時代背景

さて、今週の日経夕刊の「なるほど投資講座」は入門・コーポレートガバナンスと題して連日企業統治について連載が行われているが、この企業統治や利益還元を声高に訴えていたファンドとして先の日曜日の同紙「企業転換 戦後70年」の項では村上ファンドが取り上げられていた。

この村上ファンドに関しては当欄でも最近では2月、3月と取り上げた事があったが、ガバナンス論を武器に日本人による日本企業への敵対的TOBとして初の試みが話題になったものの、初回の昭栄やその後のプロキシーファイトでも日本初となり注目を集めた東京スタイルにおいても志半ばで不発に終わる結果となった。

時代が今ならファンド側も企業側もまた違ったタッチになり、村上ファンド以外でもスティール・パートナーズなど外資勢の展開や企業の政策もまた変わっていたかもしれないのは否めないところだが、時は流れ上記の昭栄は後にヒューリックと経営統合しその社名は消滅、そして東京スタイルも後にサンエーと持株会社方式で経営統合しTISホールディングスと名前を変えている。

2月に「消えゆくトラウマ」と題し、対話型への変遷から以前のようにファンドをアクティビスト扱いする風潮も無くなってきた旨を書いたが、これも国際標準へ向かう過程の経験図という事になろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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