対話アプリバブル?

先週話題になった報にはあの米フェイスブックが190億ドルを投じたスマホ向けの無人対話アプリ最大手ワッツアップ買収の一件があった。この対話アプリ系では同じく今月に楽天が無料対話アプリのバイバーを9億ドルで買収との報があったばかりだが、こんな大型買収の後では9億ドルで買えたかどうかの声も聞こえ、楽天社長の「このタイミングで買収しないと無理だった」とのコメントも妙に現実味を帯びてくる。

さてこの2兆円近くの買収もコンタクトしてからわずかに10日前後、かつて日本でも未公開企業への投資が一部新興勢中心に過熱したことがあったが、イグジットの青写真は全く違うとはいえあの当時もロクなディーデリもせず中には数日で相次ぐ買収をこなしていた光景と一寸だぶって見えてしまう。

それにしても米マイクロソフトがスカイプを買った時でさえ85億ドル、今回は従業員50人そこそこの会社に2兆円近くの値札というからやはり桁違いで凄い。こんな相次ぐ買収熱で今年上場見込みのLINE株式を擁するネイバーは株式交換案等と早くも株価武器の選択肢も囁かれているが、一方でこの発表後の同社株は競争激化懸念から8%安、上記の楽天株も5%安に沈んだ。

そんなワケで昨今のこんな対話アプリを巡る光景をバブルそのものと指摘する向きもあるが、結局のところバブルか否かは未だ顕在化していない有料顧客を囲い込むという基盤の収益化の是非如何に懸かっているといえようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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