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金レパトリエーション

昨日の日経紙商品面には「独連銀、保有金を自国へ移動」として、ドイツの連邦銀行が先月に国外に保管している保有金のうち674トンを、2020年末までにフランクフルトにある連銀金庫に移し国内保管率を50%まで引き上げると発表した旨が載っていた。

この独といえば公的な金保有量では米国の8,133トンに次ぐ3,396トンで第二位となっているが、これほどの規模でなくとも、この記事を見て思い出したのが一昨年だったか外貨準備の中で金の保有量を増やしつつあるベネズエラが、その国外の銀行へ預託している金準備211トンを国内へと引き上げる動きが報道された件である。

このベネズエラ、国内の金産業を国有化するとの法令にも大統領が署名しているがそれは兎も角も、もともと上記の独は昨年の秋くらいに連邦会計監査院が独連邦銀行の海外に保有する金準備についての検査を行う旨の事が昨年の秋くらいに言われていた経緯がありその辺も絡んでの決定なのだろうか?

翻って本邦、日銀からは保管場所の公表さえなくまずこんな話は出てこない。この独が外貨準備に占める金の比率が70%を超えるのに対して日本は僅かに3%台。独は1973年以降は金の売却をしていないそうだが、日本の場合は40年も日銀金輸入実績がないばかりか逆に金の輸出は最高水準という純輸出国という特異な存在が際立っている様は色々なことを考えさせられる。


今年は何社

米市場が休場とあって本日の株式市場は手掛かり材料に乏しい中を小動きで推移し、東証一部の出来高は26億株と今年初の30億株割れとなっていた。後場は凪のような状態で、結局値上がり1075銘柄、値下がり496銘柄、変わらず128銘柄であったが新興市場など依然として値動きは荒い。

今年一発目のIPOとなったメドレックスなどがそんな例で、公募・売り出し価格の2倍以上にもなる買い気配値を切り上げ初日には値が付かない人気で昨日には3,560円の年初来高値まで急騰したものの一転して本日は2,515円の安値引けと急落、また次に続いた買取王国も然りで初値2,000円から翌日には3,000円まで急騰し本日は安値2,206円と往って来いである。

未だ赤の企業で回転が急がれるのは想像に難くないが、先に上場していたミドリムシ生産のユーグレナ等はこれらのIPOの時にはストップ安まで売り込まれその背景には換金の用もチラつく。ところでIPOといえば今年は60社〜70社との予想が多いが、アベノミクスで地合いが劇的に改善されてきているだけに今後のIPOインデックスがどう推移してくるかこの辺にも自ずと関心が向かうところ。


助勢転じて阻碍か

先に発表となった2012年10-12月期GDPは前期比年率で0.4%減とマイナス幅が前期から大幅に縮小、円高是正や大型財政出動期待から政策主導で輸出や消費が待ち直しているというが、その円といえば週末のG20財務相・中央銀行総裁会議で日本が名指しされなかったという安心感から大幅円安となっている。そんなワケで果たしてというか週明けの日経平均も冴えない週末の相場から一転して234.04円高の急反発となった。

まさに政府の思惑通りに粛々とコトが運んでいる感じだが、そんな一助となればとの思いからなのか今回のアベノミクスでは政府・与党の要人がアナリストの如く相場の具体的水準に言及する報道がやたらと目に付く。この辺に関しては週末の日経紙社説でも政治家は相場から距離を置いてと書かれていたが、確かに特定の思惑を誘発するのは間違いないところか。

昔も自民系で相場に言及し物議を醸し出した向きは居たが、世論も上げ賛成のなか訝しがる向きも少ないのかもしれない。こんな時代には一方で相場格言の一つ「相場のことは相場に聞け」というのを持ち出してトボけた政府要人もまた混在したが、確かに今はVIが高水準なだけにその影響度から波乱要因となるのは明白だろうし、何とか乗り切ったG20後のいま海外勢と新たな軋轢を作らない為にも自重するに越した事はないだろうか。


バレンタインと祭典

さて今年も毎年恒例の「バレンタインデー」がやってきた。外国の知人からの女性が男性にチョコ類を贈るこの奇異な習慣についての質問も恒例になってきたが、主力の大手百貨店も先月の冬セールの次に来る大イベントだけに気合十分で、東京で開催されてきたフェスタが地方へも波及する等今年は広がりを見せている。

今年で確か11回目になる伊勢丹が他に先駆けて開催している「サロン・デュ・ショコラ」など代表例で、昨年のロンドンのココマヤ等に続いてフランス勢からセバスチャン・ゴダール、フレデリック・アヴェッカーといったブランドが初登場となった。後者のショコラティエが作成した会場のオブジェは見事な「盆栽」であったが、この辺を見るにやはり欧州の和ブームを感じざるを得ない。

しかしこのオブジェに限らず年々出展側も面白い物を打ち出してくる。今年は定番のブランド物以外でもコスメ類を模したものや、トリュフということで軍手にスコップの飾り付きと凝ったもの、仰々しい削り器がセットになっているもの、またコート・ダ・ジュールの高級ホテルからは薬のカプセル型の遊び心に富んだ新作を披露する等見ているだけで楽しくなる物が多い。

これら含めて人気の物はすかさずsoldoutの札が掛かるが、バレンタインまでの保存日数を考えるに自分用なのだろうか?余談だがそういえばこのところ強風の日が多い。例年バレンタインデー前後には春一番が吹く事が多いが、関東ではこれが観測されなかった昨年から今年は何時になるのだろうか?等々思いを巡らせながら今年のチョコでも味わうことにしよう。


未公開昔も今も

本日の日経平均は対ユーロでの円上昇を受け反落となったが、個別では決算が多少下馬評から外れた程度でもけっこうキツイ下げを見せているものが多く、金融緩和をテコに買われた不動産も決算を機に改めて水準訂正が急である。こんな中にはコスモスイニシアも顔を出すが、そういえば先週末には同社の元親会社リクルートHDの創業者が亡くなったと報じられている。

リクルートといえばやはり鮮明に思い出されるのは未公開株、現在でも同社のIPOをネタに怪しい業者が暗躍しているもようだが、その辺はともかくも現在ではMBOを経て上記のように名前も変わってしまったものの、当時の政府キーマンに前身であったリクルートコスモス未公開株がバラまかれ当時の竹下政権が崩壊した事件は一大スキャンダルであった。

一方でリクルートといえば今でも巨大企業グループだが、そのユニークな人材輩出は男女ともに有名でスポットを浴びる著名人にはIBM等と共に同社の卒業生は確かに多い。バブル期を挟み斯様にビジネスモデルを創り伝承、晩年は文化活動に精力的であったというがこんな波乱のバブル期を知る生き字引をまた一人失った。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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