政治格付け

本日の日経紙国際面には「米S&P、1,760億円で和解」と題して、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズが2008年の金融危機の一因になった住宅ローン担保証券の格付けを巡る訴訟で、総額15億ドルを米司法省はじめとし19州政府や米最大の公的年金のカルパース等に支払うことで昨日和解した件が載っていた。

さて米の格付け機関といえば双璧のムーディーズがあるが、このムーディーズも2008年の金融危機発生前に自社業績を優先させ証券化商品により本来より高い格付けを付与した疑いがあるとして、米司法省が調査している旨を今月はじめのウォール・ストリート・ジャーナル紙が伝えている。

こうなってくると自国の最高格付にはじまり、本邦国債も既に中国や韓国を下回る水準に置かれるなど随分と不遇な扱いを受けているのも改めて何だかなという思いもあるが、今回の訴訟では同社の行為に違法性を認めることなく和解に至っている。この辺に意図的な政治背景を感じられなくもないが、そう考えるとモノは全く違えど何故か証券会社のレーティングからはてはミシュランまでがふと頭に浮かんでくるものだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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