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寄付失速

本日の日経紙総合面には「ふるさと納税バブル崩壊」と題して、総務省が高額返礼品で獲得に走っていた話題を呼んだ自治体に対して待ったをかけた効果が出て一時の過熱感が一服するなど転機を迎えているさまが書いてあった。

この手の記事では必ずといっていいほど登場する宮崎県都城市であるが先月は前年同期の三分の一に失速したという。かつてトップが寄付額の9割ぐらいの返礼品でもよいと思っている旨の発言をTVで見た事があったが、お上の御達しが出ると逸早くこれまでの半分にカットするなど聞き分けがよかったのは意外でもあった。

そういった一方で還元率5割を誇る草津温泉や北海道の人口減対策の為の還元率5割の航空券、またモノでは志摩の真珠や福岡の家具、山形のノートパソコンなどはこの御達しをそのまま受け入れるつもりはないとしているところは筋が通っていて気持ちがよい。改めて資産性や高額なモノとの一括りでおふれを出してしまう愚策が浮き彫りになるいというもの。

現状ではふるさと納税バブルに踊った自治体の寄付額減少のみがクローズアップされているが、前にも記したように納税に対する返礼品バブルに乗って受注を捌くべくマンパワー不足から雇用を増やし、また設備投資も拡大させてきた関連の中小企業の問題も今後出てくる可能性もないわけではないか。


PCR7年ぶり高水準

本日も日経平均は北朝鮮情勢など外部環境の不透明感が続いての続落となりこれで5日続落となったものの、ジリジリとした下値切り下げ型で売られ過ぎ感が意識され辛い形での調整となっている。こうした北朝鮮を巡る地政学リスクはCDS市場でも重荷になっており、代表的指数であるアイ・トラックス・ジャパンは約4ヵ月ぶり水準まで上昇した旨が今日の日経紙にも載っていた。

為替も当然ながらこの辺の影響を受けており4月以来の108円台を舐めに行く場面も見られるようになったが、日米金利差への感応度合も前回の下落局面から高まっている旨を指摘する向きもあり、シカゴの通貨先物の円ショートポジションの大きさからその巻き戻しを警戒する向きも多い。

斯様な不透明感を背景に先週末のプット・コール・レシオは先週末に1.41と約7年ぶりの高水準となった旨が日経紙にも出ていたが、プットの買い手は国内生保や海外年金系等の模様でまたETFでもインバース型の売買が増加してきている様を見るにまた今月あたまに見られた下落への備え的なものが窺える。


夏の長雨

さて今年もお盆が終って街中にはいつもの人混みが戻ってきたが、先週末も関東地方各地を雷雨が襲い花火大会など中止に追い込まれたり、停電も発生した模様で今年は40年ぶりとなる記録的な長雨を背景にレジャー関連が冷や水を浴びせられる憂き目に遭っている光景が各地で見られる年となった。

上記のイベント関係のみならず都内の家族向けのプールなど閑散模様が目立ち、大手処はいずれも今月一番の掻き入れ期間の来場者数が前年同期比で軒並み30%〜40%減少となった模様。斯様な明暗は株価にも表れ東京サマーランドを擁する東京都競馬の株価は今月に入ってから軟調推移が続く一方で、対照的に屋内レジャーの位置付けを持つ東映は先週には年初来高値を更新してきている。

レジャーのみならず今後は野菜等の高騰も気になるところでやはり当然のことながら暑い時期には暑く、寒い時期には寒くなければ経済効果も望めないというものだが、年を追うごとに予測不能な天候事情が多くなる様を見るにつけ天候デリバティブ関連の商品開発は商機でもありもっと選択肢が増加して然るべきであると思う次第。


目的別アンティーク

さて、今週あたまの日経紙には「希少コイン 人気の怪」と題して、値上がり益の期待やはたまた取引記録が残らず第三者から見えにくいという特殊性からの資産隠し等も含め100年以上前に欧州などで発行されたアンティークコインの人気が高まっている旨の記事があった。

アンティークの並びで値上がり益の部分に焦点を当てて論じれば同じステージに挙がってくるものとしてはアートや自動車、ワイン等も応分のパフォーマンスを上げ注目されてきてはいるものの、こと資産を補足されたくない向きに以前から安定した人気なのが上記のアンティークコイン、そして切手の類だろうか。

いずれも足跡が付き難く売買実態が見え難い上に何と言っても運ぶのが容易な点がひと際存在意義を際立たせているというものだが、それにしても週明けに取り上げたビットコインが最新通貨ならその対をゆく格好のアンティークコイン、デジタル通貨が代替資産人気で暴騰する一方でこうした現物資産なる対極通貨が同時人気を博しているさまは一見カオスのようだがその実今の時世を如実に表しているか。


GIの行方

さて、パスタ等に使う粉チーズが切れてしまい近所の某スーパーでブラブラと物色していたら、暫く目にしなかったお気に入りのパルミジャーノの粉チーズが入荷しておりつい余計に買ってしまった。これは所謂よく見るパルメザンの類とは全く違い、知人の家で出逢って以降他のものはなかなか受け入れ難くなっている。

ところで以前の当欄で日欧EPA締結について書いた事があったが、このパルメザンチーズなどすっかり商品名として定着してしまっているものの、中身はといえばアメリカ製という事でゆくゆくはこの名前も使用するのが危うくなるという事になる。イタリアのパルミジャーノに限らずフランスのカマンベールもまた然り。

そ互いの市場で「〜風」「〜スタイル」といった表記で売られる類似品を排除という事になると、それこそレストランのメニュー表記にまでケチがつきそうだが、欧州では神戸ビーフを謳う偽物肉が出回る現状を見るにつけ何とも複雑なところ。今秋に最終案を固めるという事だが米などの出方含め今後の関係協議会等の動きにも注目しておきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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