それぞれのTOB

さて今週はイオンがダイエーを子会社化するとの発表が正式になされている。丸紅は負の遺産処理、イオンはスーパー1強政策の狙いということでその辺が昨日の日経紙にも載っていたが、この同じ企業欄には西武ホールディングスが筆頭株主である米サーベラスによるTOBに反対表明との記事も出ていた。

この話はもともと昨年末にかけて両者の関係悪化が伝えられていたなかでこういった行動に出た格好だが、ここ近年で敵対的?TOBのケースを振り返ってみると不成立に終わるケースが多く王子製紙が北越製紙に仕掛けたTOB然り、また最近では下馬評で完勝とされていたPGMホールディングスによるアコーディア・ゴルフに仕掛けたTOBも大どんでん返しで不成立に終わっている。

ファンドも慈善事業ではないからイグジットは可能な限り吊り上げたいのは解るが、今回の件も折しも上場申請中でもあり、メインバンクの存在もあってその辺の意味合いからすれば中途半端な感は否めなく有効性には疑問符が付くがさてどうなるか。

今月も新たなTOBの話は再建中企業等水面下でも彼方此方出ているが、それは兎も角も思えばこの両者、ダイエーが自主再建を断念したのと西武の大株主による有価証券報告書虚偽記載発表が同時期だったとの記憶がある。なんの因果かまた其々が転機を迎えようとしているが先ずはこのTOBの行方を見守ることにしよう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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