北風政策だったハゲタカ
先週末の当欄で「消えたトラウマ」と題して書いた中でアクティビストとして挙げたのは「村上ファンド」、「スティール・パートナーズ」であったが、先週末の日経紙マーケット面には「元スティール銘柄開花」と題し、過去にこのファンドに狙われた銘柄の上昇が際立っている旨が書いてあった。
そこには一覧表のトップに出ていた名村造船の4倍化や記事の冒頭にあったハイレックスコーポレーションのここ2年での株価3倍増が挙げられていたが、一覧表に見られるアベノミクス期間の上昇以前にもここが目を付けた銘柄は度々取り上げられていた経緯がある。
例えばこの日経紙タイトルで思い出したのだが、今から数年前にもこのスティール・パートナーズが投資した約40銘柄が何れもすこぶる好調な旨の記事を見た記憶があり、その内容は同ファンドが銘柄選定後にこの約40銘柄全てに投資した結果、シミュレーション期間中のTOPIXが約10%下落した一方でこちらは配当を控除しても約25%の利益となったというもの。
最後は東京高裁から濫用的買収者のレッテルを張られヤレヤレの持ち株売却をさせられたスティール・パートナーズであったが、常々どう見ても割安なものに投資するからヘッジは要らないと言うのが彼らの弁だった。アプローチこそ結果的に間違えたものの、基本の選択眼は間違いのない物であったといえ軌跡があるだけにまだ投資のヒントが隠れているかもしれない。