8%の次

今週月曜日の日経紙一面は「ROE10%超 3社に1社」と題し、円安で企業の利益が過去最高を更新する一方で自社株買いや増配で不要な資本を減らす企業が増えた結果として、昨年は3社に1社がこのROEが10%を超え日本企業の資本効率が高まっている件が載っていた。

前にも書いたように日本企業は欧米企業に比べてかねてから資本効率が低いと指摘されてきたが、2008年の平均0.6%をボトムに昨年は8%台にまで回復している。この8%という数字、昨年の夏頃に当欄でも「8%の分岐点」と題し機関投資家注目の投資判断基準に企業のROEがこれから8%を超えるかどうかという点が注目されているとしたが、この水準まで来たという事になる。

しかし個別でROEが大きく改善した銘柄を見てみると、何れも上位に顔を出しているものはもともとが8%を超えていた物が大半であり、予め伸び易い素地を持っていたというのが顕著に表れており、果たしてこれ以下の部分がどれだけ嵩上げ出来るかというところが課題だろうか。

ともあれこれに呼応するかのようにROE等を基準に構成銘柄を選ぶ「JPX日経インデックス400」も週明けに2014年1月6日の算出以来、初めて15,000の大台を超える事となった。上記の通り8%達成となった今、来月からはコーポレートガバナンス・コードが導入のはこびとなり更に次は平均10%の大台に乗って来るのかどうかこの辺が大いに注目されるところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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