IPO錬金?

さて今週気になったものとしては、一昨日に日本取引所が一部のIPO企業の上場直後の業績下方修正や不正発覚などが相次ぎ市場不信を招いている問題で緊急の対策を公表した件か。証券会社や監査法人と協力し上場時の業績見通しを開示する際に具体的根拠を示すよう企業に求め、主幹事証券にも上場時期が集中しないよう分散を求める旨の内容。

その記者会見では、「3ヶ月で決算数字を黒字から赤字にしてしまうなんて経営者としてはありえない」と直近で上場したスマホゲームのgumiがやり玉に挙がっていたが、取引所も通したでしょ?という疑問はさておき、確かにこれは上場後の株価といいディスクロといいまさに昨年のジャパンディスプレイを彷彿させる酷さであった。

そんなこともあって丁度一週間前の日経紙では、2015年のIPO銘柄17社のうち10社で25日の株価が初値を下回るなど低迷感漂う旨が書いてあったが、関係者の売り逃げも一部噂されるなどやはりセカンダリーが嵌め込みなど錬金場になるようなIPOは問題だろう。ちなみに今月のIPOは10社が予定されているが、新興市場にリスクマネーを供給する市場使命の裏でどう監督してゆくかが今後課題となろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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