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ストックオプション拡大

さて本日の日経平均は3日ぶりに急反発し昨日からきれいに往って来いの形となった。株価を睨んで経営陣も一喜一憂だろうが、株価といえば先週末の日経紙投資情報面にはストックオプションの利用が広がっている旨が載っていた。この制度が加速している背景にはIPOの活況やコーポレートガバナンス・コードの適用の影響も大きいようだ。

このストックオプションといえばちょうど2年前の今頃にも当欄では同制度を新たに導入する企業が増えている旨を書いた事があったが、2015年度に利用した上場企業は654社と以前に振れた2年前当時の2014年の583社から1割増えて実に10年ぶりに過去最高を更新した模様。

同紙にも財務に余裕のない企業でも活用し易いと書いてある通り、もともとこの辺が同制度が生まれた背景になるワケだが人材獲得からマーケットでの受け皿も投資家側になるなど何かと効率が良い一方で、株価第一主義に偏重し易くなる為に不祥事隠蔽の芽が時として出てくる素地が無いワケでもない。IPOの新興勢などこうした部分含め周りが見守ってゆきたいところ。


同時多発地震

このたびの熊本地震関連で被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます・

周知の通り連日にわたって新聞の一面を賑せている熊本地震だが、なお予断を許さない状況が継続している。気象庁は本震の前日に今後3日間に震度6弱以上の余震発生確率は20%としていたが、16日の地震でこれが本震との見解を示し一転して今後1週間程度、最大震度6弱以上の地震が起きる可能性があるとしている。

マーケットではこの手ではお約束の若築建や不動建当の低位建設セクターが急騰し、日本鋳鉄管や地質地盤調査の地盤ネットがストップ高となる一方で東京海上をはじめとする大手損保株が急落とお決まりの明暗を見せているが、産業界も再度の試練に見舞われるなか投資家心理の冷え込みは否めない。

M6クラスの直下型地震の後、規模が上回る本震が起きたのは観測開始以来初のケースと気象庁も上記の通り困惑極めているが、活断層など把握していても備えがなお不十分であることが浮き彫りになった。斯様に東日本大震災から5年でこの惨状を見るに改めて我々は地震国の脅威を思い知らされたが、一刻も早い復旧が待たれる。


パナマ文書

さて、パナマの法律事務所から流出した所謂「パナマ文書」が暴露されて世界で波紋が広がっている。既にアイスランド首相が辞任に追い込まれ、課税逃れを厳しく追及してきた英首相も自らの投資に絡み苦しい立場になるなどしているが、他にも多くの政治指導者が名を連ねており今後第三者機関などによる検証等何所まで公に晒されるのか興味深い。

この中には中国国家主席らの親族のモノもあったといい、やはりというかインターネット閲覧は早速規制され、書き込みも削除、問題を伝えたニュース番組は画面が真っ黒になって数分間中断されたという。この辺も相変わらずの闇を垣間見た気がするが、反腐敗運動の最中だけに国民世論から求心力への影響等これまた気になる。

ともあれ2013年のスノーデン氏によるアメリカの情報収集活動暴露や、更にその前のウィキリークスによるアメリカの外交公電のリークを超える過去最大規模といわれているだけに、上記の通り政治指導者含む100人以上の存在が明るみされる事で、続々とこのクラスの政治スキャンダル等が続出するような事態になると政治不信の強まりから社会の安定も危うくなって来よう。

ところで日本も国内を拠点とする人物や企業含め数百の情報が含まれているとされているなか、官房長官は政府としては選挙を意識してかどうなのか調査はしないと明言しているが、原発よろしくこちらもといった感は否めないところか。


必要悪?

本日の日経平均は原油高に加えて円安進行から大幅続伸となったが、先週末の日経紙には「株の高速取引実態監視」と題して、同取引が急激な相場変動に繋がっているとの指摘を踏まえて、金融庁が実態把握に乗り出し新たな規制導入を視野に年内にも方向性を打ち出す旨も載っていた。

HFTに対する規制議論に関してはといえばもうかれこれ6年前くらいから当欄では取り上げているが、IPO延期騒動があった末に昨年上場にこぎ着けた米バーチュ・フィナンシャルなど、2009年から2013年までに同社が出した損失が1238日中わずかに1日だけだったと開示資料で驚愕の内容を出していたが、こんな無敗実例はもはや投資や投機の枠でないだろう。

市場でフラッシュクラッシュなど起こる度に同取引が犯人扱いされて久しく、これらの増加に比例し通常の数十倍もの取引データが流れ込んで起きつつあるシステム障害等もまた然り。今やHFT業者はレイヤリングやクォートスタッフィングなど駆使して成長し、時折監視委員会から「見せ玉」などと判断されて摘発される連中が本当に哀れに思えてくる。

とはいえ市場が大きなショックに見舞われる中でも、こうした向きが受け皿となってリクイディティを提供している部分は否めず過度な規制は時代に逆行するとの意見もある。日進月歩でシステム刷新が進もうが、上記の如く一般投資家に恩恵がおりてこない機会不平等問題と対峙する中で均衡を見出すのは非常に難しい問題だろうか。


思惑交錯

さて原油相場が今週も堅調スタートで、週明け11日のニューヨーク原油先物相場は17日にカタール・ドーハで開催される会合で産油国が「増産凍結」で合意出来るとの期待で2週間ぶりに1バレル40ドルの大台を回復している。もうはまだなりの如く意外に堅調だが、需要が低迷する中それぞれの思惑も交錯し不透明感も依然強い。

いずれにしても会合をにらんで懐疑的な見方も入り混じっての思惑先行でボラタイルな展開になろうが、CTAやヘッジファンド等の投機資金はETF等からの流出が目立つ展開となっていることでトレンド形成とはなっていないとの指摘も一部にはある。

ところで昨年のTOCOMの売買高は前年度に比べて13%増となった模様だが、背景にはこの原油の寄与が大きいだろうか。中盤から上場したゴールドスポット100も寄与しているものの、特に1月、2月の原油売買高は14年前半までの実に10倍増となっている事でやはりETN等の存在は侮れない。

この勢いに乗じて使い勝手のよいオプションなどあればリクイディティも確保出来そうな感じがしないでもないが、そんなことを想うにつくづく大証225オプション市場がスタートした当初を思い出してしまう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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