがついた一件もある。

見たところ別段不快に感じる部分など何処にも見当たらないと感じるが、当局によればつまるところ「女性の尊厳を無視している」ということらしい。一部特定向きが多いだけに航空会社のカレンダーは折に触れ話題になるが、この手ではメキシコの某航空会社はCAらのビキニカレンダーを出し、アイルランドの格安航空会社もインナーを纏ったCAのカレンダーなど出し、スペインの某航空会社に至っては更に進化?した物を出した経緯もある。

そういえば昨年だったか、ベトナムのジェットエアなど、ホーチミンからリゾート地へ飛ぶフライトのなかで女性によるダンスを機内で乗客に提供したところ、航空局から不適切なパフォーマンスとして形ばかりの罰金を科されたそうだが、この手の件こそお国柄が出るといったところか。賛否両論あろうが、まあ総じて築地のマグロじゃないが損して得取れでいいプレスになったのではないか。


機が熟す

昨日は財務相から政府が保有するJT株のうち約三分の一相当の3.3億株を来月中旬に売却するとの正式発表があった。幹事団に野村が入っていないのをみるに改めてファイナンスを巡るインサイダー疑惑の汚点が思い出されるが、その辺は兎も角も政府が一般への売却を行うのはこれで4度目。

その総額だが今の時価から換算するに約1兆円に迫る規模となるが、当然今年度で最大規模となる見込みで前回のNTT株売却が思い出される。これだけの吸い上げだけに市場への影響を気にする声も聞こえるが、自社株買取状況や今のボリューム如何で受け皿十分との声もあり蓋を開けてみてといったところか。

胸算用といえば、東日本大震災からの復興財源に計上したのは5,000億円となっているが、この放出報道で直近急落した経緯があったとはいえそれでもコアの一角だけに、アベノミクスによる株高効果から当初見積もっていた額からは倍増と大きく上回る。他の経済効果含めこの辺は実に政策の力を感じる。


円安駆け込み

周知の通り政府は、次期日銀総裁として金融緩和に積極的な現アジア開発銀行総裁を起用する人事を固めている。この報でドル円は一時2010年5月以来の94.77円まで上昇、お約束のように日経平均も年初来高値更新と高いが、こんな急激な円安によって高くなるのは何も株に限った事でなく輸入モノもまた然り。

高級ブランドなどこの手の為替動向(いつものことながら特に円安方向)には極めて機敏に対処し、仏のLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは日本のルイ・ヴィトン・ブランドの一部商品の価格を中旬に平均で12%引き上げている。

これで駆け込み需要あるや否やと注目はしていたが、某大手百貨店では同ブランドの今月1〜14の売上高が前年同期の2倍に膨らんだという。ただ全般でも主力の大手百貨店では今月に入ってからの高級ブランド売り上げが前年同期比で25%前後の伸びを、見せ何れも1月の伸び率を上回るという。

この辺の数値を見ても株高効果の力を感じるが、しかしこんな高級ブランドに限らず一般モノでも身近なところでガソリンは11週連続高、輸入小麦の買い付け価格も3週連続高となっており、値上げが全く気にならない向きは扠措きそうでない向きもそれなりに円安の恩恵を享受出来る投資関係など防御策?に嫌が応でも関心が高まってこようか。


隕石の真贋

さて最近のニュースでは、ロシア中部ウラル地方のチェリャビンスク州周辺に隕石が落下したとの報があった。被害地域は10地区に上り落下の衝撃で多数の負傷者が出た一件だったが、隕石といえばほとんどが海に消えるために地上へ来るのは希で落下の予測も天気予報のようにはいかないらしい。

これだけ大きな破片が落下したということでその捜索の方も気になるところだが、同州副知事によって隕石捜索は1日限りで週末には既に捜索を中止したことが明らかにされている。騒動沈静化の狙いとの見方もあるが、やはりというかその直後からにわか隕石ハンターによる偽物の出品がネットに相次いでいる模様。

一部にはロマンを誘う貴石だけあってロレックスのメテオライト等にも隕石が使われているが、世界初の隕石素材を配し時計の中心には太陽系を模したプラネタリウムが取り付けられているルイ・モネのメテオリスなど3億7千万円の値札が掛かる。また米大学にアマチュアが持ち込んだ隕石に85万ドルもの値が付いた件もあってこれに引っ掛け一稼ぎを狙う輩が出るのも自然なところだろうか。

昨日は金を取り上げたがモノによってはこの金の数十倍の値が付くわけだから凄い価値だが、ところで隕石といえば日本でも約一ヶ月ほど前に茨城県を中心に関東の広範囲で大爆発音を伴う先行が多数目撃されたとの報があったが、あれは結局何だったのだろうか?


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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