いわば折衷案
さて今週のビッグイベントといえば昨日のサントリー食品の上場であっただろうか。注目の初値は公開価格3,100円を20円上回る3,120円と大人しいスタートとなり、本日もそこそこしっかりであったがいずれにせよ時価総額は1兆円に迫り、この規模は以前の大塚HDを彷彿させる今年最大の大型上場となった。
ところでサントリーといえば思い出すのが4年前のキリンとの経営統合案か。強モノ同士の経営統合で当時は大手4社体制が崩れコカ・コーラを抜く大手誕生かと騒がれたものだが、結局両者の思惑違いが重なり破談になってしまった経緯があった。メジャーを睨んでの大型統合話がマルになってしまったケースであったがあれから数年、非公開路線のイメージを破っての上場である。
とはいえ今回の上場は実によく考えたもので、本家のサントリーHDはやはりというか非上場のままこの上場後のサントリー食品の株式はなお約6割握り、同族ならではの自由度は確保という構図か。しかし先の株主総会でもコーポレートガバナンスの重要性が謳われていた折、この辺絡めた市場からの目というか新しい株主と今後どう付き合ってゆくのか暫し注目である。