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因果

今年の3月に当欄では「今更ながらの風説流布とか」と題して、インターネットサイトを元に風説の流布の疑いがあるとして、バブル期に大物仕手筋として知られた人物の関係先を証券取引等監視委員会が金商法の疑いで強制調査した旨を取り上げていたが、本日の産経紙には同委員会がこの人物を金商法疑いで東京地検特捜部に告発する方針を固めた旨が報じられていた。

あれから約半年を経て今回の告発に至ったワケだが、同紙ではこれまでに得た売却益が約60億円という。確かに大証時代の新日本理化は株価5倍化まで育て上げ、これに続くルックも比例配分に潜り込む隙が無いほどのストップ張り付きだっただけにこの辺も納得だが、銘柄によってはもともと大量に保有していた向きの解体作業と取れなくもないモノもありこの辺は魑魅魍魎としている。

しかし東京地検検特捜部といえばこの人物の1980年代の所得税法違反での逮捕劇が記憶に新しいが、真の狙いともいえる顧客等名前を最後まで吐かなかった事で揺るぎない信頼を得てその後の活動に繋がったというのは兜町では有名な話。あれから30年を経てまた因縁の対決となるかなんとも因果なものである。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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