増益の裏で

さて、昨日の日経紙には「運用10社、3割増益」と題して、公募株式投信の市場全体の残高がこの1年で21%増えるなど運用環境が良好で資産の時価が膨らみ、この結果として運用会社の手数料収入が増えて主要運用10社の純利益合計が前期比で28%増加した旨の記事があった。

やはり株高効果のこうした部分への影響が顕著に出た事例だが、運用成績自体は昨年末までに設定された日本株を対象とする公募投信580本のうち、今年の運用成績がTOPIXの値動きを上回ったのは170本強に過ぎない実に7割の投信が市場平均を下回るという側面が一方ではある旨が本日の同紙に出ている。

投資の環境が一昔前とは様変わりしてその選択肢自体は増えたものの、一方では従前の手法が通用しなくなってきている部分も既に出ており、特に近年はこの辺が優劣を左右している部分も多い。緩和マネーが今後どういった流れになってゆくのか先行きを見通すに各社思案のしどころである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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