ステークホルダーの答え
さて、当欄で「家具屋姫」として今月上旬に書いた大塚家具のプロキシーファイトを巡る騒動だが、先週末に有明で開催された定時株主総会は異例ともいえる注目を集め、周知の通り軍配は娘の社長側にあがり続投が決まることとなった。
この間まさに株価も含めて波乱の約1ヶ月となり、前回も当欄で書いたように父と娘それぞれの世代というかキャラを反映し舌戦を交えたドラマが展開されることになったものの、今回ほどステークホルダーと真摯に向き合う形になったのは創業以来の事ではなかったろうか?
株主総会直前まで大塚家具は新聞に折り込み広告を入れていたが、20日付けのチラシは「快眠ベッドコレクション」と題し、その下のブランド名にはシモンズ等の名門と並びフランスベッドの文字も見られた。同社は直前で会長支持を表明したが苦渋の選択だったのだろうか。ちなみに総会前日の26日付けのチラシのタイトルは「新生活をより素敵に心地よく」であったが、この主要な期である春商戦のエネルギーがこの騒動で消耗された感は否めない。
個人的な感想だが、時として顧客によって態度を変えるような慇懃無礼感漂うその接客姿勢は、一昔前に破綻した某航空会社のCA等にも見られたもので、こういうのが好きな向きにはそこそこ心地の良いものであったかもしれないが、この辺も上記の広告戦略と共に一新されるのか否か、今後の新体制が注目される。